登山を始めて3年、未だに山中で泊まったことがない。
満天の星。日の出。早朝の静けさ。小汚い小屋。
それらを体験すべく、初のお泊り登山に選んだ山は南アルプス『鳳凰三山』
8月1日(土)・2日(日)
鳳凰三山(山梨県)
・地蔵ヶ岳 2,764m
・観音ヶ岳 2,840m
・薬師ヶ岳 2,780m
1日目:ドンドコ沢ルート(累計標高差:1,400m)
青木鉱泉→南精進ヶ滝→鳳凰の滝→白糸の滝→五色の滝→鳳凰小屋
2日目:中道コース(累計標高差:2,500m)
鳳凰小屋→地蔵ヶ岳→観音ヶ岳→薬師ヶ岳→青木鉱泉
【1日目】
天気のイイ連休、混んでるだろうな…と思ったものの駐車場はさほど混んでない。
アクセスが悪いからか北アルプスより台数が少ないような?
7:00。いつもより重い荷物を背負って出発。
まずは青木鉱泉前の分岐点。

ドンドコ沢コース、噂に聞くと登り下りが続き標高が稼げないという。
さて、どんなものか…
シナノナデシコ

あちこちに群生。
またまた分岐点。

もちろんドンドコ沢コースを選択。
薬師ヶ岳方面だと、川を渡っていくらしい。
森の中を歩いていると、トレイルランニングの二人が颯爽を過ぎていった。
この山を登る?走って?
…私には絶対できん。
ひとつ森を抜けると河川敷を歩く。
かなり人工的な川。

水は…冷たくない。
再び展望ゼロの森の中。
目にできるのは、花。耳にするのは遠くの川の音。と工事の音。

バイケイソウ

タマガワホトトギス
標高を上げたと思ったら下る…下ったと思ったら上げる…の繰り返し。
噂通りで先が長いんだと痛感する。
しかも展望はゼロ。
のちに待っている4つの滝だけがココロの支え(大げさか?
まず一つ目の滝が登場。

「南精進ヶ滝」か?と思いきや、地図で調べるとどーも違う…
更に標高を上げる…そして下げる
ところどろこにドンッ!と現れるデカいいわ。

山頂に待つ花崗岩を彷彿させる。
やっとこさ標識が登場。
荷物を置いて「南精進ヶ滝」へ。
3つの展望箇所から眺める。

一番の展望は、滝つぼ付近。
ちょっぴり岩を登るけど、ココはおすすめ。
さて、荷物を取りに戻ろう…と思うと、どうやら展望コースがある模様。
荷物は置いていく必要ナッシングぅー
気を取り直して、次の「鳳凰の滝」を目指す。
更に展望はゼロ。
花も少なくなり、ココロの支えはこのサラシナショウマのみ。
すっかり山の中。
下りも少なくなり、標高をグングン上げる…苦しい。
写真を撮る気力もなくなる

「鳳凰の滝」分岐点。
なんだか滝の音が遠い…ってことは、かなり遠い?
また荷物を置いて滝見物に行ったのはいいが、途中で看板を見つける。
どうやらココも迂回コースで荷物置く必要はナッシングぅーーー
ってことで、荷物を取りに戻る(=標高を下げる
ココロの中は涙と文句でいっぱい。
“迂回コースって書いとけよなぁー、ちきしょー!”
今度こそ!と、上の鳳凰の滝とドンドココースの看板に荷物を下ろす。
身軽な格好でちょっぴり遠い鳳凰の滝へ。
草を掻き分け、行き着いた先。

ちょ…ちょちょ…ちょっと遠いんですけどぉー

弱虫が泣き始め、先もあるしってことでココで拝んでグッバイ。
お次に目指すのは「白糸の滝」
岩を登り、木の根にしがみつく、コレなかなかきつい登り。
やっとこさ広い踊り場に到着。
滝の音が近い。
すでに昼12:00。お腹も減ったのでランチタイム。
ココは荷物を置いて滝を見に行ってもよし。

うぅーん…ガスってる。
でも、写真じゃわからないけど神秘的
すでに5時間。
ラスト「五色の滝」は遠くないので、先を急ぐ(といっても急げない

また現れる岩。

ひと時のやすらぎ。
すると急に風景が変わった。

じめーっとした森の中を歩いてきたから、気持ちいい。
更に歩を進める。
分岐点に到着しても滝の音が…しない。
地図で見る限り遠いが、最後の滝だから滝つぼまで足を進める。
とにかく遠い…アザミ系の草がチクチクとズボンの下の肌まで攻撃してくる。
片道10分ほど歩いたところで滝つぼ到着。

ドドドドドーーーーーっと、滝修行ができそうな勢いの凄い滝。
標高も上げているせいか随分と水温も低い。
さて、戻ろうかと思ったらココも迂回コース…荷物持ってくりゃよかった。
どれだけ時間を無駄にに使ったことか。
ドンドコ沢コースに戻り標高を上げると、分岐点の看板と滝の音。
上の看板から滝つぼに下りたほうがよかったぽい(後の祭り
さて、あとは小屋を目指すのみ。
足取りも少し軽くなる。
更に景色が変わる。

小屋が近くなっている証拠。
標高もなだらかになった。
鳳凰三山で一番有名な花タカネビランジもお出迎え。
ほどなく鳳凰小屋に到着。14:00。
予定より1時間オーバーだけど、道草を考えるとそんなものかな。

サッサと小屋にチェックイン。
2階にあがり、寝床を案内される。
一人1布団…ほっ。
湿気たっぷりの布団と寝袋。
「郷に入れば郷に従え」で案外気にならない。
テラスに出ると元気ハツラツなおじさん+おばさんたちが宴会中。

いや~…その元気すばらしい。
と、違うテーブルに見覚えのある顔。
朝一の駐車場でも「もしかして?…いや、まさか」と思った彼女。
それは、私と同じく年中山を駆け回っている知り合いのCチャン。
まさかこんな山で会うとは奇遇!ビックリ!!
ちょっぴり一緒にティータイム。
夕食まで時間があるので花をチェック。

タカネグンナイフロウ

シナノオトギリ

クルマユリ

センジュガンピ
薄暗い小屋で昼寝をし、17:00の夕食。

ぎゅーーーーーぎゅーーーーーーー(笑
奥に座ってる人は出れない。
メニューはこれ、カレーのみ。

具かため、ご飯かため、でも、おかわり。
たらふく食べたら、外でティータイム。
わかっていたけど、消灯は早く20:00ちょい前。
寝れるか心配だったけど、あっちゅー間に寝てしまった。
ごぉごぉーーうなるおじさんのいびきも一瞬気になっただけでぐっすり就寝。
翌日はつづく。