亢進症な生活

甲状腺機能亢進症(バセドウ病あらため甲状腺ホルモン不応症)と膠原病(SLE&シェーグレン)を併発した働き者。のんびりと♪

レントゲン手帳と線量の話

2011-07-08 | 膠原病(SLE、シェーグレン症候群)
みんなが暑いという部屋で、ひとり寒いなぁとこっそり感じていたのですが、風邪のひきはじめなんだか、代謝が落ちているのだか(笑)その後、水ばなが止まらなくなってますが、熱は出てきてません♪

さて、唾液腺シンチを受けたあと、検査の45分間、ずっと話しかけつづけてくださった技師さんに、ありがとうございましたって言って、「ところで、レントゲン手帳って書いてますか?」と聞いたら、いろんなおもしろいお話を聞かせてくれました。

おもしろかったのは、その技師さんの個人的な感覚では、レントゲン手帳をどう活用するか、何をどう書けるかというのが問題というお話でした。

まず、海外と比べて、日本の放射線の使用量が多いとは言われるけれど、機械の普及率がとても高いので、一概に比較していいのか、よくデータをみないといけないんじゃないかという話。経済協力開発機構(OECD)の加盟国のなかで、日本はCTの機械の普及率はずばぬけて高いですね。

それから、放射線がなんとなく怖いのはわかるけれど、危険に関する客観的な情報がもっと広がる方が先なんじゃないかと。「放射線の線量を気にするなら、タバコに近づかない方がよっぽど発ガン率が下がるのに」っておっしゃっていて、ほんとにそうだなと思いました。

医療被曝に関しては、基本的に、放射線は受けないで済むなら、その方がいいわけです。でも、検査や治療のために使った方が予後がいい(病気が早期に発見できたり、抑えられたりできる)と先生が判断して、患者さんもそれに同意するから、検査や治療をするわけですよね。
使った線量の累積をすることよりも、その検査や治療の有効性を議論した方がいいんじゃないかなと言われました。有効じゃなかったら線量が少なくてもやめるべきだって。これって、別のときに、がん放射線療法看護認定看護師さんから同じことを聞いたけれど、なるほどそうですね。
たとえば、乳腺が発達している若い世代の人が検診でマンモグラフィを受けて被曝しても、実は乳がんが見つかるよりも、違うものをガンかもと疑われたり見落とされたりする可能性が高くて、被曝する分、ソンですという長期の調査データがあるそうですが、こういう話はなかなか広く伝わることがないですね。。

それから、複数の医療機関や科をまたいで、シンチや放射線治療をする場合は、情報をまとめておくことが必要だけれど、そういう状況の場合は、「こんな検査を受けたんですよ」という情報はレントゲン手帳ではない形で共有されることが大事じゃないかと。

そして、ここから先が、マニアックな職人さんの語りになっていて、なんだかジブリ映画の、地下の機関室で聞くような話でおもしろかったんですが…(笑)

最近の機械は、CR(デジタル)装置なので、線量が適切でなくても、ある程度は補正してくれるのだそうです。10年以上前は、適切な線量を見極めるのが技師さんの腕で、先生たちがほめてくれるわけでないけれど、お叱りがないと誇りに思ったもんだ、と話してました。
お腹は4cm厚いと線量が倍にする、とか。電気を増やすか時間を長くするかも部位によっていろいろあってね、と。懐かしそうに話してくれました。近頃では、どの業界でも、10年前はぜんぜん違ったんだよっていう話、ほんとによく聞きます。
「最近の若いもんに言っても通じないけどね」って、小さな声でお約束のセリフをおっしゃるので、思わずにっこりしてしまいました。

そんなわけで、この技師さんが言うには、レントゲン手帳に検査の概要は書けるけれど、細かい線量は機械が微調整したりするから、若い技師さんは線量を書けないんじゃないかというお話でした。案外、デジカメのExif情報みたいにデータに出力されているのかもしれないけれど。

技師さんのお話を聞きながら、レントゲン手帳って、どう役に立つのかなって考えていました。患者さん自身が、自分の検査や治療に興味を持ったり、理解したりするきっかけになれば、それで十分なのかもなぁ、なんて思いました。

ともかく久しぶりに、職人さんの熱いお話を聞いて、楽しかったです♪


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