goo blog サービス終了のお知らせ 

P突堤2

「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

引っ越し着手しました。ご挨拶にうかがいます(はてなブログ)

P突堤が進化します!
ブログ引っ越し移転先はコチラ↓
新ブログURLをクリック
ブックマーク・コメント気軽にどうぞ

複合助詞と別口入力(2)

2017-02-24 | 別口入力にまつわる諸問題
前回の助詞が組み合わさってできる複合助詞の話から発展して話を進めたいところですが、今一度複合助詞というものについて振り返ってみたいと思います。
まず、骨組みと言うかでき方については、単独の助詞の連接によってできる複合助詞だけでなく、結合することによって元の助詞の機能とは異なる意味を持った新たな助詞(もはや複合助詞とは言わない単独の助詞)が構成される場合も多いです。
また、「の」においては格助詞というよりも準体助詞(形式名詞)として連接し複合助詞(あるいは一語の助詞)を構成するのに一役買っているものであるといえます。(あくまで格助詞の枠組みの拡張として捉え、「の」までのひとかたまりを体言化する格助詞だという説もあります)

また、複合助詞には「からには」「とともに」「に対して」などのように必ずしも一文字助詞だけからなるわけではなく、連語的に連なるものも多くありますがここでは別口入力との組み合わせを念頭に置いているので一文字の助詞・助動詞あるいは活用語尾の複合によるものについてクローズアップしていきたいと思います。
前回は2つの助詞の組み合わせによる2文字の複合助詞について挙げましたが今回は「な」や「だ」に連結の対象を広げて2文字あるいは3文字からなる複合パーツについての解説です。

<「だ」と「な」を含む別口入力複合パーツの例>
だが だと だとか だとは だとも だの だな だか
なのを なのが なのは なのに なのと なのや なので なのも なのな なのか なのだ

以上あげていきましたが、これらのうち「だな」「なのな」の最後の「な」は終助詞の「な」(詠嘆や命令・念押しなど)なので簡単のために今は説明せずここでは断定の助動詞あるいは形容動詞の活用語尾の一部としての用法に焦点を当てて解説していきたいと思います。
まず「だが」については接続詞(自立語)の「だが」である場合と、断定の助動詞「だ」+逆接の助詞「が」の複合したもの(付属語)…両方の可能性がありますがどちらの場合でも別口入力"だ-が"のように入力していきます。
同様に「なので」も接続詞の場合と「な」+助詞「ので」の複合の場合とが考えられますがこれも別口入力"な-の-で"のように入力します。

なお、断定の助動詞「だ」については関連事項として次の2つの性質を頭に入れておくといいかも知れません。
(1)連用形の活用に「に」がない。
形容動詞では「豊かになる」のようにワンフレーズで一つの意味を成すので「に」が連用形の活用語尾として機能しますが、
「祭りになる」では「祭り」(名詞)+「に」(助詞)+「なる」(動詞)のように分解されて「に」が変化の結果を導く格助詞としてはたらき断定の意味をもたないからです。
(2)連体形の「な」が接続する形は、「な+の」、「な+のに」、「な+ので」の形だけに限られ、体言(名詞)は接続しない。
「のに」「ので」は2文字分で一つの接続助詞です。「なのは」「なのが」「なのを」等は「な+の+副助詞」または「な+の+格助詞」のような連結になります。
これらは形容動詞にはない要素です。

また両品詞の場合にも言えることですが、別口要素「な」と「だ」を2つとも含んだ「なのだ」については連語的ではあるものの
断定の助動詞「だ」または形容動詞の連体形活用語尾+助詞「の」+断定の助動詞「だ」からなる組み合わせとなっておりこれも連続して別口入力"な-の-で"のように入力していきます。

以上で「な」や「だ」を使った別口入力複合パーツについて解説していきましたが連続して入力するのが多少面倒かもしれませんがご理解いただきたいと思います。
文法上の解説もしていきましたが、実際のIME変換エンジンの動作にこういった背景情報がどの程度汲み取られていくものなのか、あるいは別口入力の働きかけによって文法上の細かな判断の局面が猶予されているといったほうが正しいのか見極めていきたいところです。もちろん余計な干渉を起こさずに文法情報が適切に反映できるようにするのがベストだと思うので今後も探っていきたいと思います。

