音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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5月26日コンサート報告

2006年05月29日 | Beethovenピアノソナタ全曲演奏
お陰様で、先の5月26日(金曜日)、
ベートーヴェン全曲演奏会第7回を、終了することが出来ました。



今回のコンサートは、音楽大学所有の小ホールにて行われたもので、
念願の(!?)満席でした!心からうれしいことです。
遠い海を越え、アジアの東の果てからやってきた留学生の、ベートーヴェンの音楽に向き合っている姿を、本場ドイツの多くの方々が興味をもってこうしてコンサートに来てくださったことは、最上の喜びです。

彼らは、やっぱりベートーヴェンの音楽が好きなんだな~!と、今までの演奏会を通じても感じていたのですが、今回も同様でした。

演奏する者としては、国境・人種・文化の違いを超えて、
このベートーヴェンの高い芸術性と精神性を誇る音楽を通して

人間として

これを分かち合うことが出来るよう目指し、それを理想とし努力していくことが課題なのでしょう。


舞台に向けては、
先日の日記に書きました弁証法的な音楽へのアプローチを心がけ、4曲のソナタを通して、曲のあらゆる部分で「会話」が聴こえてくるよう、心がけてみました。

で、
肝心の演奏の方は、いやはや・・・・・毎回が勉強の連続です。
いくつかの反省点を挙げるならば、

●コンサートの前に人前でリハーサルをするべきだったこと

自分自身で、プログラムを通したり、ホールでのリハーサルを
行うことはもちろんなのですが、一人でやるのと、人が聴いてやるのでは
大きな違いがあることを痛感しました。少なくとも・・・1回は、
人前で演奏してみてから、コンサートに望む必要性があることを感じました。

●プログラムの順序を失敗したかもしれないこと

全4曲のソナタを弾くにあたり、
「ソナタ2番→9番→27番→28番」
と、時代順に並べて弾いたのですが、問題があったのは前半、
「ソナタ2番(所要時間25分)」を最初に持ってきたのが
まずかったのかもしれない・・・・と・・・・。
舞台で実際に弾きながら思ってしまったのでした。
「長いな~~~~・・・・・」って。

すっきりと軽めの気着心地のする《ソナタ9番(所要時間15分)》を
挨拶代わりに最初に弾き、そして《ソナタ2番》をじっくり味わえるよう
な順序にすべきだったかも・・・・。

世阿弥の言う「序破急」に反してしまったのかな・・・と後々になって
ふと思ったりしました。

それもこれも、最低一度は人前でリハーサルをしていたら、
気付けたかもしれません!!これを糧に、今後気をつけないと・・・・。

その点では、後半のプログラムは、まだよかったかもしれません。
今回のコンサートの数日前に、フルートとのデュオ・コンサート(マイミクYoriさんと)の際に、《ソナタ27番》を一曲ソロで弾いていたので、それは大いにチカラになっていたよう実感しました。

難曲《ソナタ28番》は・・・・
もう、レッツ・ゴーです!?難所の終楽章・展開部も、
覚悟を決めて、気合を入れ!!!・・・

なんとか、「Contra E」までたどり着くことができました。

しかし、その直後の気が抜けてしまうと、またとても危ない!!・・・
のは練習の時点で分かっていましたから(続く難所の右手「4度進行」、
Codaだって気が抜けない・・・ようするに、どこも気が抜けない!!)、
最後の最後まで気を抜かず・・・
なんとかいったかな。

何事も勉強!の心意気で、これからもがんばっていかないと!!
次回のコンサートは、約1ヵ月後の6月24日。
メインの曲は、ベートーヴェン後期の傑作のひとつ(後期はどの作品も
傑作かもしれませんが・・・)
《ソナタ31番 変イ長調 op.110》となります。
人間的・天国的・嘆きと昇華・・・・すごい音楽です。


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