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音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆アウフタクトの奏法・やり方・感じ方

2010年05月03日 | 音楽(一般)

「アウフタクト(弱起)」とは、
拍子ある音楽において最も重要となる「1拍目」に先じて
フレーズが・音型が始まることをいいます。


この「アウフタクト」に関して、
私の(そして恐らくは多くの人々にとっての)
正直な胸の内を覗いてみますと・・・

「アウフタクト」と言われて「・・・それでどうした・・・?」
という思いが頭をかすめることが無くもないのではないでしょうか?



アウフタクト・・・だから何?
フレーズが、1拍目より前に始まっている・・・
それはそうだ・・・だからどうしようというのだろう・・・

アウフタクト、その音楽的効果が何かありそうな気はする・・・
・・・しかしだからといって
具体的にこれをどう取り扱ってよいか
いまいち判然としない・・・という感がなくもないのではないでしょうか?




そこで具体的に考えてみたいと思います。


音楽は「1拍目が大事」、だから
アウフタクトは「1拍目に向かってゆく」とも言われます。


・・・では、どう向かってゆくのでしょう?
クレッシェンドしてゆくのでしょうか?


しかし様々な音楽にはあらゆるアウフタクトの場合があるようで、
アウフタクトの全てを「クレッシェンドする」としてしまうのは
あまりに軽率乱暴な気がします・・・
クレッシェンドしないほうがよい場合だってあるかもしれません・・・

よって、
アウフタクトという音楽性を語るにおいては
「クレッシェンド」や「デクレッシェンド」という概念は
必ずしも完全には一致しないアプローチと言えるのかもしれません・・・


とはいえ、
「1拍目」というものに
何か核心がありそうな気配は見逃せません・・・


では「1拍目」に何があるのか!?
そこで思いついたのが、↓



「重さ」



先程からアウフタクトについてずっと考えていて、
この「1拍目に重さ」という考えが
アウフタクトの秘密を解く鍵となるような気がしているのです。


「重さを置く」とは、
その1拍目において「地を踏みしめる」 ような感覚に例えられましょうか。
1拍目に向かって、大地に体重がかかる。

ためしに
「ゆっくり歩く」その様子を分析してみますと、
片足が地を離れ、一歩先の到達点に達するまでは足は宙を過ぎり、
到達点に踵(かかと)から達するとき、体重がそこにかかって
その際、床が「トン」と鳴ったりもして、そこに「拍」らしきものが生ずる!?
と考え・感じてみることができるのではないでしょうか。

そして、踵が地に着いたところを「拍」とするならば、
そこへ向かう足が宙にいる状態を「アウフタクト」のようだと
考え・感じることができるのではないでしょうか!?

到達点へ向かって、
そうぅっと踏み込むこともあれば、ドンとたどり着くこともできる、
すなわちそれは、アウフタクトを
デクレッシェンドするもよし、クレッシェンドするもよし、
という風にも解釈できるかもしれません・・・



肝心なことは、「1拍目に重さ」ということ。

それは、
楽器それぞれの奏法を越えた
あらゆる楽器演奏や歌にも共通する「音楽そのものの1拍目の重さ」
としての普遍的なレヴェルの音楽性として捉えるべき事柄のようにも思えます。



「アウフタクト」における「1拍目の重さ」の感覚

これがアウフタクトという音楽性を捉える
ひとつのキーワードとなれるよう願いたいものです。






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1 コメント

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アフタクト (山口舞桜)
2020-05-24 07:02:13
アフタクト!
私は今・・・カントリーロードの曲をピアで練習して
います。今一アフタクトの感じ方が理解していません
でした。大変参考になりました。有難うございました。
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