10月5日（土）男声合唱団CHOR WAFNA 第35回記念定期演奏会 
武蔵野市民文化会館小ホール
【曲目】
（オープニング）新しき友
1．多田武彦／男声合唱組曲「三崎のうた・第二」
2．セーデルマン／農村の結婚式
3. 林光編／男声合唱による「日本抒情歌曲集」
浜辺の歌～からたちの花～箱根八里～椰子の実～ゴンドラの歌～早春賦
4. 木下牧子／混声合唱組曲「方舟」（記念混声ステージ）
（エンディング）夜の歌
【指揮】川合良一、柴田明彦(3)/Pf：武部純子
3年ぶりのヴァフナ。ヴァフナの歌はいいに決まっている、という高い期待値にいつも応えてくれ、更に上の演奏を聴かせてくれるのがヴァフナだ。ヴァフナの一番の魅力は、柔らかく優しく温かなハーモニーと親密さ。これに会いたくてヴァフナを聴きにくる人達は多いに違いない。
最初の多田武彦作品は、白秋の詩のノスタルジー、切なさ、愛おしさ、スピリチュアルなものなどを深くて温かなハーモニーと優しい語り口で心の琴線を震わせる。川合先生／ヴァフナの「タダタケ」は、安心して身を委ねたくなる温もりと懐の深さがあり、ヴァフナの真骨頂ここにありという感じ。
その意味で、「日本抒情歌曲集」のステージもヴァフナならではの魅力が味わえた。誰もが知っている抒情歌の数々に魅力的なピアノパートが付いて綴られてゆく。指揮の柴田さんは、歌（音楽）がどこでどんな呼吸をしたいか、その曲が持つ最良の強弱やテンポ感などの細やかなニュアンスを的確かつ敏感に感じ取り、繊細で滑らかな指揮で団員に示し、団員がそれを空気のように感じ取って表現している。そこからは極上の香りや色彩が醸し出される。何と幸福な時間！
「からたちの花」での木下さんの柔らかく繊細なソロは心洗われるようだったし、「椰子の実」での秋山さんのソロも真っすぐに心に届いてきた。更に花を添えたのが武部さんのピアノ。「ゴンドラの唄」での連綿と続く連符から湧き上がる詩情は柔らかな歌とともに涙腺を刺激し、「早春賦」で合唱と対話する優しく瑞々しいピアノはモーツァルトのピアノコンチェルトを聴いているようでホレボレ。このステージ全体が淡い色合いと優しい香りに包まれた。
ヴァフナのもう一つの魅力は「挑戦」。第2ステージの「農村の結婚式」は魅力的なハーモニーとリズムで婚礼の喜びの様子を綴った4曲から成る組曲。プログラムに掲載された歌詞（スウェーデン語？）は、どの単語の意味も見当すらつかない未知の言語（日本語訳を載せて欲しかった）。知らない作曲家の未知の言語の作品に「挑戦」したヴァフナ、前半はテンポやテンションに乗り切れないように感じることもあったが、終盤のお祭り騒ぎの描写は見事。靴音も高らかに臨場感溢れる喜びのパフォーマンスとなった。
第4ステージは5年ごとの節目に行われる記念の混声ステージ。取り組むこと自体が「挑戦」の木下牧子の大規模な作品。それまでの倍以上の人数と大幅に広がった音域で、ボリュームたっぷりの歌声が雄弁なピアノと共にホールに響いた。安らぎ、官能、苦悩・・・ 様々な場面で様々な表情を聴かせてくれた。ただ、この大規模な作品を聴くのは初めてだったこと、各声部が錯綜する音楽では歌詞カードなしに言葉を聴きとることが難しかったこと、解説でも各楽曲の意味をよく掴めなかったことなどから、消化不良気味のまま終わってしまった。
混声合唱のステージは大規模だし記念の意味合いもあり、演奏会の締めに置かれるのは自然なこと。クロージングも混声の「夜の歌」で終わったが、1人のヴァフナファンとしては、長年かけて獲得したヴァフナならではの男声合唱による稀有のハーモニーや「歌」を最後に聴いて締めにしたい、という気持ちが残った。
男声合唱団コール・ヴァフナ 第32回定期演奏会(2016.10.15 江戸川区総合文化センター）
♪ブログ管理人の作曲♪
金子みすゞ作詞「積もった雪」
MS:小泉詠子/Pf:田中梢
金子みすゞ作詞「私と小鳥と鈴と」
S:薗田真木子/Pf:梅田朋子
「子守歌」～チェロとピアノのための～
Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
合唱曲「野ばら」
中村雅夫指揮 ベーレンコール
金子みすゞ作詞「さびしいとき」
金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢
「森の詩」～ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ～
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
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武蔵野市民文化会館小ホール
