一緒に歩こう♪

ぺぐ+ぽん → ぽん+ちゅう太 →ちゅう太+銀太

山より高く 海より深い

2018年08月26日 | Weblog

ぽんちゃんの姿が見られなくなって

ぽんちゃんを撫でることができなくなって

彼の居ない特別な日を、当たり前の日常とする。

なかなか受け入れられない日が続いています。

 

じっとしていれば

16年間の楽しい思い出が次々わたしに降りかかる。

 

 

何気に行ったペットショップで出会った売れ残りのコッカーは

8才頃まで私の手をガブガブと噛み続け

涙焼けや足先耳先にたまる脂の防止にと、手作りでご飯を作らせ

毛玉ができぬようにとトリムを習わせ

食いしん坊がたくさん食べても太らぬようにと、せっせとお出掛けをさせた。

 

いつしか私の生活は彼のお世話をすることが主軸となっていた。

彼は私で、私は彼だった。 

 欠けた身は痛みとともに、その存在を主張する。

 

 

最後の数日間からずっと思っていた。

コイツはおマヌケだから、自分が相当具合悪いなんて思ってないんじゃないか?

だから、ぶっ倒れてもぶっ倒れても、私の腕のなかでヘラヘラとしているんじゃないか?と。

そして、いよいよになって慌ててあの切ない目で私に何かを言っていたんじゃないか?と。

 何を言っていたのだろう? あの目は。

そんなことを逡巡しながら数日間、昔からの写真を整理していた。

 

20日程経って、ふと私の中でパズルが嚙み合ってくる。

 

この家に来て、既にぺぐちゃんという先住犬がいて

ほぼ入れ替わるようにちゅう太が来た。

 

ぽんちゃんが私を独り占め出来た期間は無いに等しい。

もっと甘えたいけど甘えられない、三人兄弟の真ん中。

だから

彼は母ちゃんにたっくさん抱っこされて、苦しさより嬉しさが勝ったのではないか?

昨日も今日も、そして今も母ちゃんを独り占め。

酸欠でぶっ倒れても気が付けば抱っこされてて、それが嬉しくてヘラヘラしていたの?

 

負けたね。

私はこの世界で一番キミを愛していると思っていたけど

私の愛なんざ、キミの愛に比べたらお話にならない程度のものだった。

 

そう考えたら、最後のあの訴えにも合点がいった。

何のことはない、彼もまた私があの時彼にかけてた言葉を言っていたのだ。

お別れなんだ。

悲しいね。

ありがとう。

大好きだよ。

また必ず会おうね。

  

こんなに愛せる者に巡り合えて、こんなに愛してもらって

私は幸せです。

 

 

16歳と2か月と10日の犬生でした。

 

ビビリだの、ちっせーだのとさんざん言って笑ったけど

ぽんちゃん。

キミは漢だったよ。

立派なお別れだった。

母ちゃんはキミが可愛くて、かわいくて、可愛くて、自慢のワンコだった。

母ちゃんの人生に神様が用意してくれた宝物だと思っていた。

母ちゃんの元で16年ものあいだ過ごしてくれて、ありがとう!

 

 

 

私も前へと歩まないと。

いつまでもここに居たのでは、未来で彼と落ち合えない。

約束したから。

必ず私をみつけて戻ってくるようにと。

少しずつでも、彼に再び出会う未来に行かなくては。

 

 

 

 

 

皆様へ。 

もっとはやくに此処でお知らせをしようと思ってはいたのですが

なかなか書くことができなくて…ご報告が遅くなってすみません。

前ブログから10年以上にわたり

ぽんちゃんのおかげでたくさんの方とお会いして遊んだりお話できたり

楽しい時間を過ごすことができました。 

彼に関わって下さったすべての人とワンコさんに、御礼申し上げます。

 

 

 

ここは、このまま。

ナマぽんちゃんは現れなくなりますが、ぼちぼち続けようと思ます。

自分でもすっかり忘れていたけれど、ここは他所で生活する家族に

犬たちの様子を伝える場でもあったのでした。

ちゅう太くんが、いる!


エ ソラ 

2018年08月26日 | Weblog

8月3日。

それは毎年の大花火大会の日。

ぽんちゃんは私の腕の中から大空へと昇っていきました。

 

 

 

猛暑の夏。

だからいつもより強めに設定したエアコンの部屋で

ハァハァと荒い呼吸に擦れた音が混ざる。

これは変だなと診て頂いた獣医さんが心肥大を確認し、お薬を下さったのが7月23日。

今まで病気などしたことのない彼だったから

よもやこれが激流の下りはじめなどと、まったく考えもしなかった。

 

 

たっぷりと頂いた薬を飲みながら、いつもと同じ生活が続く。

食いしん坊は生まれつき。

 

お掃除のモップを楽しく追いかけるのもいつも通り。

だけど彼の荒い呼吸は治まらない。

 

7月27日。

再び獣医さんに診て頂き、症状を告げると

『今までのお薬をそのまま続けて、そして自宅用に酸素ハウスを検討してください』

と、言われた。

渡された酸素ハウスのカタログを受け取り

なんだかポカンとした頭のまま、帰宅する。

 

夜になって、ようやく酸素ハウスと言った獣医さんの意図に気が付く。

気持ちがザワつく。

 

翌々日、届いた酸素ハウスに入ったぽんちゃん。

私の指示するまま、素直に入ってくれた。

 

食いしん坊は健在で、それが安心材料。

 

流れは、より加速する。

 

肥大した心臓のために利尿剤が投与され、だから彼は喉が渇く。

水を飲む度、体が酸素不足になって呼吸が苦しい。

 

だけど彼は慣れたいつものハウスに戻りたがる。

お願いだから酸素のハウスに入って!

