あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
私は映像の監督をして今年で35年になる。
当時、商業映像は16ミリフィルムに変わってビデオが登場した頃であり
ビデオを使った新しいコンテンツも生まれてきた。
カラオケビデオが登場し、
入社案内や会社案内ビデオは採用難時代であり学生宅に直接宅配していた。
そんな流れの中、素人同然の私のような新人にも
監督としての仕事は流れてきた。
20分ものならロケが4日から、大作なら1ヵ月というものまで、
お陰様で月平均2~4本も監督をしていた。
監督は作品契約なので忙しいだけで懐具合は皆さんヒイヒイしていた。
妙な状況だが、日銭契約の撮影助手や照明助手は
いいマンションに住み、自家用車も持っていた。
徹夜には残業代がつくし、作品が多ければ多いほど日銭部隊は潤い、
作品契約者はそれほど潤わなかった。
監督なんて責任が重いだけでソロバン弾いたらやっとれんなぁ。
とはいえ今に比べれば単価は良く、今思えば本当に「いい時代」であった。
時代は進み機材が進化しワンマン撮影になり、多少暗くても映るので
撮影助手や照明助手、いや照明技師がつく仕事もガクンと減った。
もはや継続とは力なり!続けている者が残っている。
そんな中で今でも私は年2~3本の監督をさせてもらっている。
社長業もあるしイベントや印刷物の演出もあるので、
ちょうど良い加減の本数である。
2013年度最後の作品は東海地方に拠点をおく
農業機械販売会社の入社案内DVDだ。
2012年にドキュメント系の入社案内DVDを監督し、
初のコンビを組んだ山内隆弘カメラマンと再びコンビを組んだ。
ロケ日数はわずか6日間、にもかかわらずクランクアップまで8ヵ月を要し
完成まで足かけ1年という超大作?だ。
ロケとロケの間が1ヵ月もあくので何だか調子が出ない。
私がフリーになって初めてお世話になった日本映画新社では
建築記録作品が主で、足かけ30年なんて作品もあった。
勿論初代監督はお亡くなりになり3代目か4代目監督が仕上げる。
それに比べればなんてことはないのかもしれないが…。
さて今回の入社案内DVDのナレーターは
「女性」とクランクインの初日から思っていた。
というのも1回目ロケの取材対象者が、
見かけかなりイカツイ方にも関わらず、ハートフルな方だったからだ。
例えるなら風雪に耐える松のような方で、
その優しさに合う女性ナレーターをと…
そうなるとあの人しかいない。
私とユニット組みませんかと、林順子さんにお願いした。
彼女は私にとって秀逸のナレーターで
私が力を入れた作品の多くを担当してくれていたが、
今回は10年振りの起用で、電話するとき内心
「まだ現役なのか?生きていたら60歳は越えているのでは…」
失礼ながらヒヤヒヤもので電話した。
10年前の携帯番号は生きており「林です」と昔と変わらぬ声が聞こえてきた。
が、それでも「大丈夫だろうか?」と一抹の不安がよぎる。
本人曰わく「アラカン」とのことなので還暦前と判明した。
ハシマメの私が結局、録音当日まで電話だけで打合せを済ませ
「えぃままよ」と12月24日を迎えた。
録音は盟友サウンドシード率いる山城氏が選曲を、
整音はベテラン・納多氏だから心配はない。
助監督を務めた当社の「青い彗星」こと川村啓太にキュー出しは任せ、
久方振りの林節に尺を合わせるためコメントを短くしたりカットしたりした。
というのも林節の良さは「間」。しかもハンパない「間」が味となる。
まいて読むと林節は死んでしまう。現場対応では定評の私だ。
意味が変わらぬ範囲で脚本をバッサリ切り、林節の間を確保した。
私は林さんのようにアラカンまで現役でいられるのか?
林さんは林節のまま、まだまだ現役続行するだろう。
素晴らしい。スペシャルやなぁ。。。
こうして15分30秒の入社案内DVDは完成。
私らしくなく非常にあっさりした仕上げにしたが、
最初に仕上げた21分の粗編集の家庭内試写では「なが~」と酷評され、
さらに完成作は5分短くしたにも関わらず「まだ濃いね」と言われる始末。
そもそも映像とは自分の貴重な時間を割いて暗闇の中で一人味わうものだ。
はなから「見る」という姿勢で挑むものだ。
にもかかわらず携帯しながら自転車に乗るような感覚で
映像作品を見ようとする。
これでは「面白ければ良い」「笑えれば良い」となる。
姿勢がなっていない。
とはいえ、作り手も視聴者にわかってもらえるための工夫は必要だ。
そういう観点から今回の作品を私は「悪くない」と感じている。
上映は1月6日、年始の社員大会。入社案内DVDの初御披露目だ。
果たして如何なる評価を得るのか?
