世にある日々

現世(うつしよ)は 愛おしくもあり 疎ましくもあり・・・・

白魔女伝説 2

2017-11-20 | ☆ 白魔女伝説









へぇ~ 天使でも戦うの~

魔女がそういったとき
天使は 魔女の白磁のような背中に
口づけをして強く吸い上げた

その時 魔女はかすかに
声を漏らした
その 白い背中には くっきりと
赤い口づけの跡がついていて
こもれびが
その赤と白を包み込むように
揺れていた

そして 天使は
うつぶせに寝ている
魔女の上に重なるようにのって
足を絡ませて
やさしく髪の毛を撫でていった

そうだよ
天使は人を幸せにするのが
仕事だけど そのために
悪魔と戦わなければならない
時があるんだ







・・・・天使は思い出した

ここに迷い込んでくる前の
戦いは激しかった

通常 天使は独りでは戦わない
信仰を立てて 天上の神と繋がり
仲間とともに組織戦をする

悪魔の武器は 悪想念

念力で天使の霊体を破壊したり
悪想念を魂の中に打ち込んで
魂の中の光を暗黒に変えたりする

一人の天使が
悪魔に悪想念の斧を打ち込まれた

「 失望 」 という名の斧・・・・

その後の悪魔の攻撃は
分かっている

「 失望 」 の斧の後は「 疑い 」 という毒矢

失望させて疑いの思いを
持たせるのが
ヤツらの常套手段だ

悪魔が次の 「 疑い 」 の毒矢を
天使に打とうとしたとき
彼は 自分の体を張って
その毒矢を受け止め
斧を打ち込まれた天使を守った

しかし 失望の斧を受けた天使は
その毒が魂にまわって
失望し恐れをなして
彼を見捨てて逃げていった

「 疑い 」 の毒を受けた彼は
逃げていった天使を疑い始めた

ふと 後ろを見ると
悪魔がしてやったり
という表情で笑っていた

そして 去っていった

その時 彼は
悪魔の術中に落ちたことを知った

悪魔はいつも
心の弱さと
犠牲的精神のお人好しさに
つけこんでくる

彼は
こころの中に仲間を疑う気持ちを
持った自分を許せなかった