アリスの丘からこんにちは

軽井沢/森村桂の手作りケーキ

昭和40年(1965)4月20日(火)朝日新聞14P

2010-02-12 16:56:08 | 日記

今から44年も前の新聞の切り抜きのコピーを頂きました。

   記事は

「南太平洋の島で土人と暮らす」

      半年振り娘さん帰国

〔宮津=京都府〕女ひとり、南太平洋の仏領ニューカレドニアへ渡り、

六ヶ月間土人達と寝食をともにした東京都新宿区西大久保三丁目三十、

森村桂さん(二四)が十九日、太平洋汽船所属の貨物船「玉竜丸」で

京都・宮津港に帰ってきた。

森村さんのお父さんは童話作家、故豊田三郎さん。豊田さんが雑誌

「赤い鳥」に発表した「土人の子」を読んでその生活に興味をもち、昨年

十月、「暮らしの手帖」編集部をやめ「玉竜丸」で同地へ渡った。

森村さんは、その体験をこう話した。

  現地人の青年団やフランスの青年と昨年暮れから正月にかけ

  ウベア、リフなどの島々を訪れた。ウベアでは、日本の女が来たのは

  初めてだと、まるで女王のように歓迎を受け、酋長が新年の祭りに招待してくれた。

  こけし人形を贈ったら、みんなを集めて「これをもらった」と演説をぶったりで

  大騒ぎだった。

  ヤシで作った家に住み、石焼料理やヤシを食べ、現地人と同じ生活をした。

  食料は豊かで牛肉、パン、バターなどの必需品は日本よりはるかに安く、

  どこの家に行っても鳥の丸焼や大きな肉を用意していた。

  現地人は船の荷役やデパートの店員、女中などをして働いているが、

  一日二千円くらいの賃金。欲がなく、盗難などは全くない。

  毎日楽しい〝夢の島〟の生活だった。

  いずれ旅行記を書きたい。」

こうして1966年学習研究社から「天国にいちばん近い島」は発行されました。

                       グレーうさぎ