プロ野球 OB投手資料ブログ

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浜浦徹

2023-05-27 09:42:18 | 日記
1978年
浜浦の変身ぶりに目を見張った。三回まできれいに三人ずつ料理していった。パーフェクトピッチングのすばらしいスタートだ。7回3分の2で永射にバトンを渡し、完投こそ逸したが、五十一年七月三十日の後期、対南海一回戦以来、二年越しでうれしい白星を飾った。変化球にコントロールがついた。カーブ、スライダーで、カウントをかせげるようになったのは強みだ。当然、安定感が出てきた。投の一角をまかされるだけの力をつけたとみていいだろう。長いトンネルを抜け出した本人は「ホッとした」と白い歯をのぞかせた。毎年大きな期待をかけられながら裏切ってきた浜浦。自分自身にもどかしさを感じ、苦しみぬいていたときの勝利だけに、この味は格別だ。この日浜浦は、朝食をすませると「スッキリしよう」と思い、宿舎近くの散髪屋へ行ってきた。サッパリしてのマウンド。力んで一人相撲をとる昨年までの姿はまったく見られなかった。冷静なピッチングは「余分なことを考えずキャンプでやってきたものだけを出すことを心がけて投げた」からである。つまり、キャンプではフォーム固めに専念した。そのフォームで打者と対することだけを考えていたのだ。浜浦がベンチへ帰ると、根本監督が1イニングごとにアドバイスをしていたが、これも「状況判断するのもいいが、お前の持ち場は、いかに正確に投げるかにあるんだ。打者に投げるのが先決だ」と、同監督は口をすっぱくして言い続けた。「フォームが安定したので、コントロールがよくなった。力まなくなったのもフォームが固まったからだ。八回は、結果を考えてしまった。だからスピードの落ちたところを打たれた。でも、ある程度投げられる自信はついた」投手が苦しんでいるときの一番いい薬は白星である。波に乗るきっかけをつかんだ浜浦に期待したい。

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