雨がまだ残っていた。
ホテルの傘を借りて、市電に乗り水前寺公園へ。
市電は修学旅行で長崎にいった時に乗った以来かな。
雨が上がる、曇ったまま。
水前寺公園をぐるっと一周。
緑がきれいで、盛り上がった山がとてもいい。
いきなり団子を食べて、蜂蜜たべた。
昨日から食ってばっかだ。
市電に乗り、熊本城へ。
黒壁のかっこいいお城だ。
西南戦争で大半が焼かれてしまい、今あるのは復元された城だ。
石垣が武者返しといって、石垣が途中から垂直になっている。
なだらかな曲線が美しい。
城の屋根が心地よいリズムで並んでいる。
お腹がすいたので、熊本ラーメンを食べにいく。
ここから一番近い、こむらさきという有名なラーメン屋さんにいく。
なるほど、こってりしてそうなとんこつスープがおもったほどさっぱりしている。
ストレート麺いいね。
うまいうまい。
熊本現代美術館にいく。
以前館長さんの話を聞いたことがあり、一度は行って見たかった。
ショッピングセンターの上にあり、おしゃれな美術館だ。
アブラモビッチの作品が組み込まれたライブラリー。
いたるところにアート作品が展示されている。
漫画が置いてあるので学生が多い。
キッズスペースにかわいい赤ちゃんがいた。
いいね、みんなが楽しそうだ。
熊本現代美術館の理事長さんと話す機会があった。
熊本の歴史、文学、文化。
たくさん話を聞いた。
熊本は芸術が盛んな場所だと思った。
夏目漱石がすんでいたりしたからかもしれないが、みんな芸術に興味があるような気がする。
もっと自分も勉強せないかんとです。
この出会いを大切にしようと思う。
ありがとうございました、理事長さん。
熊本現代美術館で開催中のアン・ハミルトンの『VOCE』をみる。
「ヴォーチェ」と名付けられた展示、ヴォーチェはイタリア語でボイスと言う意味。
小学校から集められた作業台、着物、ライトが、透明なビニールシートで覆われている。
人々のいろんな思い出が詰まったものが、展示室いっぱいに並ぶ。
その作業台にのぼり、鳥になったつもりであたりを見回し、鳥のように鳴くことで作品は完成する。
ヘッドホンから流れる、阿蘇に生息する鳥たちの鳴き声を聞きながら、鳴いてみる。
スピーカーからはブーンという音が流れる。
電気のコードが上から吊るされて、電球のヒモのようだった。
次の部屋に移動する。
一瞬鳥が飛び回っているのかと思った。
スピーカーが勢い良くブンブンまわっていた。
シュイン、シュインと音を発し、遠心力によって、音が変わっていた。
映像も展示室全体に映され、プロジェクターもまわっていた。
速く動く映像、遅く動く映像。
思い出にははっきり思い出せる思い出とそうでない思い出がある、このことが表現されている。
依然、私のヘッドホンからは鳥の声が流れていた。
作品は、都市を思わせるものだった。
めまぐるしく動く都市そのものだった。
記憶がどんどん一瞬になっていく気がした。
展示室には自分しかいなくて、そう言った状況も孤独を思わせ、死ぬ前みたいだった。
死ぬ前はいろんなことがそうまとめになって頭をかけめぐると聞いたことがあった。
カフェでケーキセット。
リ・ウーファンの作品が直接壁にかかれている。
存在感と余白、完璧だった。
上通り、下通りを通り、買い物をしながら移動。
足がパンパンになるぐらい歩いた。
市電に乗って熊本駅の近くの黒龍紅という本日二度目のラーメン屋に。
おいしかった、ニンニクチップス、チャーシューがうまい。
お土産買って、ホテルに戻る。
明日、帰る。
もっと居たいな。

熊本現代美術館