経済なんでも研究会

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形勢逆転した イタリア vs. EU

2018-12-21 08:06:30 | EU
◇ 国民投票までちらつかす = つい1か月前までは、出来の悪い生徒とその生徒を叱咤する厳格な教師の関係だった。イタリアのコンテ首相はEUに提出した19年予算案を差し戻され、さらに修正した予算案も認可されず。EU側はイタリアの財政赤字がGDPの130%に膨らんでいる点を指摘、もっと予算規模を縮小しないと制裁を科すると脅していた。

その関係が一気に逆転した。原因は、フランスで起きたマクロン反対のデモ騒ぎである。燃料税引き上げに反対するデモは、マクロン大統領の辞任を求める全国運動に拡大。政府はこれを鎮めるために、燃料税引き上げは事実上の停止。さらに最低賃金の月額100ユーロ(約1万2800円)引き上げや、残業収入の無税化などの施策を打ち出す羽目に陥った。

この結果、フランスの19年予算はGDP比で3.2%の赤字に。EUが決めた3%以内の原則を超えてしまった。なにしろフランスは、ドイツとともにEUを支える大黒柱。EUとしては、そのフランスに制裁を科すわけにはいかない。するとフランスには目をつぶって、イタリアだけを怒るのもどうか。やむなくイタリアの予算案を承認することになった。

これでイタリアは、政府も国民も元気を取り戻した。閣僚のなかには「フランスと同等に扱え」と公言するものも出る始末。国民の間では「EUと戦うコンテ内閣」を支持する空気が強まった。マスコミのなかには「いま国民投票を実施すれば、EU離脱派が確実に勝つ」という論評まで現われた。いま下を向いているのは、厳しかった教師の方である。

       ≪20日の日経平均 = 下げ -595.34円≫

       ≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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