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【書込み解説】ブルグミュラー〈18.気がかりInquiétude〉《25の練習曲op.100》より【楽曲和声分析と弾き方】(★ペダル不使用)
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0:00~ ブルグミュラー《25の練習曲op.100》より〈18番 気がかりInquiétude〉
0:44~ 題名について、フランス語〈Inquiétude〉の意味は「不安、心配、懸念、憂慮、恐れ、心配、怖れ、憂い、虞、気疲れ、焦慮、胸騒ぎ、不穏、煩い、気がかり、危惧、不調、憂患、揺さぶる、不安心、動揺させる、取り乱させる」等
3:55~ Allegro(快活に) agitato(忙しなく、焦り、焦燥感)
4:39~ テンポ、四分音符138
5:07~ 調号# 1つの短調、e-mollホ短調
5:49~ 【II,IV,VI和声解析】、1小節②拍目の左手、第IV音と第VI音に盛り上がり
6:30~ 主和音I,III,V音の奇数に対しての、偶数II,IV,VI、「抑揚」「緊張と緩和」の関係、二元論
8:37~ 1小節、「小文字t」と書くことで〔短調トニカ主和音〕、〔大文字T〕だと〔長調トニカ〕となるドイツ式和声の書き方
9:10~ ②拍目、〔IVの和音〕〔小文字s〕と書くことで〔短調サブドミナント〕
10:24~ 5小節、Laの音、第IV音がある〔D7(属七)〕の音
11:00~ 使用楽譜は『東音企画版(最初の版)』(古いスラーと新しいスラーの見比べが出来る楽譜)
12:06~〔大文字D7〕なぜならB-Major(H-Dur、ロ長調)の長三和音だから。
13:18~〔小文字d〕だと演歌《与作》のような音楽になる、クラシック音楽の〔ドミナント〕は99%以上が〔長調ドミナントD〕
15:19~ 5小節に書いてあるcresc.
15:36~ 7小節、既にh-mollロ短調に転調している〔D46ドミナントしろく〕という大事な和音(ドイツでは〔Iの和音トニカの第2転回型〕とは考えず)
17:39~ まさに〔カデンツ〕のまとまり、〔サブドミナント〕→〔D46〕→〔ドミナント〕→〔トニカ〕
18:41~ 8小節、〔トニカ〕でおしまい〔全終止〕
19:01~ ロ短調h-mollに転調したところは6小節、e-mollの〔Iの和音トニカ〕はh-mollの〔IVの和音サブドミナント〕へのエンハーモニック転調と解釈できる、ゆえに5小節に書かれたcresc.と辻褄が合う
22:21~ ベートーヴェン曰く「ロ短調h-mollはSchwarze Tonart黒い調性」、バッハ《ロ短調ミサ曲》等、悲壮感漂う音楽
23:44~ ホ短調e-moll〔主調〕に始まり、〔属調〕h-mollロ短調へ転調。クラシック音楽らしい転調の仕方(短調の曲は〔平行調G-Durト長調〕に転調することも多い)
24:57~ 9小節、いきなりト長調G-Durに転調、mfという音量、不安を払拭しようとしているようなポジティヴな長調の音楽性
27:20~ 15小節、突如またe-mollに戻る、dim. e poco rall.
28:08~ Re♯ 、e-moll〔主音〕へ戻ろうとする〔導音〕がいきなり現れることで転調, 再び不安感ある音楽へ戻る… 束の間の期待は泡と消え
30:25~ 17小節~(再現部)、最後までe-mollのまま。(この曲の調性解析これにて完了)
32:27~ 1小節、右手の音型、拍裏の音は、経過音や倚音的な音等の〔不協和音〕っぽい音ばかり、これが音楽の不安感を煽っているようでもある
34:49~ 5小節、6度跳躍した後の折返しの音は〔倚音〕のように大事にアクセント
35:39~ しかし、下にぶつかる和音が無いから〔倚音〕と断言はできない
36:00~ 下にぶつかる音が無いから〔不協和音のよう〕に、ちょっと知っておき感じるとよいかも
37:39~ 13小節、7度跳躍した後の折返しの音にアクセント、長調と短調によるニュアンスの違い、「大丈夫」or「不安、憂い」
40:52~ 9小節②拍目、La# は第II↑音、Do♯ は第IV↑音、
41:43~ 1小節からの正確な転調ではなく、ちょっと違っている。そのまま転調すると、明る過ぎるので、敢えて# の付いた音で下行。ポジティヴに見えて、どこかで無理をしている音楽性の表現
44:47~ 21小節~、転調しないけどcresc.、不安が募ってゆく!?
45:15~ cresc.の階段「p」「mp」「mv」「mf」「f」
45:28~ 「mezza voce中くらいの音量」、ショパン《バラード3番、4番》、ベートーヴェン《ピアノソナタ第30番 op.109》〈3楽章〉にて使用されている
48:05~ 「pピアノ」の意味は「静か」、「弱い」ではない
49:06~ 24小節、〔全終止〕だけど、いつも減衰するわけではない。憂いと不安の強いcresc.の心に、音を減衰する余裕はない!!? 色々な文章の言い方のよう。
51:37~ 24小節2括弧、左手Doは第VI音、Laは第IV音、Si→Mi〔全終止〕
52:47~ 印象的に聴こえるこの音はJ.S.バッハ作曲《マタイ受難曲》〈58番〉の最後「Ich bin Gottes Sohn私は神の子」の音と同じ
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