プロ野球 OB投手資料ブログ

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田辺繁文

2021-06-08 12:57:54 | 日記

1977年

大試合のキャリアこそないが高校球界のサウスポーでは松本(東洋大姫路)に比肩する速球投手として評判の高い逸材。「まだ素材だが将来が楽しみ。ウチの投手陣の左不足と地元のホープという点から1位に推した。投球は速球が主体でカーブをちょっと使う程度。先ごろ巨人に入団した角(三菱三原)の高校時代よりはるかに実力は上」備前スカウトの評価は高い。木庭スカウトも「スピードでは松本をしのぐ」とまで絶賛。プロ入りしない場合はノンプロ川崎重工に就職が内定している。185㌢、81㌔、左投げ左打ち。

広島東洋カープが1位指名した田辺繁文(盈進高)は甲子園経験はないものの阪急が同じくトップ指名した東洋大姫路の松本、鳥取城北の川口(ロッテ6位)とともに高校球界の左腕三羽ガラスと言われている本格派。田辺投手に「カープ1位指名」の報が飛び込んだのは、昼休み時間の午後一時過ぎ、校内放送で校長室に呼ばれ、早川和人監督から伝えられた。「信じられない。もしかしたら指名されるかもしれないと思っていたが、まさか1位なんて」校長室では早速、記者団のインタビュー。マウンドの度胸男も、ちょっぴり戸惑い気味だった。「小さい時からプロにあこがれていた」だけに、自分の実力が認められたうれしさを隠し切れない。もともと巨人ファンだが、地元カープについては「好きでもきらいでもない」と言い、入団するかどうかは「一生のことだから両親や部長、監督さんらとよく相談して決めたい」と答えた。田辺はノンプロの川崎重工神戸からも勧誘されている。しかし、会社側には「ドラフト会議で指名されれば、プロ行きもありうる」との了解を取り付けている。早川監督はプロ入りについては白紙状態と強調しながら、「強いものに立ち向かっていく闘争心を秘めている半面、性格は素直で努力家。プロでも十分やっていける」と太鼓判を押す。二年の時、練習時代で松本(東洋大姫路高)と投げ合ったことがある。「その後、甲子園での松本の活躍を見て、ライバル意識を燃やし始めた」と打ち明ける。福山市に隣接する広島県芦品郡新市町に住む会社員四郎さん(52)、百代さん(52)の両親は「甲子園にも出ていない息子を1位に指名されて光栄。本人が進みたい道を歩かせてやりたい」という。この日の反応を見る限り「カープ入団」の公算は大きい。両親と姉一人の四人家族。小学校三年から野球を始め、新市中央中三年の時、県大会に出場し準優勝。さらに、盈進高に進んだ五十年夏の甲子園県予選1回戦で、早くも救援のマウンドを文、2回戦では先発。秋には一年生ながらエースの座についた。新チームになった二年秋から夏の大会前までの成績は、45試合で防御率0.77。一試合平均13個の三振を奪っている。完封試合は14で、ノーヒット・ノーランを8試合(公式戦3)記録している。


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