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音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆人間ベートーヴェンをもっと近くに!

2007年05月25日 | ベートーヴェン Beethoven
以前にも書いたことがありましたが、
あらためて、やはり、ベートーヴェンの
『ハイリゲンシュタットの遺書』
『不滅の恋人への手紙』が、
この大作曲家の残した音楽と
密接な結びつきを持っていることを、
より一層深く感じるようになりました。

この二つの書が、隠し棚の奥に大事にしまわれていたことが、
ベートーヴェン自身、この二つの書に対する何がしかの思いがあって、
そこに大事に保管していたと想像することは不自然ではないでしょう。

ベートーヴェンという人間にとっての人生における大きな転換期を、
やはりこの二つの書は示しているのではないでしょうか。
そして、ベートーヴェン自身がそれを自覚していたのではないかと?

●難聴の症状の明らかな悪化に音楽家として生きてゆくことの
致命的な打撃を受け、自殺すらも考えた・・・そして
「芸術のみが、私をこの世にとどまらせた」
という心境に至り、その後のベートーヴェンの生へとつながる
転換期の意味合いの濃い『ハイリゲンシュタットの遺書』・・・

《ピアノソナタ第8番“悲愴”》
《交響曲第5番“運命”》などの名曲に、この
ベートーヴェンの馳せた思いを見出すことが
できるのかもしれません。
力強いベートーヴェン自身の「生きる覚悟」を
これらの音楽に見出すことができるのかもしれません。


●「不滅の恋人」との許されぬ恋に苦しむ二人、
生涯結婚することのなかったベートーヴェンの履歴は
この恋の外面的成功には至っていないことを示し、それでも
心と精神の世界において結ばれていた二人の夢見る
「天の殿堂」
なる場所は、一体どんな場所だったのでしょうか。


もしかすると、
《ピアノソナタ第30番 op.109》
《ピアノソナタ第31番 op.110》
《ピアノソナタ第32番 op.111》
そして、
上記の《op.111》のあとに書かれる
《ディアベリ変奏曲 op.120》などの後期の作品が、
ベートーヴェンが力の限りをもって、この「天の殿堂」を
描こうとしたものではないかとも思えるのです。


言葉(手紙)と音楽(楽曲)との密接な関係、
両者を読み解くことによって、
両者がともに深く染み入る、
理解できるようになれる、
共感できるようになれる、
そして、音楽の巨匠にして立派な生を全うする一人の人間
ベートーヴェンという人に、我々は勇気を・生きる力を
与えてもらえるのかもしれませんね・・・!!


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