アリスの丘からこんにちは

軽井沢/森村桂の手作りケーキ

去年も今年も

2009-09-29 18:09:33 | 日記

逢えたね。

あの時も、ゴンにペロペロされても

キャッキャッと笑って喜んでくれていた坊やが

今年もアリスの丘に遊びに来てくれました。

ひとつ大きくなった坊やはあの時と同じ様に

ゴンにペロペロされながらニコニコ笑っていました。

でもゴンが抱きついてしまったのです。

立ち上がればゴンのほうが大きいのです。

恐かったね。

泣いてしまいました。

その時ママが坊やを抱き上げながら

「大丈夫よ、ゴンは恐くはないのよ」と優しく声をかけました。

  泣き止んだ坊やは

ゴンをじっと見ながら20097_003

ママの言葉をかみしめて

自分にいいきかせています。

・・・・・・・・・・・・・・ゴンは恐い犬ではないんだ・・・・・

ママの腕から降りて、坊やはもう1度ゴンの前にいき

また顔を舐めさせてくれました。

その坊やに、今度はゴンが、ゴロンと仰向けになってお腹を見せて

「ゴメンナサイ オドロカセテ」。

涙いっぱいためた目でゴンを見ながら

自分に言い聞かせていた坊やの  あの顔が

わすれられません。

また来年もゴンに逢いにきてね。

             (グレーうさぎ)


忘れんぼのバナナケーキ

2009-09-27 10:52:29 | 日記

「私にもいろいろあった。

私は、いつしか光を失っていた。

私は、言葉を、忘れてしまっていた。

目の前に、青年が立ったとする。

少女が立ったとする。子供と出くわしたとする。

私と同い年ぐらいの女の方を目の前にしたとする・・・・。

私は、言葉を持たなかった。

外国ならいい。

私は、要求だけをいえばいいのだ。

プリーズ、ギブ、ミー、ベッド、アンド、イート。

私は、この言葉一つで、ニュージーランドで、未知の人たちに温かく迎えられ

なんにちでも泊めてもらい、良き友を得た。

フランスでも、この言葉で、言葉の通じない人たちが、私を親切な家に導き、そこの人たちは

私をはるかなる国から来た客として迎えてくれた。

でも、日本では、同じ言語の国なのに、私は、言葉を持たなかった。

アリスの丘の実習生とがそうだった。

家出してきた少年とがそうだった。

自殺旅行で、最後にと立ち寄った若い女の人とがそうだった。

奥さんを失い、子供と仕事と健康のことで、ストレスいっぱいの紳士とがそうだった。

私は、何もいえず、お菓子を焼いた。

忘れんぼのバナナケーキを、

家出のケーキを、

幸せのお菓子を、

空とぶ魔法の絨毯を。

そのお菓子を食べた人の、光のなかった目が輝いた。

「おいしい」

「うまい・・・・」

それからは、言葉はもういらなかった。互いに、気持は通じ合った。

互いに一方的にしゃべりたてさえすれば、それは、自然に、会話となった。

今、何故、ケーキなのか?

今、何故、ジャムなのか?

それは、私と、未知の人とを、そして、ごく親しい人との間でさえ、つないでくれる言葉に

なってくれるから。

その言葉のおかげで、

私は、自分のカラに閉じこもって、

ただ、原稿用紙に書いていただけの日々は終わった。

生きた言葉を持った私は、人との間に、束の間、いのちを持った。

今日も、

きのうも、

おとといも、

そして、きっと明日も。

だから、私は、ケーキを焼く。

だから、私は、ジャムを煮る。

どうか、おいしいケーキが焼けますよう、

魔法よきいてよ、お願いね、

天火よ、頼むぞ、恥かかすなよ。

いつしか、語るはずのない天火とさえ言葉を交わし、

心を通わす錯覚まで持ちながら、

私は、毎日、ケーキを焼く。」

              森村 桂 「忘れんぼのバナナケーキ」より。

  9月27日。

今日で、森村 桂が逝きまして5年がたちました。

上に書きましたのは、昭和61年7月25日発行された本「忘れんぼのバナナケーキ」

の始めの部分です。  私の一番好きな、そして心に深くしみいったところです。

このような思いで桂さんはお菓子を焼いていたのだ。

これを書きながら、とてもとても せつなくなります。

  いつまでも、アリスの丘を愛してくださる皆様に

深く深く心より 

感謝申しあげます。  ありがとうございます。

これからも森村 桂のこよなく愛した「アリスの丘」を

どうぞよろしくお願いいたします。

               (グレーうさぎ)

素敵なお知らせが ひとつ。

11月1日(日)。静かに秋が終わる頃です。

この日の昼下がり、アリスの丘では素敵なことがおこります。

ライブです!