なお申し遅れましたが当記事において当たり前のように使っていた言葉に、若干の補足を入れたいと思います。
「別口入力複合パーツ」という言葉ですが、"複合助詞""複合辞"のようにひとくくりにするのにはちょっと違和感があったため苦し紛れで考えたものですが、
片や断定の助動詞「だ」、片や形容動詞の連体形の活用語尾「な」などと一般の格助詞・副助詞などとの混合を"複合辞"とするにはいささか乱暴であり、別口入力の都合上で連結するものだけを対象にしているだけに過ぎないので限定的な意味として厳密には「別口入力複合パーツ」と呼ぶこととしたいと思います。
ただ、検索の用途上は複合動詞で調べるケースが多いので以後の記事では「複合助詞(別口入力複合パーツ)と別口入力(3)」のように併記した形でいきたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

複合助詞と別口入力(1)

2017-02-13 | 別口入力にまつわる諸問題
「として」「において」「をはじめ」などのように助詞とその他の品詞が接続してそれ自体でひとつの助詞のように機能するものを複合助詞と呼びますが、格助詞・接続助詞・副助詞・係助詞・終助詞のいくつか2つが組み合わさってできる複合助詞も相当数ありさまざまなはたらきをしています。
当然ペンタクラスタキーボードにおいても助詞などの別口入力があり複合して使われるケースも多々ありますので説明していこうかと思います。

接続の許容性が高いものもあれば低いものもありますが、なんとなくの傾向はうかがえるものの複合の仕方の法則を説明する簡にして要を得るようなものはなかなか見出せないのでざっくりとあげていきたいと思います。

<とに続く接続の複合助詞>
とを・とが・とは・とに・との・とへ・とで・とも・とか

<のに続く接続の複合助詞>
のを・のが・のは・のに・のと・のや・ので・のも・のか

<かに続く接続の複合助詞>
かを・かが・かは・かに・かと・かの・かや・かで・かも

<その他の複合助詞>
をも・には・にも・へは・へと・への・へや・では・での・でや・でも・でか・もを・もが・もは・もと・もの・もか

とりあえずざっとあげてみました。精査していないので漏れがあるかもしれませんが、全体的にみると「と」「の」「か」に続く複合助詞が比較的多いようです。
これらの例の複合助詞は個々の助詞のはたらきが複合することで元々の機能とは違った新たなはたらきを生じる現象がみられるのが興味深い特徴です。
入力時には少しまどろっこしいですが2つの助詞の別口入力を連続でタイプすることになります。一応の配慮として前にも後にも最も接続機会の多いと思われる「の」のキーに限っては左右の下部に重複して配置してあります。その他の助詞も左右交互打鍵になりやすいよう配置したつもりですが資源に限りがあるので難しいところです。
注意しなくてはならないのが中途半端に一方はかなのクラスタキーからの入力、他方は別口入力からの入力にしてしまうと助詞の切れ目を誤認識して間違った単語を切り出してしまう可能性があるということです。(例:イルカを/要るかを)
ここは素直に完全別口入力していただきたいところです。

例外的なケースとして
-したトカしなかったトカ、見た事あるカモ… のような表記にみられるようにカタカナ書きにする使用例も考えられますが、これらは現状、かなのクラスタキーでベタの入力文字列として処理するくらいしか考えが浮かんできません。
盤面中央の[かな/カナ]キーで変換したいところですがあちらは別口入力の文字列が混在していてもうまく当該部分だけに[かな/カナ]変換を作用させたいというのが念頭にあるのであまりいじれません。
変換するにしても[かな/カナ]キーで変換中にカーソル移動で対象文字列を変更するなどの処理になってくると思います。


別口入力の便利さの陰で、こういった細かな問題が出てきてしまうのも痛しかゆしと言ったところなのですがこれでオシマイというわけにはいきませんでした…。
忘れてはならないもうひとつ大きな問題があります。別口入力の接続要素はでにをはなどの助詞だけでなく、
「な」…形容動詞の連体形であらわれる活用語尾
「だ」…形容動詞の終止形であらわれる活用語尾 または 断定の助動詞「だ」
というような、助詞にとどまらない要素とも組み合わせて接続することがよくみられるからです。

これらについてもさまざまなケースが考えられますので、ここらで一区切りして次回以降考察していきたいと思います。しばしお待ちください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

