銀杏の葉も、散りはじめた。
台風の影響で枯葉色が混じっていたから、色づきが微妙なところだ。
黄色に色づけば稲穂と同じように“金杏”と表記してもいいのに、
なぜ“銀杏”と表記するのだろう?
“いちょう”の木を漢字変換した場合、ほとんど“銀杏”か“公孫樹”と表記される。
“銀杏”は、実をあらわし、“ギンナン”と呼ぶ。
“公孫樹”は、タネを撒いても実が成るのは孫の代までかかることから。
そして、“鴨脚”という表記もあるそうで、葉の形からきている。
読みの“いちょう”は、中国名“鴨脚(ヤーチャオ)”が転訛したものだという。
ここでも、多文化を取り入れて、日本流に使い、ついには定着させてしまう国民性がわかる。
「日本語の乱れ」を問題視するが、何をもって「乱れ」と定義するのだろう?
ところで、なぜ“金”ではなく“銀”なのか考えてみた。
“銀杏”が実の名前だということがヒントになりそうだ。
拾ってきたギンナンの食べ方を調べると、
ビニール袋に入れて実の外包を腐らせて、水洗いし、中の実を天日干しするとある。
しかし、大正生まれの父曰く、
「土に埋めて、外包を腐らせると、異臭もなくなり、実の苦みも少ない」という。
そして、土から取り出す目安が、
「皮が灰色になったら」ということ。
以前、試したことがあり、
「灰色」といっていたものが、ザビの出た銀製品の色合いに似ていること気が付いた。
それが食べ頃を示す“銀杏”の意味なんだろうと私は思っている。
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