こんばんは。今日は、ネットワーク関連でちょっとお知らせです。
前回ブログで多くの皆様から貴重なご意見をいただき、その後いろいろと検討を進めておりましたが、やっと今後の方向が決まりました。
いただいたご意見を整理すると、各パーツを自由に選べる上級者向けのタイプと、初心者に優しい簡単キット的なものに大きく分かれるかと思います。
先ず前者については、WF,TW共に-18dB、-12dBに対応できる汎用タイプのネットワークボードを商品化します。これについてはまた別途詳細をお知らせしたいと思いますが、TW部にはアッテネーター用の抵抗(シリーズ、パラ2系統)が装着でき、付属のジャンパー線でアッテネーターのパスや-12dBと-18dBの切り替えが簡単にできるようにしています。またリクエストのあった、ケーブル接続用のネジ端子と半田付け用パターンを併用し、どちらでも使用できるようにします。クロス近辺の肩特性を微調整するためのダンプ抵抗用のパターンも付けていますので、この基板一つでかなりのレベルまで対応可能かと思います。是非期待していてくださいね。
問題は簡単キットの方ですが、在庫管理等の問題もあり、取りあえずは上記の汎用基板をベースに希望される方には素子やケーブルの取り付けを受注生産で特注対応にすることでスタートしたいと思います。まぁこれのオーダーが多いようなら、レギュラー商品化を考えるということでいいかなぁと。
でコアキシャル用ですが、これはトゥイーター部のみであり、上記の汎用基板を使って素子を付けていくとどう考えても高いものになってしまうので、前回同様あくまで限定生産ではありますが追加発売することに決定しました。台数は今回も100台です。前回の100台は限定ということもあってか、製品が入荷した時点では既に全数完売ということになりましたが、その後も次の発売についてのお問い合わせを多くいただき、まぁ100台くらいの需要は何とかなるかなぁとの思いです。内容は基本的に前回と同じですが、ファストン端子のみ少しグレードの高いものに変更させていただきました。まだ正式な納期が分かっていないので、販売店様での予約受付はもう少し後になるかと思いますが、コアキシャルを使ってみたいがネットワークが自分では作れないのでどうしようと考えられていた方には是非お試しいただければと思います。
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簡単キットについて、ちょっと私の説明が不十分で誤解を招いたようなので、補足をさせていただきます。
簡単キットとは一言で言えば、ネットワークの組立サービス(つまり半田付けサービス)ということで、オーダーメイドで特別に新規設計のネットワークを製作するということではありません。そのため、前提としては各ユニットの組み合わせに対して推奨ネットワークと推奨素子をホームページ等でupするようにします。ここで、半田付けがどうしても苦手でできないとか、ネットワークそのものの製作に自信がないのでメーカーに全てを依頼したいという方のみに特別に半田付け等の製作サービスを行うということなのです。いってみれば、自作パソコンの組立サービスのようなものです。
パソコンと違ってネットワークは回路さえ決まっていれば非常に簡単ですので、私の予想ではこのサービスの需要はそんなにないのではと思っています。ただ問題は、各ユニットでの推奨ネットワークをいかに早くupするかということで、これに関してはなにぶん一人でいろんな業務をやっていることもあり、是非長~い目で見てやってください。
それと頭が痛いのは、フィルムコンデンサーや空芯コイル等の素子の対応をどうするかですが、これについてはまだ詳細は決まっておりません。最悪は市販品の他社モデルを参考推奨品とするかも知れません。
いずれにしてもこのビジネスは業界で今まで無かった新しい試みですので、まだまだ手探りで進めていきますので、やりながらいろいろ改善していくという感じになるかと思います。
ところで、コアキシャルなんですが、ツイーターのLVをわざと高めにして、ユーザーのほうで下げるなんて仕様はだめでしょうか。
敷居が高くなっちゃうかな?
