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映画から夢が広がった 大切なぼくの宝箱

2010-02-01 00:45:25 | 映画
昨日、私の住む街から映画館がなくなりました。
本当に残念なことです。
芸術や豊かな心が廃っていくのでしょうか。

私の住む街には映画館が2つあって、
その2つは同じ商店街と言っていいほどの距離で、
だけど趣が全然違っていました。
みんなからは不評だったけど、私は、古くてちょっと臭くて、
だけど単館としてふんばっている方の映画館がとても好きでした。
京都みなみ会館に似た雰囲気だと思っています。
 
映画を観るのに、地下に入っていくのが、
なんだかドキドキするのと、
やっぱりみんなからは不評だからか、お客さんが少なくて、
だからこそこっそり観てる雰囲気が私はお気に入りだったのです。
「ロードオブザリング」を観客4人で観た記憶があります。
子どものときに観た「ドラえもん」や「恐竜物語REX」は満員だったと思います。
パンフレットを買うと、「はい、おつり300万円」なんてジョーダンをいまだに言うおじいさんも大好きでした。
だけど、いつだってお客さんは少なくて、
でもこの映画館は大好きだから、どうしてもあり続けてほしかったけど、
この映画館はちょうど1年前に閉館しました。
もし、地下劇場に経営の危機がきたら、
私はアイデアを出しに行きたいし、いや、出資をしてもいい、と思ってましたけど、
私の貯金なんてスズメの涙で、微々たるものです。
何の役にも立ちません。
そんなことなら、この劇場で毎回毎回やっていた釣りバカ日誌、1回くらい観ておけばよかったです。
 

最後の上映作品は「きつねと私の12ヶ月」という洋画で、
本当の本当の最後の上映で観ました。
はっきり言って、この映画が観たくて行ったわけではありません。
最後の地下劇場を見届けたかったからです。
きっと、そういうファンは多かったと思います。
平日の最後の回にも関わらず、
いつもよりもずっと多いお客さんが名残惜しんでいました。
映画が終わっても動きたくない人、思い思いに写真を撮る人。
最後、チケット売りのいつものおじいさんに挨拶したいと思っていたファンたちが
入口で待っていたのに、
照れてか、おじいさんはどこかへ行ってしまっていて、
会えないままのお別れでした。


そして、地下劇場がなくなって約1年。
唯一、となっていたもうひとつの映画館も、
昨日、閉館しました。

ここは、いつの間にやらシネコンになっていて、
私は高校時代、映画全く観なかったのですけど、
24歳くらいから急に映画が大好きになって、
年間4、50本は観るようになったのですけど、
やはり、ここの映画館で観ることが多かったです。
土曜のレイトショーに向かって、自転車こいで、
真夜中に帰る、そいう生活が続いていました。
客数はいつも考えられないほど少なくて、
経営状態を心配していましたが、突然の閉館でした。
新作のレイトショーでも客入りはまばらだったし、
平日には私ひとりのための上映のときもありました。

 

最後の3日間は、アンコール上映でした。
私が、この街で最後に観たのは「ニュー・シネマ・パラダイス」と「ローマの休日」です。

「ニュー・シネマ・パラダイス」は映画と、この映画館とをリンクせずに観ずにはいられず、
涙が止まりませんでした。そうなることはわかっていたので、箱でティッシュ抱えてもって行ってましたけど。
私の左右のお客さんも、映画がとても好きそうな人で、閉館を残念に思う顔で会釈して終わりました。
「ローマの休日」、この不朽の名作を、
大きなスクリーンで観ることができて本当に幸せでした。
きっと、驚くと思いますが、
私、実は初めて観まして、
どうして、こうやって定期的にアンコール上映をやってくれなかったのか!と残念でなりません。
時間帯の問題もあると思いますけど、
満員の映画館を久しく見ないまま終わったことも、
なんだかやりきれない想いです。せつなすぎます。

