ガラスが見えないの？・・・・・・・・
ガン！という凄い音のした方を見ると
小さな羽根がヒラヒラと舞って鳥が落ちていった。
“また、ぶつかった・・首の骨が折れていなければいいなあ”
祈る想いでタオルにくるんで室内に。丁度いらしてたアリスの丘の
そしてＭ・一郎さんと私の共通の友人と二人で暫く抱っこして
見守っていると、モソモソと動いたので
「良かった！折れていないみたい！飛ぶといいわね」と二人して
ベランダの手すりにカワラヒワをつれて行き又暫く見守る。
くちばしは開いたまま、小さな目は虚ろなまま・・・・・
「お水をあげてみましょう」。思い立って、水をくちばしの先に少し
つけてあげる。２、３回つけても反応がなく諦めかけていた所
「あっ！いま、喉のところがゴクンと動きましたよ」と友人！
その声に元気付けられ再挑戦。
ホント！半開きだったくちばしがきちんと閉じられゴクンと喉がうごいている。
良かったね！良かったね！あとは飛べるかどうかだね。
二人して三回目の見守り体制に入りかけた時、
「オイ！ゴンがいない！ワ、ワイヤーがくいちぎってある！」とＭ・一郎さんの声。
ゴンがワイヤーをくいちぎって・・・・・・どうして？・・・
くいちぎるって・・・逃げたい訳は？
友人はすぐに捜しに飛び出して行ってくれた。
私は、そのくいちぎったと言うワイヤーを見る。
ゴンが家を出て行くなんて考えられなかった。
ワイヤーを見ているうちに、？ 犬が噛んだ跡がないことに気が付いた。
切れてしまったのだ。ゴンがウロウロ、ワンワン動き回っているうちに
弱くなってきていたワイヤーがプツンと切れてしまったのだ。（これは
後で三人でそう結論を出した）。それが証拠に
ゴン！ゴン！と半ば叫びながら捜しに出た私の遥か向こうの方から
いちもくさんに走ってくるゴン！！！
ああ かわいい・・・・・なんてかわいい・・・
ゴンは多分、ワイヤーが切れたことなど分かってなかったのだと思う。
なんとなく、なんとなく歩けていていつもの散歩道を歩けていて・・・・
でも、なにかおかしい事にフッと気が付いた。
アレ？いつも一緒にいるはずのおじさんも、時々いるはずのおばさんもいない！
どういうことなんだ・・・どうしちゃったんだ・・・こっちに行けばアリスの丘のはず！
そんな想いで引き返していた時、聞き覚えのある自分を呼ぶ声を聞いたのでしょう。
そして私を見つけたのでしょう。ああよかった。安心して思い出しました。
友人が真逆の方を捜しに飛び出して行ってくれていたことを。今度は友人を捜しに。
あっ、帰ってきた！「ヤッホー、ゴン帰っていますよー」の報告に満面の笑み。
ありがとう・・・友達。
そういえばＭ・一郎さん、「ゴンがワイヤーをくいちぎってウンタラカンタラ」の後
たしか、たしか「そのうち戻って来るよ」と言っていた。ゴンを信頼しての言葉と思えないのは
何故だろう・・・・・・・・。だからＭ・一郎さんはいつも感動の場面に出会えない。
そんなこんなの大騒ぎも一件落着。
カ ・ ワ ・ ラ ・ ヒ ・ ワ ・ は ・ い ・ ま ・ せ ・ ん ・ で ・ し ・ た 。
きっと元気に飛んでいるあの子がそうでしょう。
そう思いたい。
（グレーうさぎ）