 

でも、まだこの頃はお散歩に出ても

しっかりとした足取りでコースのニオイチェックも怠りなく

イキイキとした笑顔も見せてくれていた。

 

7月31日。

食いしん坊の彼はいつものように朝食を食べにお茶碗へと走る。

ご飯だぁーーーー!

大きな口をあけてガブリ食いつく。けど、ごはんが口に当たったところで動きが止まった。

口に入れられない。

ご飯を前に立ち尽くす。

彼が初めて見せる姿だった。

ごはんに水分を足して緩めてあげると、どうにか完食した。

これが、十数年間、うまい!うまい!!と食べ続けた私の手作りごはんの終わり。

 

その日の夕食は、やはり駆け足で向かったけれど

ご飯を一口も口にできず突っ立っている。

指ですくって口に塗ろうとしても、ソッポを向く。

もう何でも良いからと食べられるものをさがしたら

茹でた鶏肉やアイスクリーム、スイカなどを食べてくれた。

 

ぽんちゃんの胃袋は鉄の胃袋と。

ぽんちゃんの胃液は何でも溶かすと。

食べ物ではないものを食べても下痢もせずにいた彼だから

つねづね家では『彼がご飯を食べなくなったら』と言っていた、その日がやってきたのだと

私は…決められない覚悟を思い浮かべる。

 

激流は、更に加速する。

 

8月1日。

水が飲みたい!喉が渇く!水!!

水をガブガブを口にすると次の瞬間、酸欠で彼の頭は270度回ってぶっ倒れる。

彼が水を飲みだすと、私は倒れる彼を受け止めるべく両手を差し出し

そして受け止め、抱きしめる。

これはこの後、給水するたび続くこととなった。

 

倒れた彼は抱きしめて体をトントン叩けばすぐに戻って

何だかちょっとイイ顔でハァハァしている 。

苦しいはずなのに、ご機嫌なようにも見える。

動物なのに自分の状態が把握できてないのか?

 

獣医さんに電話をし、連れて行ったら何かできることは?…と聞いてみた。

ここに来ることが負担なはずだから、お家の酸素室にいたほうが本人も楽であろう。 と。

 分かってはいたけれど…宣告。

 苦しむ彼になるべく居て欲しいと思うのは私のエゴとわかってる。。

 

 

8月2日

気が付けば今日は花火大会の初日。

街は落ち着きのない様子。

我が家は祭りどころではないが、落ち着きのないのは一緒である。

朝の涼しい時間にカートに乗せて外に出し、オシッコをする。

帰り道いつもオヤツをおねだりに行っていたおばあちゃん家に、どうしても行くと言う。

いつも通りにオヤツを貰って、帰宅。

いっぱいいっぱいの彼ではあるが、足取りはしっかりしているしオツムも冴えてる。

 

酸素ハウスはぽんちゃんの体温で暑くなるので、凍ったペットボトルを入れて温度を下げる。

湿度が高いと暑いし、低いと乾燥で呼吸が苦しい。

スポンジに水を浸して、湿度調整をする。

一秒でも多く楽に過ごせる時間を増やしてあげたい。

私にしてあげらえることは他にないのだろうか。。

 

8月3日。

今日、また朝が迎えられたことにホッとする。

今夜遅くに娘が東京から帰宅する。

がんばれ!

 

今日も早朝に外に出て、ほんの少しだけオシッコをする。

思うように水も飲めないからオシッコもでないよね。

思い切り水を飲ませてあげたい!!

私に資格があって自宅で点滴をしてあげられたらなどと

考えても仕方のないことを考える。

 

オヤツのおばあちゃん家は…今日は行かなくて良いのだそうだ。。

辛そうな様子。

そして水を飲んでは失神を繰り返し、私の腕の中で目が覚めてはヘラヘラしている。

何をどの程度感じているのだろうか?

 

 

午後。2時すぎ。

様子が変わる。

彼は私の腕の中で何度が気を失い、覚醒し

そのたび、とても強い眼差しで私に訴えた。

何度も訴えた。

それはそれは切ない、真剣な眼差しで訴えた。

何度も何度も何度も。

 今まで見せたことのないほどの、重い眼差しで。

 

そして、こと切れた。

肥大した心臓が最後に ズズン。。。ズズズズン。。彼を支える私の手のひらを打った。

 

 

これは絵空事か。