【曲目】
（オープニング）新しき友
1．多田武彦／男声合唱組曲「三崎のうた・第二」
2．セーデルマン／農村の結婚式
3. 林光編／男声合唱による「日本抒情歌曲集」
浜辺の歌～からたちの花～箱根八里～椰子の実～ゴンドラの歌～早春賦
4. 木下牧子／混声合唱組曲「方舟」（記念混声ステージ）
（エンディング）夜の歌
【指揮】川合良一、柴田明彦(3)/Pf：武部純子
3年ぶりのヴァフナ。ヴァフナの歌はいいに決まっている、という高い期待値にいつも応えてくれ、更に上の演奏を聴かせてくれるのがヴァフナだ。ヴァフナの一番の魅力は、柔らかく優しく温かなハーモニーと親密さ。これに会いたくてヴァフナを聴きにくる人達は多いに違いない。
最初の多田武彦作品は、白秋の詩のノスタルジー、切なさ、愛おしさ、スピリチュアルなものなどを深くて温かなハーモニーと優しい語り口で心の琴線を震わせる。川合先生／ヴァフナの「タダタケ」は、安心して身を委ねたくなる温もりと懐の深さがあり、ヴァフナの真骨頂ここにありという感じ。
その意味で、「日本抒情歌曲集」のステージもヴァフナならではの魅力が味わえた。誰もが知っている抒情歌の数々に魅力的なピアノパートが付いて綴られてゆく。指揮の柴田さんは、歌（音楽）がどこでどんな呼吸をしたいか、その曲が持つ最良の強弱やテンポ感などの細やかなニュアンスを的確かつ敏感に感じ取り、繊細で滑らかな指揮で団員に示し、団員がそれを空気のように感じ取って表現している。そこからは極上の香りや色彩が醸し出される。何と幸福な時間！
「からたちの花」での木下さんの柔らかく繊細なソロは心洗われるようだったし、「椰子の実」での秋山さんのソロも真っすぐに心に届いてきた。更に花を添えたのが武部さんのピアノ。「ゴンドラの唄」での連綿と続く連符から湧き上がる詩情は柔らかな歌とともに涙腺を刺激し、「早春賦」で合唱と対話する優しく瑞々しいピアノはモーツァルトのピアノコンチェルトを聴いているようでホレボレ。このステージ全体が淡い色合いと優しい香りに包まれた。
ヴァフナのもう一つの魅力は「挑戦」。第2ステージの「農村の結婚式」は魅力的なハーモニーとリズムで婚礼の喜びの様子を綴った4曲から成る組曲。プログラムに掲載された歌詞（スウェーデン語？）は、どの単語の意味も見当すらつかない未知の言語（日本語訳を載せて欲しかった）。知らない作曲家の未知の言語の作品に「挑戦」したヴァフナ、前半はテンポやテンションに乗り切れないように感じることもあったが、終盤のお祭り騒ぎの描写は見事。靴音も高らかに臨場感溢れる喜びのパフォーマンスとなった。
第4ステージは5年ごとの節目に行われる記念の混声ステージ。取り組むこと自体が「挑戦」の木下牧子の大規模な作品。それまでの倍以上の人数と大幅に広がった音域で、ボリュームたっぷりの歌声が雄弁なピアノと共にホールに響いた。安らぎ、官能、苦悩・・・ 様々な場面で様々な表情を聴かせてくれた。ただ、この大規模な作品を聴くのは初めてだったこと、各声部が錯綜する音楽では歌詞カードなしに言葉を聴きとることが難しかったこと、解説でも各楽曲の意味をよく掴めなかったことなどから、消化不良気味のまま終わってしまった。
混声合唱のステージは大規模だし記念の意味合いもあり、演奏会の締めに置かれるのは自然なこと。クロージングも混声の「夜の歌」で終わったが、1人のヴァフナファンとしては、長年かけて獲得したヴァフナならではの男声合唱による稀有のハーモニーや「歌」を最後に聴いて締めにしたい、という気持ちが残った。
男声合唱団コール・ヴァフナ 第32回定期演奏会(2016.10.15 江戸川区総合文化センター）
♪ブログ管理人の作曲♪
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MS:小泉詠子/Pf:田中梢
金子みすゞ作詞「私と小鳥と鈴と」
S:薗田真木子/Pf:梅田朋子
「子守歌」～チェロとピアノのための～
Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
合唱曲「野ばら」
中村雅夫指揮 ベーレンコール
金子みすゞ作詞「さびしいとき」
金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢
「森の詩」～ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ～
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
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