その２８６．私のいちばん長い一日 ～社内個別面談～

大手企業ならどこでもやっていることだが、
社員一人一人と面談することにした。
小さな会社なので飲み会はやたらと多い。
また社員と個別に呑んで、悩みや夢を語ることもある。
ただ一人一人時間を取って、
しかも酒も呑まず素面での個別面談は初めてだ。
そもそも大所帯ではないのですぐに話せると思っていたが
人はそんなに甘くない。
自分の恋人や妻であっても後ろ姿を見ただけでは
何を考えているのかわからない。
社長と社員は同じ方向に向かっている！は、
そうではないことがほとんどなのだ。
個別ヒヤリングは、今年二人の新入社員が入ったこともあり
私がやりたかった最重要案件だ。
時間をかけて仕事を通じて

会社近くの貸会議室を借りて一人につき１時間面談する。
９時から１８時までぶっとおし。
テーマは３つ。
①自分の目指す仕事ができているか
②業績を伸ばすために我が社に足りないものは
③仕事・会社・家庭・自分の能力を含めストレスとなっていることは

何を言われても怒らず反論することなく、
聴くことに徹することを己に課したが、
始まってみると、さにあらんや。
聴くことに徹するのはこんなにも苛酷だと思い知らされる。
反論したくなるのを抑え、
大きくうなずいて会話を即することに徹する予定が
いつの間にか会話になっている。
逆に質問されるので、答えていると会話になる。
そして最後は私が話している。
すべてを聴いたからではない。私が社長として未熟だからだ。
しかし今回のヒヤリングで得たものは実に大きかった。
やって良かったとしみじみ思う。
さてこれからだ、このヒヤリングを単なる与太噺で
終わらせるわけにはいかない。
先輩からは確実に「楽天的だ」と叱られだろうが、
このヒヤリングを終え、来期
わが社創業以来の最高収益があげられる予感がする。
乞うご期待！
私のいちばん長い1日が終わり、長い一年が始まった。