goo blog サービス終了のお知らせ 

株式会社プランシードのブログ

株式会社プランシードの社長と社員によるブログです。
会社のこと、仕事のこと、プライベートのこと、あれこれ書いています。

その157.我輩は哲学者にあらず猫である

2014-06-20 08:10:30 | 制作会社社長の憂い漫遊記
伊勢に住む私の親友のFBにはやたらと猫が出てくる。
子供がいないせいかもしれないが、猫は家族の一員なのだろう。

  親友のFBのキービジュアル
  (マスコットキャラクター)になっている猫

私は犬派でも猫派でもない。でも猫は苦手である。
正確に言えば20代初頭から苦手になった。

その事件は私がまださほど女性経験の少ない20代初頭、
何度か食事を共にし、秘かに好きだった彼女に
ようやく気持ちが伝わったのだろうか、
一人住まいの彼女のマンションに夕食に招待された時に起こった。
もちろん私は嬉々として訪問した。
夕食にもかかわらず、夜明け前には目が覚め、
時計とにらめっこしすぎて何だか眠い。
今夜は決めてやるぜ、ハハ~ンとばかり、
手にはタカラブネのシュークリーム&チョコエクレアのセットを持って
もちろんシャワーを浴び、新品のパンツをはいて
彼女の住むマンションのドアの前に舞い降りた。
チャイムを鳴らすと部屋の中で鳴っているのがドア越しでも聞こえる。
すぐに彼女の「ハーィ」という声がドア越しに聞こえ、
私の鼓動と新品のパンツは最大級に。
ドタドタと足音、そしてドアが開いた。
と同時に現れたのは…強烈な悪臭に包まれた彼女の笑顔。
臭い!めちゃ臭い!
あまりの悪臭に一瞬めまいがし、
彼女から目をそらしたが足元には猫が二匹。
さらにその奥から3匹が顔を出している。
悪臭の元はこの猫たちだ。
臭い!私は堪えられない。臭い!
そんなこととは露ぞ知らず彼女は「どうぞ」と笑顔で案内する。
もはや新品のパンツを履いた私はここにはいない。
失礼なことに私は正直に
「この猫の臭いに堪えられない」と入室をご辞退した。
言うまでもなくこれを境に彼女の家に訪問することは一生涯なく、
むろん付き合いもこれを境に途絶えた。
新品のパンツを履いていた私が想像していたのは、
彼女を抱きしめた時のシャンプー香り、
その甘い匂いが鼻腔と新品のパンツをくすぐるはずだった。
しかし今ここにいる私の鼻腔を一杯にしているのは、
この家の猫たち(複数形)の臭いだ。堪えられない。
すでに私の脳の変換ソフトは「におい」を「匂い」ではなく
「臭い」という漢字に変換している。
しかも「に」と打つだけで「臭い」が出てくる。
猫の集団があれほど臭いとは予想だにしなかったが、
以降私は猫が苦手になった。
おそらく1匹ならどうてことないだろうし、子猫ならGoodにちがいない。
しかし、今の私はこの事件がトラウマになり
遠くから見るだけで、撫でるなんて芸当は到底できない。
こんなに嫌っているのに、
時たま気まぐれにも私の足元までポップ・ステップ・ジャンプで
スリ寄る大胆な猫もいる。
心優しい私は蹴飛ばしたりはしないが、
かなり露骨に足で追いやる。
するとさらにスリ寄ってくる。厄介だ。あ~猫は厄介だ。


  猫には遺恨はないが私にとって猫は
  納豆と同率首位で苦手!

ただ猫を遠くで見ている分には、
猫はなかなかの役者であると感心する。
何を見ているのかはわからないが、
何げに空を見上げている後ろ姿は哲学者を彷彿とさせる。
何かにじゃれる猫よりも
空を一点に見る猫の後ろ姿の方が私は断然好きだ。
右足を曲げてペロペロなめている猫の後ろ姿もなかなかよろしい。
でも後ろ姿でないとダメだ。
私は長年、人を撮ってきたが後ろ姿は個性を現すカットである。
男前かブ男かは後ろ姿ではわからないが、
顔が見えない分こちらが様々な想像をはさめて
味がさらに味となって絵に深みを増す。
ひょっとしたらその後ろ姿の魅力を私に気付かせたのは
猫かもしれない。そういうことなら猫はスゴイ。

私の親友のFBにしばしば登場する猫もいい役者である。
いい顔をしてFBに収まっている。てか占拠している。
パソコンから匂いは出ないが、
パソコン画面を近くで見るとあの彼女の家のあの悪臭が蘇ってくる。
だから親友のFBを見るときは画面を小さくするか、
極力猫写真からは視線を外して文章だけに集中するようにしている。
断っておくが、親友の彼にも彼の猫にも何ら恨みはない。
友情はこの先死ぬまで変わることはない。
しかし、あの彼女の家のあの猫たちには
30年経つ今でも相当恨みがある。
せっかく新品のパンツを履いていったのに、
抱きしめるどころか家に入ることすらできなかった。
もしあの猫がいなかったら、
かなり高い確率で彼女とお付き合いをしていたはずだ。
ひょっとしたら薬指に同じ指輪をはめていたかもしれない。
そう考えると私は猫が好きになれない。
私の青春を返せ!と猫を見るたびに言いたくなる。
しかし仮に言ってみたとて猫は聞く耳を持たず、
ただ空を何げに見上げて…後ろ姿は「我輩は哲学者」。


※猫の写真は友人のFBより拝借

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。