私も同感です。どうか息長く、とお願いします。
とはいえ、拝見して思ったのは、本格2ウェイ入門者の方が、経験を積むために、むしろ上級キットを選び、「決め打ち」のできる上級者(たとえば受注でエンクロージュアを製作して下さるような方)が特注で簡単キットを選択するんじゃないかな、ということです。どちらにしても、売れれば勝ちですが。
無責任なことは言えませんが、上級キットが大ブレークしそうな気がします。何しろ、他に類例がありませんから。価格的にはPARC Audioのねっとわーく素子も十分に対抗力がありますから、これが呼び水になって、PARC Audioのコイルやコンデンサも入手性がよくなり、コアキシャル・ネットワークのレギュラー商品化が進むといいですね。
GX333+25様
ご心配いただき、ありがとうございます。でも上級者向けのものは汎用ボード1種類での対応ですし、簡単キットも、コアキシャル用を除き、数量がでるまではあくまで受注生産での対応なので大丈夫です。
問題は、まだ発売していないフィルムコンデンサー、空芯コイル、セメント抵抗等の素子ですね。これらは既に他社品でかなりの製品がありますので、あえてPARC Audioで全て揃える必要があるかどうかが悩みの種です。他社製のものを使ってもいいのですが、完成品の組立リクエストをいただいた時に素子をどう手配するか(最悪支給?)の問題があり、結構ややこしいです。
>ツイーターのLVをわざと高めにして、ユーザーのほうで下げるなんて仕様はだめでしょうか。
調整の範囲を広げるにはこれが一番いいのですが、コアキシャルの場合は磁気回路の外形サイズの規制がきつく、なかなかレベルを上げるのは楽ではありません。今回のトゥイーターがウーファーと違い4オームになっているのも、その辺の事情があったりします。
初心者向けネットワーク大変ありがたいです。
これで、代表にこのツイーターとウーハでマルチを制作したい旨をご連絡すれば完成ネットワークの制作をしていただけるのでしょうか?
そうなりますと全てPARCの製品で自分の好きな2ウェイスピーカーの制作にかかれます。
DCU-171AとDCU-T112Aで組んでみたかったんですょね!
そ、それじゃ簡単ネットワークの意味が・・
やるとしても、代理店のほうがサービスを始めてくれたらという話になるでしょう。
このツイーターとウーハー用にネットワークを作るサービスといった感じに。
倉田様
簡単ネットワークでちょっと私の説明が不十分だったかも知れないので、先ほどブログ本文に追記しました。是非そちらをご覧いただければと思います。
いずれにしても、先ずはこちらで推奨ネットワークを早くupするということが先決なのですが、いろいろ他の業務もたまっているので、何卒長~い目で見てやってください。
な、なんと、ネットワークのオーダーメイド!?
社長自ら半田付け・・いや、そんなばかな!
あとはスピーカークラフトの本どうり配線して終わり、そんな感じです。
後、私の脳体積ではそんな複雑なことはどうせできないし、かならずしもウーハー側の高域をおとして綺麗に繋ぐと音が良くなるとは限らないらしいので逆相に繋いでツイターのマイナスの線にコンデンサー1個でも以外に良い音になるかなとか思ってます。
浅はかな考えですみません。
ユーザーの方でDCU-151Wをフルレンジで聞いてる人もいるみたいなので!
他の方に比べて全然勉強してないので色々本読んで、まだ先の話です。
すいません。
>社長自ら半田付け・・いや、そんなばかな!
いや大した作業ではないので、ご心配なく。たださすがに無料サービスでというわけにはいかないので、その点が問題になるかも知れません。
残念ながら今回のコアキシャルのようなトゥイーター部のみでの汎用ネットワークボードの商品化の予定は無いのですが、そういう使い方をされる場合は今回商品化する汎用ボードのトゥイーター部のみをお使いいただければと思います。ちょっともったいないようにも感じますが、このボードは将来的に2way用にも流用できますので、1家に1台って感じで持っておいていただいて損はしないかと。
>いや大した作業ではないので、ご心配なく。
「一家に一台」どころか、これじゃ家宝になってしまって、もったいなくって使えなくなりそ~(^^ゞ
>「一家に一台」どころか、これじゃ家宝になってしまって、
いやぁ、あんまりプレッシャーかけないでくださいね。(笑)
当然ネットワーク回路にもエージングがあると思うのですが、電源を入れてスピーカーの音が安定するまで、2~3時間かかるように思います、この場合アンプは5時間前から電源か入っていた状態として。代表のブログで、スピーカーは電熱器だと言っていた事からも、温度上昇が安定するまで、音質的に変化があるのではないかと思います、ネットワークの部品も例外ではなく、システムとして安定する時間が長くなるのでしょうか、それとも私の耳がエージングされてくるのでしょうか。
>いやぁ、あんまりプレッシャーかけないでくださいね。(笑)
プレッシャーかけるつもりは全然ありませんが、今は昔、最初のカートリッジXL-30(むろん、今も現役です)を買ったら、たぶん「署名もどき」とは思いますが、inspected by……という小さなサインが取扱説明書の端っこにあって、無性にうれしかったことを思い出します。
不景気もさることながら、デパートに行っても「高いものはあるけれども欲しいものはない」という上京さえ生まれている中、ネットワーク基板の端っこ(もちろん、真ん中でもいっこうにかまいません)に、たとえば「designed and manufactured by ……」と代表のサインがあれば、ユーザーへの何よりのメッセージと思います。
「あの代表が私のためにハンダ付けして作ってくださった」――かけがえのない、それこそ家宝になるような一枚になると思いますよ。
すごく楽しみです.
