株式会社プランシードのブログ

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その523.十代を魅了する「やべー」「すげー」新競技

2021-07-27 07:06:14 | 制作会社社長の憂い漫遊記

オリンピックの新競技「スケートボード」が最高に面白い。

これをオリンピックの新競技にした誰かさんはすばらしい。

サイコー!

 

主役は、私からすると孫にあたる子供たち。

男子は20代前半、女子はなんと13~19歳がメダルを競う。

他種目なら全盛期の30代前半の選手もいるが、

解説者はレジェンド扱いする。10代でベテランなのだから致し方ない。

とにかく若い。いや子供たちだ。

18歳未満は転倒時の安全を考慮し、ヘルメット着用なのだが

女子のストリートという種目では、予選を勝ち抜く選手、

さらにメダルを狙う選手の多くがヘルメットをつけている。

 

衣装がいい。白を基調にしたユニフォームが多いが、

カラフルであか抜けている。

あの中国ですら共産党色がない。

唯一背中に「中国China」の大文字で共産党色を出しているが、

字体が共産党らしくないポップを使っているので、

共産党がコミック化してチョーウケる。

中国が国を挙げて本気でスケートボードに挑むなら、

民主化への近道となるだろう。

タトゥーをつけた中国人選手団・・ワクワクする。

 

日本のお家芸「柔道」に誇りは持つが、メダルへの重圧感、

必死さがビンビン伝わり、見ている方も力が入る。

気の毒感も半端ない。

しかしスケートボードには悲壮感がない。

とにかく皆楽しんでプレイしている。

いや遊んでいる?お祭りに参加している感じ。

欧米、ブラジル、ベトナム選手は、

パフォーマンス後は全身を使いドヤ顔をする。

日本選手は笑顔。

中国選手ですら党を気にしながら

右手をぎこちなく挙げて喜びを現す。

ヘッドフォンで競技する選手も多いし、

失敗してもあっけらかん。

「見てくれ、私の技を」と自分を楽しんでいる。

それを見せられた選手も「すげー、なら私も!」と

相乗効果、プラス思考だ。

 

ストリートという種目では、一回の成功でガラリと順位が変わる。

多くのスポーツに必要とされる持久力や強靭な筋力よりも、

瞬発力・決断力・判断力そして体幹・身軽さが求められる。

正直私には何がすごい技なのか、ライブでは全くわからない。

スローで再生されて初めてボードの回転、

ボードのポジションや高さをようやく理解できる。

 

それを解説してくれる実況アナウンサーと解説の兄ちゃん

(プロスケートボーダー瀬尻稜さん)との掛け合いが

これまた最高にいい。

オリンピック実況では聞いたことがない「やべー」が

解説者から思わず漏れる。まさに漏れる感じ。

すると実況アナウンサーから「何がヤバイのですか?」と入る。

これまでは、わかったフリをしていた実況アナしかいなかったが、

素直に聞く潔さに感動すら覚える。

フラれた解説の兄ちゃん。腹の中ではあきらかに

「オッサンにはあのパフォーマンスの凄さがわかんねーのかよ!」

という間のあとに、懇切丁寧にヤバイと感じた理由を解説してくれる。

まさに懇切丁寧に。

解説の兄ちゃんも現役選手で、

楽しみたいので競技には出ないのだと言う。

「すげー」「やべー」はこのスポーツをする全選手に

共通する自分を楽しむ声なのだ。

一般ピープルがわからなくて当然、

だから聞く「何がヤバイのですか?」

この二人の掛け合いが、スケートボードという新しい競技に

実にマッチしている。

 

メダルを取った選手へのインタビューも面白い。

中学生へのインタビューだから期待しても無駄なのに

それでも果敢にインタビューする間抜けな質問に笑える。

両親への感謝、周りへの感謝、そして日本国民へのメッセージ、

そんなもの糞くらえだ。

主役は選手。感想だから「暑かった」「腹へった」でも良いのに、

欲しい答えが来るまで、インタビュアーは許してくれない。

オリンピックメダリストを一般ピープルと同じ次元に落として

「誰にでも理解できる感動的」を由とする取材陣の浅はかさ・間抜けさが

奇しくも露呈した若いスポーツに拍手喝采。

お願いだから柔道のように悲壮感がないお家芸に育ててほしいものだ。

もちろん高校球児の爽やか系もパスしたい。

今のまま自分を楽しんで、

全身で生きる喜びを表現できるスポーツであってほしいと願う。

 

コロナ禍の東京大会なので無観客だが、

スケートボードは観客との一体感が似合うスポーツだ。

競技としても多くの魅力を持ち、何かにつけ若さに溢れるスケートボードは

特に10代のオリンピアを排出する可能性を秘めた新競技であり、

東京大会で見事、日本のお家芸として花開いた。

 

スケートボードには「ストリート」と「パーク」という2種目があるが

前半戦は「ストリート」。

ストリートでは日本男子は金、女子は金と銅を取った。

特に女子は全選手が予選を通過した。

もしメダルを取れなかったとしても、

スケートボードは見て楽しめるスポーツだ。

柔道がニュースなら、スケートボードはバラエティのノリで見られる。

後半戦のパークにも期待がかかる。



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