ゲストは永島 浩之さん!中村康太さん!です。

   「縁ある人 万里の 道を越えてひきあうもの

    縁なき人 顔をあわせ すべもなくすれちがう」と

中島みゆきさんが歌っていますが、本当に そう。

「森村 桂」と「M・一郎」の出会い。

そして、二人が築いた「アリスの丘」

そのはじまりがなければ生まれなかったでしょう、

沢山の人と人との繋がり。

その 

繋がりの中のある一点が、今度のライブです。

この日、アリスの丘は、いつもの通りの形で開けています。

ライブをご存知なくお出でくださってもご心配にはおよびません。

むしろ、きっときっと、素敵なひとときを過ごしていただけると、思います。

11月1日。

 ベランダで  秋の風に抱かれながら 音と言葉に

 ひと日 ひととき 心をかたむけて・・・・・・。






☆「アリスの丘」イベント参加申し込み&問い合わせ☆

パソコンの方 http://sou.holy.jp/alice/

携帯の方 http://sou.holy.jp/alice_m/

10月4日(日)AM10:00~メール受付開始!

お名前・住所・電話番号・参加人数(全員のお名前)

を明記の上 メールにてお申し込みください。

ag@bypla.net   (infoサイト内)

たくさんの申し込みお待ちしております!

参加人数には限りがあります。

規定数に到達次第受付終了となる場合がありますので

ご了承ください。

          

                                 

                             (グレーうさぎ)


小鳥が窓にまた・・

2009-09-26 17:03:50 | 日記

アリスの丘の窓ガラス、

ピカピカに拭き込んであるわけでもないのに20097_002

また小鳥が激突・・・・・・今度はヤマガラです。

店のなかに飛びこんできてぶつかって

床に落ちて呆然としているのを暫くタオルにくるんで

様子を見る。ショックでしょうね。でもこの子は大丈夫な気がします。

少しして、先ずは近くの電気のコードに飛び移り、20097_008

また少しして樹に移り、

そしてひまわりの種の入った篭にきました。

大丈夫だね。

ああ 

良かった20097_010

                   (グレーうさぎ)


いいなあ・・・

2009-09-23 13:45:15 | 日記

まんまるくなって眠っています20097_001_2

アリスの丘の「みい」。いいなあ。

アリスの丘を一回り。20097_002_2

ちいさなバケツに

咲きました。いいなあ。

ヤマガラです20097_006

野の鳥かあ。

いいなあ。

            

               (グレーうさぎ)   


そんな・・・・・・

2009-09-19 13:38:07 | 日記

まさか  そんな

と思うことってありませんか?

ある朝のこと。

アリスの丘のベランダに出たすぐの所に

それはそれは立派な蜘蛛の巣ができていました。

織物の展示会に出したらきっと絶賛されること間違いありません。

巣の左上にはその作り主が。  真ん丸いずんぐりした蜘蛛。モゾモゾ動いています。

「凄いねえ!美しいねえ!よく作ったねえ!でも、

ここにあるとお客様が通れないから悪いけれどとるよ。

またどこか隅っこにでも作ってね」

まさか・・・・まさかそんなことが起こるなんて・・・・・・。

蜘蛛のいるところは残して、ほうきで巣を払いました。

その時・・・・私の目の前をなにか黒いものが落ちていきました。

ドサッと音がしたような気がしました。

あの蜘蛛が床に落ちて死んでいます・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

どうして?

エッ?

なぜ?

まさか、巣をとってしまったから?

精根こめて作ったものを壊されてしまったショックから?

まさか、そんなこと

でもそうとしか思えない

あの小さな虫が落ちた音ではなかったから・・

あれは  心の音

あの蜘蛛は自分の作品が好きだったんだ・・・・

          グレーうさぎ

   追記

この日来 蜘蛛の巣をみても取り払う事が嫌になりました。

だから今アリスの丘はあそこにもここにも蜘蛛の巣があります。

でも、どれも端っこにちょこっと作ってあるだけ。

あんなに立派で美しい蜘蛛の巣は今までみたことがありません。

         きれいでした。