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株式会社プランシードのブログ

株式会社プランシードの社長と社員によるブログです。
会社のこと、仕事のこと、プライベートのこと、あれこれ書いています。

その76.監督の結婚論

2012-12-08 14:35:48 | 制作会社社長の憂い漫遊記
あるカップルは、男性が彼女を腕枕して朝まで微動だにせず眠る。
またあるカップルは、彼女が彼の腕に巻き付くようにして
彼の胸に顔をうずめて眠る。
傍目から見ると「よくもまぁあんな格好で寝れるもんだ」と
感心する姿勢である。
恋愛中はとにかく四六時中くっついていたい。そうとも、それが青春だ♪
そして結婚すると、狭い部屋に無理やりダブルベッドを置いて、
憧れの夫婦部屋を構築し、寝るときは二人揃って同時にベッドに入る。
寝息を横で聞くのもいいもんだなぁなんて思ったりするものだ。
その内、どちらか先にベッドに入り、寝静まった頃に相手が入ってくる。
初めは意識してベッドに入る時間をずらしているわけではなかったが、
次第に意識してずらすようになっていく。
この方がラクだと気づくと、もういけない。
さらにラクな方法を思いつく。そう、別々の布団に寝るのだ。
もはやダブルベッドは邪魔でしかない。
さらに月日が経つと…とうとう別々の部屋で寝るようになる。
これを俗に家庭内別居という。
子供が生まれたのを機に家庭内別居に入る夫婦もいる。
翌日の仕事に差し障りがあると旦那さん側から寝室を撤退する場合もあるし
逆に奥さん側から別室で寝ることを持ちかける場合もある。
こうなると余程調整しないと「合体」なんてことはなくなる。
かといって嫌いになった訳ではないが、
同じ屋根の下に住んでいるのに何となく「合体」が疎遠になっていく。
寝しなにベッドで会話するなんて億劫そのもの。
悪いと思いつつもつい「早く寝ようよ」と言うと「そうね」と。
お互いに会話より睡眠と思っている。


(当社第1号社員・藤井の結婚でご満悦の私。
 ツーショットだが、私の花嫁でも、私の娘の結婚式でもない)

私は夫婦である限り、百歩譲って例え布団は違っても
同じ部屋で寝ることが大切だと思っている。
「なぜに?」と問う方に言いたい。
恋人時代はあんなにキスがしたかったではないか!
抱きしめたくて仕方なかったではないか!
せっかく夫婦になったのだから、「おやすみ」や「おはよう」のキスをしたり、
合体もいいではないか!
実際、恋人時代のキスと夫婦になってからのキスの味は違う。
味というよりも味わいか…
もちろん合体の味わいも恋人時代と夫婦になってからでは違う。
と言い張る私も次第に疎遠になっていくのを実体験している。
奥さんは奥さんで子育てや家事で疲れ果てている。
それをいえば旦那さんもサービス残業で疲れ果てている。
私のように好きな仕事をしている人ばかりでない。
給料のため嫌々働いている人もいるし、そもそも組織人に向かなかったり、
ノルマの重圧に堪えられない人もいる。
なのに家に帰っても「お帰りなさい」の声もなく、食事もない、
となるとグレたくなるのもわかる。
誰のために働いているのだ、と恩着せがましく言いたくもなる。
その点、一人でいれば、そんな煩わしさはない。
私のまわりにも40歳になっても独身という男女は多い。
彼らは皆「彼女(彼)はいますよ。でも結婚は面倒くさい」と言う。
実際40歳にもなると給料もそこそこあり、
一人で暮らすとけっこうリッチな生活ができる。
今から25年ほど前、私も結婚したての頃
「俺が稼いできたのになぜ小遣いをもらう時、
遠慮しながらお願いしなきゃならんのだ」と思ったものだ。
それでも子供ができると、子供と共に生きる喜びを感じるし、
「頑張って働かねば」と、こんな私でも思って働き、
とうとう娘を大学にまでいかせてしまった。
子供が成長し家を出て、ハタと振り返ると
横にはかって腕枕をして朝まで寝ていたカミサンがいるだけだ。
カミサンとて同様に虚しさを感じているはずだ。


(当社取締役・森田の結婚式でご満悦の私と山城氏)

定年を迎えた朝「ご苦労様でした」とお互いに言える夫婦は
どれぐらいいるのだろうか。
仮に本心で「ご苦労様」と言い合えても、
それからさらに20年近く退職金と年金を糧にして、共に暮らすことになる。
「お疲れ様」と言えた気持ちがどこまで続くのか…。
残念ながら私は社長をしているので、定年という区切りもない。
リタイアする理由が一歩間違えれば借金を抱えてということも多分にある。
借金を抱えて「お疲れ様」と声を掛けられる妻が果たしているのだろうか。
そんな私の最後の会話は、病院のベッドで次第に意識が遠ざかる間際に、
家族と私の間で交わされる会話だ。
私はその言葉を次第に薄れる意識の中で噛み締めながら死んでいくことになる。


(当社最若手社員・川村の結婚式にて)

夫婦とは一体なんなのだろうか?
40歳独身女性なら結婚してもたいてい子供を作らない。
作れない場合もある。
そうなると二人で生きていくことになる。
長年かけて、お一人様を楽しむ術を体得したのに、
今さら自分の収入や時間を削った上に、
さらに下手に出て相手に合わせるのは面倒くさい。全くその通りである。
恋人同志のまま、会いたい時に会い、会いたくない時は会わない。
理想的ではないか。
がしかし、そう思う反面、面倒くさいけど…という気持ちもあるはずである。
まぁ、男と女なんていつどうなるかわかんないものだ。
一期一会、それが男と女しかいない世の中の醍醐味だ。
「私とユニット組みませんか?」と声をかけてみればいい。
そして惚れたら「なぁに俺がいれば心配ない」と腹をくくればいい。
彼女もまた「心強いわ」と腹をくくって答えればいい。
そんな二人を見て他人は「お馬鹿な二人組」と言うだろうが、
んなことを気にすることはない。
夫婦になってしまえば、失ったものに変わる新しい何かを必ず得られる。
損か得かは恋愛には無縁だ。
損得勘定で生きることほど悲しいことはない。
例えば商売は表面的には損得勘定で成り立っているように見えるが、
長く続く条件は損得勘定ではなく信頼である。
人と人のつながりは損得ではなく、相手に喜んでもらいたいという思いであり
それが信頼へとつながっていく。
恋愛は信頼である。だから腕枕もできる。
好きになったら躊躇なく結婚することだ。
せっかく結婚しても残念ながら別れることもある。
それもまた時間が経って落ち着いてくると
「思っていたより案外良いもんだった」と思えるようになる。
自分を信じて、相手を信じる。これがチームワークだ。
チームワークなくして映画を作ることはできない。
しかしチームワークを意識しているわけではない。
信頼とは相手を思う気持ちから生まれるものだし、
無意識に自然と醸成されるものだから…
これが私が仕事を通じて感じている結婚観だ。
すでに50歳をとうに過ぎ、若干遅そかりしだが、
気づいたからにはまだまだやります(笑)

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