やっぱりいい作品は大きなスクリーンで観たい、だけど
もう映画館がないというのは、本当に残念です。
私にできることは何かなかったのでしょうか。
こんなに映画が好きなのに。

映画好きが高じて、いつか、
映画パンフレットや雑誌で文章を書く仕事がしたい、と思っているこの数年なのに。



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10 コメント

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Unknown (風の旅人)
2010-02-01 09:10:01
大きな街の映画館も閉館になってしまうのですね。

街の象徴的存在が失われていくのはものさびしい限りです

私の地元も帰るたびにどこか寂れていて、
中心街に映画館はあるのだけど行ったことは一度もなく
郊外のシネコンに行っていましたが、
ぢもとさんの記事を読むたびに映画館は必要な施設だと思いますし、
そうなる前に一度は行っておこうかなと思います。



Unknown (ぢもと)
2010-02-01 20:48:09
★風の旅人さん
ニューシネマパラダイスでは、
映画館は唯一の娯楽施設だったのですが、
今は、娯楽も多様化しましたものねぇ。
悲しい限りです。

一応、市内の一等地だと思うのですが、
それでもダメ、ってもうどんだけさびれているんだか・・。
Unknown (Q)
2010-02-03 19:09:02
どちらの映画館もいったことがあります。

地下の映画館は高校生のときに一度行きました。小学生から中学生のときに6年間も片思いしていた子が好きだった、作家の作品が映画化されて、しかも当時好きなアイドルが主演であった映画を部活をサボって見に行った記憶があります。

その当時もお客さんが少なかったのは確かでした。
でもあそこが閉館になったことも知りませんでした。

映画館は最近はショッピングモールに併設されていて、映画館だけの経営はきびしい時代なのかもしれませんね。

しかし、思い出として心に残っているとはいえ、寂しいものですね。
東京でも・・・ (sou)
2010-02-05 00:03:55
シネカノンという映画館、
人材派遣の会社に命名権も売ったけど
結局、民事再生法の申請。

ここでは2000年に「風花」
という映画を観た時のことが
印象に残ってて、
良い作品もいっぱい上映していたのに
すごく寂しい。


Unknown (ぢもと)
2010-02-08 21:24:12
★Qさん
一体、なんという映画だったのでしょう・・。
私、中学・高校時代映画に関心がなかったので、
地下劇場でどういう映画やっていたのか、
すごく興味あります。
映画館だけの経営は厳しいのですが、
地下劇場、スポーツバーになったのですが、
その名も「シネマ」なんですけど・・。笑
Unknown (ぢもと)
2010-02-08 21:25:45
★souさん
シネカノン、民事再生なのですか・・。
名前聞いたことあります。
関東には、憧れのミニシアターもあるので、
ちょっと勉強にいかねば。(経営の!?)
時の砂 (Q)
2010-02-10 20:20:19
確か、そこでみたのは「時の砂」という映画だったと思います。

折原みとの小説が映画化されたものだったのではないかと。

山本こうし 高橋由美子が主演でした。
Unknown (ぢもと)
2010-02-11 23:19:35
★Qさん
おおーーー、時代を感じますな。
折原みとに。
そして、ウィキってみたところ、「時の輝き」だそうです。
なんか、Qさん青春してますねっ キラキラ。高校のとき知り合いやったらおもしろかったのに!
Unknown (Q)
2010-02-11 23:50:16
おぉ、「時の輝き」そうでした。
主演二人がジッェトコースターのデートシーンだけ覚えています。
「時の砂」はドラクエのアイテムでした(汗)

もし、高校の時の知り合いであっても、そのときの私には何の魅力もない、偏屈おやじ高校生でしたよ。
Unknown (ぢもと)
2010-02-14 20:07:27
★Qさん
ドラクエ!笑

高校時代の私は、今よりも悩みがちで、
テンションが高く、
手のつけられないサルでした・・。