P突堤2

「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

接頭辞は思ったより少ないのでそれに準じる接頭・高生産力パーツを紹介

2019-08-18 | 接頭語・接尾語の変換

接尾語を含む変換は主に三属性変換の属性ハ(ハ万)で処理してきましたが逆に接頭語を含む変換の方はそれよりぐっと少なくてあまりボリュームを割いて記事にする機会はなかったところであります。
そこで今回は接頭辞にもっと光を当てていこうということで具体例を挙げながら解説していくことにしました。
接頭辞と言っても漢語接頭辞「非」「未」「被」「準」みたいな基本的なものはすっとばして、接頭辞と呼ぶにはまだ典型的とも言えない「接頭・高生産力パーツ」みたいなざっくりとした定義で深掘りしていきたいと思いますのでどうか拙ブログのスノッブなこだわりにお付き合いくださいませ。
まだ接頭辞の各種タイプ分けなど文法的・機能的背景を踏まえた整理はできていませんが、こうして生煮えのままながらまずはアウトプットしていきたいと思います。

はじめは接頭辞パーツ部分を列挙していこうかとも思いましたが
以下例では何の気なしに接頭辞を含む複合物の言葉をそのまま載せています。
接尾辞と違い接頭辞はただ列挙するだけだとパーツがどのようにつながるのかを瞬時に思い浮かべるのが難しいからです。
中点で分離しようかとも思いましたが絵面がちょっとやかましくなってしまうので
見たままで語頭部分の切り出せるパーツがそのままその語の接頭辞的パーツだと思ってください。

<接頭・高生産力パーツを含む語の例>
デジタル誘拐
隠れオタク
エセ事情通
エア友達
オール野党
無限キャベツ
痛ネイル
ビジネス子煩悩
おま環 (お前の環境だけというのを短縮した俗語)
雑コラ
追いチーズ
推しウエポン
MYタンブラ―
駆け込みセーフ
セルフ快気祝い
勝負ヘルメット
看板ネコ
サブカード
超高速ヨシヨシ
名誉サバ嬢 (称号系)
妖怪小銭稼ぎ (称号系)
デコ料理
ど根性いちぢく (境遇系)
崖っぷちホテル (境遇系)
格上力士
みなし弁済
名ばかり管理職
いつの間にか骨折
気逸らし行動
置きエイム
リアル北斗の拳 (のの包含関係分かれる)
開幕謎の寸劇 (のの包含関係分かれる)
凄腕鑑定士
浮かれミネソタン
嫌われ松子
疎まれ窓際族
目玉人事
御用絵師
なんちゃってラグビー
万年平社員
自称ダイエッター
主力コンテンツ
先代犬
歴代WALKMAN
大型連休
官製10連休
弾丸東京ディズニーランド旅行
乱脈融資
気まぐれボタン
酔いどれ天使
バイバイドライブ (銘打つ感じ)
さよなら公演 (銘打つ感じ)
イマドキ家族 (銘打つ感じ)
直アクセス
ダダスベリ
お試し社会人
ナイス判断
文化住宅
フルーツ青汁
本格始動
ド平日
若おかみ
簡易レビュー
願望記事
定番おかず
おそとカレー
ガバガバIME
ゲリラ謝罪会見
二段階歓声
闇人脈
一発レコーディング
簡単湯豆腐
マンモス校
1日CEO (単位系)
一人焼肉 (単位系)
毎ターン (単位系)
最多バス停
飲む点滴

<まとめ・ひとこと解説>
まず先の例では今時のカジュアルな接頭辞のものを中心に取り上げてみました。
接頭辞とは謳っていますがものによっては型が副部/主部になっているというよりかはどちらかというと両方等価に結合しているただの複合語に見えなくもないような例もあります。
この辺の語彙の強さの境界を見極めるのは難しく、あくまで自分の主観で接頭辞部分に生産力のポテンシャルが見て取れそうに感じたらリストに加えるという方針にしました。
結構雑な判断基準かもしれませんが基準からこぼれ落ちそうな例も含めて境界・辺縁も視野に入れつつ考察のまな板にのせられるのではないかということでこの仕立てであります。