その日は明日。
スタッフ
制作:(株)プランシード
制作、構成、演出、編集:多田浩造
演出補:川村啓太
撮影:山内隆弘
編集補:川墨隆夫
CG:吉岡誠
録音:山城日出男、納多保光
NA:林順子
私は映像の監督をして今年で35年になる。
当時、商業映像は16ミリフィルムに変わってビデオが登場した頃であり
ビデオを使った新しいコンテンツも生まれてきた。
カラオケビデオが登場し、
入社案内や会社案内ビデオは採用難時代であり学生宅に直接宅配していた。
そんな流れの中、素人同然の私のような新人にも
監督としての仕事は流れてきた。
20分ものならロケが4日から、大作なら1ヵ月というものまで、
お陰様で月平均2~4本も監督をしていた。
監督は作品契約なので忙しいだけで懐具合は皆さんヒイヒイしていた。
妙な状況だが、日銭契約の撮影助手や照明助手は
いいマンションに住み、自家用車も持っていた。
徹夜には残業代がつくし、作品が多ければ多いほど日銭部隊は潤い、
作品契約者はそれほど潤わなかった。
監督なんて責任が重いだけでソロバン弾いたらやっとれんなぁ。
とはいえ今に比べれば単価は良く、今思えば本当に「いい時代」であった。
時代は進み機材が進化しワンマン撮影になり、多少暗くても映るので
撮影助手や照明助手、いや照明技師がつく仕事もガクンと減った。
もはや継続とは力なり!続けている者が残っている。
そんな中で今でも私は年2~3本の監督をさせてもらっている。
社長業もあるしイベントや印刷物の演出もあるので、
ちょうど良い加減の本数である。
2013年度最後の作品は東海地方に拠点をおく
農業機械販売会社の入社案内DVDだ。
2012年にドキュメント系の入社案内DVDを監督し、
初のコンビを組んだ山内隆弘カメラマンと再びコンビを組んだ。
ロケ日数はわずか6日間、にもかかわらずクランクアップまで8ヵ月を要し
完成まで足かけ1年という超大作?だ。
ロケとロケの間が1ヵ月もあくので何だか調子が出ない。
私がフリーになって初めてお世話になった日本映画新社では
建築記録作品が主で、足かけ30年なんて作品もあった。
勿論初代監督はお亡くなりになり3代目か4代目監督が仕上げる。
それに比べればなんてことはないのかもしれないが…。
さて今回の入社案内DVDのナレーターは
「女性」とクランクインの初日から思っていた。
というのも1回目ロケの取材対象者が、
見かけかなりイカツイ方にも関わらず、ハートフルな方だったからだ。
例えるなら風雪に耐える松のような方で、
その優しさに合う女性ナレーターをと…
そうなるとあの人しかいない。
私とユニット組みませんかと、林順子さんにお願いした。
彼女は私にとって秀逸のナレーターで
私が力を入れた作品の多くを担当してくれていたが、
今回は10年振りの起用で、電話するとき内心
「まだ現役なのか?生きていたら60歳は越えているのでは…」
失礼ながらヒヤヒヤもので電話した。
10年前の携帯番号は生きており「林です」と昔と変わらぬ声が聞こえてきた。
が、それでも「大丈夫だろうか?」と一抹の不安がよぎる。
本人曰わく「アラカン」とのことなので還暦前と判明した。
ハシマメの私が結局、録音当日まで電話だけで打合せを済ませ
「えぃままよ」と12月24日を迎えた。
録音は盟友サウンドシード率いる山城氏が選曲を、
整音はベテラン・納多氏だから心配はない。
助監督を務めた当社の「青い彗星」こと川村啓太にキュー出しは任せ、
久方振りの林節に尺を合わせるためコメントを短くしたりカットしたりした。
というのも林節の良さは「間」。しかもハンパない「間」が味となる。
まいて読むと林節は死んでしまう。現場対応では定評の私だ。
意味が変わらぬ範囲で脚本をバッサリ切り、林節の間を確保した。
私は林さんのようにアラカンまで現役でいられるのか?
林さんは林節のまま、まだまだ現役続行するだろう。
素晴らしい。スペシャルやなぁ。。。
こうして15分30秒の入社案内DVDは完成。
私らしくなく非常にあっさりした仕上げにしたが、
最初に仕上げた21分の粗編集の家庭内試写では「なが~」と酷評され、
さらに完成作は5分短くしたにも関わらず「まだ濃いね」と言われる始末。
そもそも映像とは自分の貴重な時間を割いて暗闇の中で一人味わうものだ。
はなから「見る」という姿勢で挑むものだ。
にもかかわらず携帯しながら自転車に乗るような感覚で
映像作品を見ようとする。
これでは「面白ければ良い」「笑えれば良い」となる。
姿勢がなっていない。
とはいえ、作り手も視聴者にわかってもらえるための工夫は必要だ。
そういう観点から今回の作品を私は「悪くない」と感じている。
上映は1月6日、年始の社員大会。入社案内DVDの初御披露目だ。
果たして如何なる評価を得るのか?
その日は明日。
スタッフ
制作:(株)プランシード
制作、構成、演出、編集:多田浩造
演出補:川村啓太
撮影:山内隆弘
編集補:川墨隆夫
CG:吉岡誠
録音:山城日出男、納多保光
NA:林順子
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