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インピーダンスについて

2008年12月09日 23時45分03秒 | オーディオ

こんばんは。今日は久しぶりにちょっと技術ネタをお話したいと思います。

スピーカーの基本スペックの中に「インピーダンス」というものがありますが、スピーカーユニットの設計から見たこの点について書かれていることは意外に少ないかと思い、今回はこのテーマにします。

さてインピーダンスについての言葉の定義は、この辺を参照してください。早い話が、交流での抵抗と思ってください。ちなみに直流での抵抗はDCRといってテスターでも簡単に測定できますね。スピーカーユニットには一般に4Ω、6Ω、8Ω、16Ωという規格がありますが、最も基本となるのが8Ωになるかと思います。このいろんなインピーダンスの規格が何故存在しているかという理由は、正直私自身も詳しくないのであまり偉そうなことは言えないのですが、アンプとの関係で伝送効率やノイズとの関連があるようですね。業務用ユニットに16Ω仕様が多いのもそのためかと思います。

ここでPARC Audioのユニットは6Ωが多いことで、どうしてと思う方もいらっしゃるかも知れませんね。実はこの理由は、意外に簡単なことなのです。一般にアンプは定電圧駆動になっているので、同じボリューム位置なら常に同じ電圧で駆動しています。そのため使用するスピーカーのインピーダンスが低いほど沢山電流が流れて、実質多くのパワーが入ることになり、同じSPLのユニット比較ではインピーダンスの低い方が結果として聴感上大きく聴こえることになるのです。能率的に厳しい小口径ユニットに4Ωが結構あるのもそんなところが関係しているかも知れません。

例えばアンプで2.83Vの電圧を出していたとすると、電力(W)=V x V ÷R ですから、8Ωのユニットでは1Wになるのに対し、4Ωでは倍の2Wになるのです。皆さんも経験があるかと思いますが、店頭で切り替えスイッチでスピーカーの比較試聴をやる場合、実はインピーダンスの低いユニットが聴感上の能率(音の大きさ)では有利になっているのです。

それでは、全て4Ωにしてしまえばといいかといえば、インピーダンスの低いユニットはアンプにとってはかなりきついようで、妥協策として8Ωよりは低く聴感上の能率対策としては有利で、4Ωほどアンプにも厳しくないということで6Ωを採用ということが多いのです。実際、ソニー時代もこの理由で6Ωユニットを多く設計していました。ちょっと裏話ですが、定格インピーダンスとはRe(一番インピーダンスの下がる値)が±80%になるように決めるのが一般的ですが、市販モデルの中にはReが70%以下になるような8Ωユニットもあり、実質6Ωというようなモデルもあったりします。この辺はメーカーの良心という領域かとも思います。

先日あるユーザーの方から「どうしてPARC Audioのユニットは一般的でない6Ωとなっているのですか?」とのご質問をいただきましたが、実は価格コムでインピーダンス別で検索してみると意外に6Ωのシステムが多かったりします。これを見るとやはり今も事情はあまり変わっていないのかも知れませんね。

また真空管アンプユーザーの方からは、8Ωと4Ωのどちらの端子に接続すればいいのですか?とのご質問もいただきました。う~ん確かに今まであまり真空管のことは考慮していなかったので、今後は少し8Ωも考えないといけないかなぁとも考えています。ちなみにこの質問を知人のアンプ設計者に聞いてみたところ、一概に言えないので音のいい方につなげばいいのではとのことでした。なるほど。


さて冒頭からかなり現実的な話をしましたが、今回の本題はここではありません。その本題は、次回にお話したいと思います。

お~い、今日は前置きだけか!なんてきつ~い突っ込みはご容赦を。ここのところちょっと激務続きで、ごめんなさい。


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11 コメント

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インピーダンス計算 (おかもと)
2008-12-10 01:22:40
現在、アンプの出力AにPARCウッドコーン(6Ω)、
出力Bにケンウッド車用(4Ω)を繋いで、
A+B同時出力でしています。
この場合、合計インピーダンスは並列計算だと、
1/Ω=1/6+1/4→2.4Ωになってしまって
やっぱりマズイのでしょうか?