個々の具体例については細かくは触れませんがひとこと的な注釈として
・おま環 (お前の環境だけというのを短縮した俗語)というのはただの短縮語に過ぎないと言えるかもしれませんが、おま国、おま値みたいに派生もそこそこあるので接頭辞パーツと見立てました。
・リアル北斗の拳/開幕謎の寸劇 については(リアル北斗)の(拳)という分かれではなく(リアル)(北斗の拳)という接頭辞部分が統辞となってはたらく構造となっています。開幕謎の寸劇についても同様です。
ここでは深くは突っ込めませんが、ペンタクラスタキーボードのでにをは別口入力において助詞をツナギとした格関係を認識するということとこの例のように接頭辞パーツの係りが後続の言葉に影響を及ぼすこととで判断が混線してしまう可能性も見られるので、この部分の処理にいかに見通しをつけていけばいいのかも今後の課題となるでしょう。
・浮かれミネソタン/嫌われ松子/疎まれ窓際族 についてはちょっと無理やりな気もしますが厳密に言えば動詞受身の装定と言ってしまえば元も子もないのですが装定句であると同時に生産力をもった接頭辞パーツであるともみなすことができないかということで今回例に入れました。
・バイバイドライブ/さよなら公演 については基本の型として[性状様態属性付加][名詞]のようになるパターンから外れ、この例ではバイバイとかさよならとか呼びかけ句が半ば属性付加の機能を持ちはじめているところへきての結合でありまして、この事例を雑メモ的に(銘打つ感じ)とコメントしてあります。ちょっと毛色の変わったものでしょうか。
・直アクセス/ダダスベリ については動詞(動名詞)の前について修飾的に機能している例で係るものが名詞ではなく動詞(あるいは形容詞・形容動詞もか)であるのがポイントです。(「ひとポチ」なんていうのもアリかも)
・ド平日についてはドのつく強調が印象的ですが係っている「平日」というのが文字通りの名詞と捉えるのではなくある種の属性様態をもった[休日ではない日]=[いかにも通常の日ですよ]という形容詞的用法のものにドがついているのが特徴的です。
・1日CEO/一人焼肉/毎ターン についても単位当たりの量や行為や頻度をあらわす使い方や一人で焼肉に行くという個々感を出す効果でも使われていて数量概念が絡むという意味でこちらも新鮮であります。
・飲む点滴 こちらも完全に動詞の装定ではありますが「飲む--」が生産的に定型化しているので接頭辞パーツの一形態と複眼的に捉えてしまっても構文解析処理で何かしらの利は出てくるものだと期待しております。

…駆け足で解説していきましたが、こうしてみると接尾辞を含む語は「機械化する、をすすめる」「経験上うまくいかない」「煽情的に見える、だ」「絵描き人冥利に尽きる」みたいに
後続の語句が連語的につらなる、あるいはをがはに等助詞を受けるなど文解析上の区切り要素としてうまく顕在化できていましたが、
接頭辞は語頭にいきなり出てくるものですのでどこまでが接頭辞の終端部分なのか区切り目がわからないケースも多く、検出不備で混線してしまうことと、仮に検出できたとしてもその係る勢力範囲を決定するのが難しいといった問題があります(先述のリアル北斗の拳みたいな例の他にももっとありそう)。
あとは構文ではなく長い複合語の解析の処理とも重なってくる部分が大きいのでうまく接頭辞の部分ケースを取り捌くことが重要になってくるかと思います。

今の段階で言えそうな解説はここまでです。接頭辞についてはあまり注目されることもなかったのでこうして採り上げることができて良かったです。
でも接頭辞パーツをうまく利用したもので「追いチーズ」みたいなモダンな新語に出会うこともできてなかなか味わい深かったです。
皆さんは他に何か面白そうな言葉に出会うことができたでしょうか。
ビバ接頭辞!すわ大器か!
…ビバもすわも接頭辞であるのか単に感動詞であるのかはここではあまり深く考えず、今回の記事を終わりたいと思います。

 

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