>クロス近辺の肩特性を微調整するためのダンプ抵抗用のパターンも付けていますので、
このへんもすごく楽しみです.
ちょっと質問なのですが,
PARCさんのソフトドームツィーターにアッテネータを入れようと思っています.
その場合,
http://www.mizunaga.jp/att_sp.html
の通りに入れれば大丈夫でしょうか?
ユニットの専門家にネットワークのことをお尋ねするのは恐縮なんですが...
# このページを見つける前に自己流でやってみました.
100KΩのAカーブのボリュームをはさんでみたのですが, "いい感じ"になったのが100KΩ : 2Ωになってしまって,
いくらなんでもそれはないだろうと...
>たとえば「designed and manufactured by ……」と代表のサインがあれば、ユーザーへの何よりのメッセージと思います。
そう言えば、以前プロ用のドライバーを開発している時に、一緒に開発をしていたソニーミュージックのSさんから「冨宅さん、記念に振動板ASS'Yにサインしておいたら」なんて冗談半分に言われたことがありましたね。なんせその当時は、組立精度のいる振動板Ass'yは全て私の手作りでしたので・・・。(^^;
それでOKだと思います。私は計算がめんどうなので、いつもここを利用させていただいています。
http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/netwark.htm
低域を自分好みにしたいときは、密閉型にして、サブウーハーをつかってやろうかなと考えています。
これなら、小口径ウーハーやフルレンジ、なんでも組み合わせられます。
というわけで、社長、アンプつきスピーカー入力出力のついたサブウーハーの開発を・・ヾ(・・ )ォィォィ
ところで、また初歩的な質問なのですが、フルレンジ+トゥーイーターでスピーカーを製作した場合ですが、どちらを耳の高さにあわせて聴いたほうがよいのでしょうか?
次にDCU-F131W+DCU-T111Sの組み合わせでスピーカー製作をしようと思っているのですが.....。
※DCU-F131Wはフルレンジで使用する予定です。
>社長、アンプつきスピーカー入力出力のついたサブウーハーの開発を・
アクティブ・サブウーファーは、私がソニー時代に最後に商品化したモデルで懐かしいですね。まぁこれはカー用のものでしたが。
ただアンプ付となると、うちのような零細企業が簡単に手を出せるものではないのと、アクティブ・サブウーファーはAV用として沢山のモデルが商品化されていますのでねぇ・・・・。
>フルレンジ+トゥーイーターでスピーカーを製作した場合ですが、どちらを耳の高さにあわせて聴いたほうがよいのでしょうか?
フルレンジというところでちょっと微妙ではありますが、一般論で言えばトゥイーターに合わせるのがよろしいかと思います。
ただし、特性と測定するポイントはメーカーでもトゥイーター軸上だったり、トゥイーターとウーファーの中間だったりモデルによっていろいろ変えることはありますね。
たくさんありますよねえ。
私がほしいのは、アンプ→ウーハー→スピーカーみたいな接続ができるやつなんですが、O社しかないんですよね^^;
まあ、自分の腕のなさをごまかせそうなので、ひとつほしいなと思っています。
お返事が遅れまして、大変失礼いたしました。完全に見落とししておりました。(^^;
>ネットワークの部品も例外ではなく、システムとして安定する時間が長くなるのでしょうか、それとも私の耳がエージングされてくるのでしょうか。
残念ながらこれに関しての情報はあまり持っていないのですが、経験的に言えばユニットに比べればかなり影響(時間)は少ないのではとの印象を持っています。今まで調整をやっている中で、ユニットに関してはエージングの影響でバランスが微妙に変化して再調整ということはありましたが、ネットワークでそのような経験はあまりないもので・・。
>私がほしいのは、アンプ→ウーハー→スピーカーみたいな接続ができるやつなんですが
すみません、ちょっとおっしゃっている内容が理解できないのですが、これは通常のパッシブ(アンプレス)という意味でしょうか?
