プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

田辺修

2017-03-26 10:55:02 | 日記
1970年

名古屋の三連戦に三試合とも1点差。それが東京にまでつづいて連夜の逆転劇。中日ナインはムシャクシャがいっぱいにつまっていたところ。試合前にベンチで一枝が「巨人を意識しすぎるんだ」とはがゆさをぶちまけていた。最近の巨人は順調に勝星を重ねているが、先発投手はこの夜の城之内を含めて九試合連続KOされている。打線も主に十一試合本塁打が出ないなど完調とはいえない。それなのに勝負強く勝っているところは一枝のいうように他球団が巨人は強いという虚像に幻惑されているようだ。その巨人のバケの皮を六試合ぶりにやっとはいで悪循環を断ち切った立役者は、ことし近鉄から移籍した田辺だった。田辺は三十八年近鉄に入団。最高の勝星は四十年5勝で、七年間にわずか10勝。昨年一昨年と0勝を続けていた。ところがことしは投手難の中日でたよりにされ、今夜の勝利で8勝目。星野仙についで二番目の働きぶり。玉のような汗をぬぐいながら田辺は「きょうはインコースがよくきまった。そんなことをいうと今度はインコースをねらわれるかな。ONどころかどのバッターもこわいですよ」と勝率までの不成績が頭に残っているのか、威勢のいい営業はきけなかった。しかし根は気の強い田辺のこと。口とはうらはらにどうしてどうしてONに真っ向から立向った堂々たる勝利。王には3回、左にうまく流されて二塁打。これがきっかけで1点をとられたが、長島には4打数無安打。「ランナーをためたらダメだと思ったので・・・」と無四球を説明していたが、王をこわがり、たいていの投手は四球を出すもの。その王のいる巨人相手の無四球試合は、田辺の言葉とはうらはらに「ONなんてこわくない」という強気のピッチングを物語っていた。

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