ちなみにアンプはSONYの555ESXⅡを使用しています。
確か裏にA+B=4Ω~16Ωとか書いてあったような気がします。
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Unknown (倉田 有大)
2008-12-10 14:43:19
インピーダンスといえば
4オームのウーハー
4オームのウーハー
4オームのスコーカー
4オームのツイーター

みたいに4WAYにしても、アンプ大丈夫なんでしょうか?
ウーハーを直列にしてやったり工夫する必要あるかな。
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Unknown (UTP)
2008-12-10 21:54:36
f特やSPLでなく、インピーダンスですか。手強そうですね。

>音のいい方につなげばいい
うんうん、こういうスタイル、好きです。理屈をどんなにこねても、評論家がどんなに言葉を美しく飾っても、実際出てくる音がバツではね。

ただ、無難なのは、6ΩSPだったらアンプの4Ω端子でしょうか。8Ωや16Ωにつなぐと、悪条件がいくつも重なるとアンプを壊す可能性もありますし。(アンプの設計、使用する音量レベルや周波数スペクトラム、スピーカーの能率、ネットワークの設計…)
音がどんなに気に入っても、機械を壊すようではね。

…とはいえ、バイアス電流って、増やすほど音がスッキリしてくるんですよねぇ…。

【余談】
キット(DCK-F121W-A)は表面にツキ板を貼りました。明日は好天のようで、オイルフィニッシュと目論んでおります。しかし、まさに牛歩(汗)
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Unknown (PARC)
2008-12-10 22:12:57
おかもと様

低インピーダンスのスピーカーを使った場合、問題が出るとしてもそれはスピーカーではなくアンプの方なので、アンプ素人の私が言うのも何ですが、アンプの規格が4Ω以上になっているとしたら、やはり現状の接続仕様はまずいのではと思いますね。
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Unknown (PARC)
2008-12-10 22:16:01
倉田様

お使いのネットワークやアンプの規格が不明なので何とも言えませんが、ウーファーをパラでお使いであれば2Ωということになりますから、使えるアンプは結構限定されるかも知れません。

ただ私の知る限り、ユニットをシリーズ(直列)で接続というのはあまり一般的ではないですね。
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Unknown (PARC)
2008-12-10 22:16:55
UTP様

キット(DCK-F121W-A)のレポート、楽しみにしていますね。よろしくお願いいたします。
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Unknown (Y.Y)
2008-12-10 22:53:10
私が愛用している真空管アンプのうち、上杉研究所さんのパワーアンプの説明書には、6Ωのスピーカーは4Ωの端子に接続して下さいと明記されていますが、以前所有していた他のメーカーのプリメインアンプの取り扱い説明書にはふれられていなかったため、非常に悩んだ事がありました。
私を含めて一般のユーザーはそんなに詳しい知識を持っている訳ではないと思いますので、取り扱い説明書に詳しく載せていただけると有難いなと感じました。
やはり、変な事すると壊れるのではと不安になるものです。
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Unknown (PARC)
2008-12-10 22:59:12
Y.Y様

コメントありがとうございました。おっしゃるとおり、アンプの取説にはスピーカーのインピーダンスについて記載された方がいいですね。ブログでも書いたように6Ωユニットなどは市販品でもかなり多いので、やはり4Ω、8Ωのどちらに接続するのかは記載してもらった方が私みたいなアンプに詳しくない者にはありがたいです。

ただスピーカーの方の取説にこの件を記載するのは、相手のアンプによって事情が変わるのでなかなか難しいところです。
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出力端子 (yoiiro)
2008-12-11 00:09:11
最近の真空管アンプは,「出力端子 : 6Ω/8Ω/16Ω(4Ωは6Ωに接続)」なんていうのもありますから厄介です。
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Unknown (PARC)
2008-12-11 00:11:31
yoiiro様

情報ありがとうございました。
6Ω端子なんていうのもあったのですね。PARC Audioとしては大歓迎ですが・・・・。(笑)
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