ONKYOのSL-A250シリーズです。
ウーハー自身にもアンプがついていて、さらにスピーカー入出力端子がついています。
あー、でも、スピーカー出力端子からは入力そのままの信号が出るみたいですね。
スピーカーの低域とサブウーハーの低域かぶっちゃいますね。
残念。チャンデバでも買おうかなー^^;
そういうモデルもあったのですね。勉強になりました。でも個人的にはちょっと微妙な感じが・・・。
サブウーハーとウーハーまたはフルレンジをつなげるときは、やはり帯域をわけたほうがいいですよね。
となるとチャンデバを使いたいのですが、ちょっと音の劣化を心配しています。
安いメーカーのミキサーとおしただけで音がぼけぼけになった事がありますので^^;
>汎用ボードなどの発売時期は、いつ頃になりそうでしょうか?
現在最終レイアウトの確認が終わり、価格等の最終の詰めを行っており、来月中には何とかしたいと思っています。
いつも楽しく読ませてもらっています.
今, 3WAYのスピーカーを組んでいます.
ネットワークのいろいろ情報をネットで探しているのですが,
その中で デジタルチャンネルデバイダがありました.
http://www7b.biglobe.ne.jp/~gpae/time01.html
どう思われますか?
Pro用モデルをやっていた時は、私もメインはソニー製のデジタルチャンデバをよく使っていました。レコーディングスタジオでもチャンデバ使用の例が多いように思います。今も私用では一部使っていたりもします。
特に高性能なデジタルチャンデバだと、グライコ、パライコに加え、タイムアライメント用にディレイをかけたりも出来るのでかなりの微調整が出来ますね。
ただ当然マルチアンプ仕様となり、かなり機材に費用がかかるため、一般の家庭ではネットワークの方がCPは高いような気がします。私が言うのも何ですが、現状のPARCが発売しているクラスのユニットを使うレベルならネットワークでよろしいかと思います。もしチャンデバでマルチアンプまで挑戦されるなら、もっとユニット自体にコストをかけた方が吉かと。残念ながらPARCでまだそのクラスは出していませんが。
早速のご回答ありがとうございます.
なるほど. チャンデバはプロユースなんですね.
AVアンプのジャンク品(マランツ PS4500 7.1chのうち, 1chが故障)が安く手に入ったので,
とりあえずマルチアンプにしてみて,
あとで, DCX2496というデジタルチャンデバ(30000円なら安いかなと)を
入れてみようかなと思っています.
AVアンプなので ピュアオーディオではないのですが,
なんちゃってタイムアライメントがやってみたいのです. (音の波を厳密に合わせたときに, どんな音になるのか聞いてみたいのです. 調整が大変だとは思います...)
半分実験なので, ツィーター保護用に PARCさんの
ネットワークはそのまま使うことにします.
# ユニットにコストをかける, とのことですが,
高いユニットと安いユニットの差がいまいちよくわかっていません.
(もちろんユニットによっても違ってくるでしょう)
全体的に 良くなるのか, 細部で変ってくるのか,
差の分のCPがいいかどうかは, 結局, 欲しい音がどのへんかによってくるのとは思います.
今回は, ヘッドフォン(grado ms-1)のような低音を出す という目標でいじっています.
また出来たらご報告します.
>半分実験なので, ツィーター保護用に PARCさんの
ネットワークはそのまま使うことにします.
慣れるまでの間は保護用としてネットワークを使うとしても、ネットワークを入れるとそこでまた位相が回りますので、チャンデバを使用されるときは最終的にはユニットスルーでのご使用をお勧めいたします。