連体詞と別口入力

2016-10-25 | 別口入力にまつわる諸問題
日本語に品詞の中でも異彩を放っている連体詞はもっぱら名詞のみを修飾するもので、自立語で活用がありません。日本語だけに特有で、英語や中国語にはない品詞名であります。近代において松下大三郎が生み出した品詞です。
この連体詞はときに形容詞や形容動詞と区別がつきにくいものがあり扱いづらいのですが、語尾が「な、が、た(だ)、の、る」で終わるという特徴があり、種類もそう多くないので機械的に覚えると便利です。
(連体詞の例):
おかしな話だ
わが国の行く末
とんだ食わせ物だ
あの丘を越えて
いわゆる超常現象だ

これらの特徴的な語尾の中にはペンタクラスタキーボードの別口入力の助詞や助動詞の入力片とタイミングが被り語法もなんとなく当てはまっていそうなので別口入力で区切りをつけようとしてしまいそうなものがいくつかあります。
例えば「大きな」「小さな」「いろんな」などがありますが形容動詞のように「大きだ」「小さで」「いろんなら」と活用しないのでれっきとした連体詞なのですが、別口入力「+な」をついつけてしまいがちなので注意が必要です。
これらはユーザーの区別を促すために別口入力を付加して入力してしまった場合は多少不自然ですが「大木な」「地位差な」「異論な」のような変換結果を返すものとします。「おおきな」「ちいさな」「いろんな」の「な」付きのひとかたまりとして入力して欲しいのでちょっとペナルティみたいですが別口入力「+な」の自由度を確保するための措置です。
さらに「わが国」でも同様に「が」を別口入力せずにひとかたまりでタイプしてください。
続いて「とんだ」も別口入力せずにひとかたまりでタイプします。これらは「飛んだ」や「富んだ」のような三属性変換で処理するものと混同しないように通常変換で優先的にひらがなの「とんだ」が出るようにします。
そして「あの」「この」のような指示語、いわゆるコソアド言葉は代名詞ばかりでなくタイプによっては副詞や連体詞になるものもあるので整理のために違いを記しておきます。

指示語(こ・そ・あ・ど)の品詞の違い

これ  それ  あれ  どれ  代名詞
こっち そっち あっち どっち 代名詞
こちら そちら あちら どちら 代名詞
ここ  そこ   あそこ どこ  代名詞
こいつ そいつ あいつ どいつ 代名詞
この  その  あの  どの  連体詞
こんな そんな あんな どんな 連体詞
こう  そう  ああ  どう  副詞

これらの中では「この」が「個の」(別口入力:の)と区別するために、「ここ」が「個々」(三属性変換:属性ハ)と区別するために、「そんな」が「損な」(別口入力:な)と区別するために、そして「どいつ」が「ドイツ」(別口入力:属性イ)と区別するために通常変換で優先的に変換されます。
さらに副詞の「こう」「そう」」「どう」は「乞う」「沿う」「同」と同音異義語で難しいところですが、通常変換時に構文解析が適切に行われることを期待して(副詞的機能を果たしているか判定する)、特に属性の指定がなくても通常変換で変換されるようにするのが理想です。

前記事とも併せて別口入力の機能を今一度確認してみると、別入力する助詞「が」「の」「に」「と」「で」「も」などが副詞や連体詞としてひとかたまりに捉えるかどうかの関連懸案を抱えていると言えますし、形容動詞の活用語尾「な」や、形容動詞の「だ」あるいは名詞+断定の助動詞「だ」のなかにも「ひょんな」「ろくな」「とんだ」のようなひとかたまり問題を内在しているものがあり、局所的ですが疎かにはできない問題群であると言えます。
そこには別口入力を使用していることによって生じる、「と」などのパーツがあると思わず分けて別入力したくなるアフォーダンスがはたらいているものと思われます。
この辺の「ひとかたまりに入力する副詞・連体詞の例」は以降も掘り下げて文法的な観点を交えながら考察していきたいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「です」「である」「でした」 別口入力するのか

2016-08-23 | 別口入力にまつわる諸問題
文節の切れ目の解析という難題をカジュアルに解決して見せた…かにみえた「でにをは別口入力」ですが思ったよりオールマイティではなく基本的な言い回しもうまくカバーできていないなどの問題が出てきます。
例えば別口入力「で」は少々厄介で、様々な用法のものがありながらそれらをひとくくりに別口入力「で」で区切り目情報の付加をしています。それらの用法をひとつひとつ検討していくと、

1.格助詞としての「で」…場所/場面・手段/材料・原因/理由・コスト/時間・動作作用の行われる状態(例:疲労困憊で訪問する)・動作作用を行う主体となる組織団体(例:自治体でPRする) など
2.形容動詞の連用形の一部としての「で」…(例)優雅で、微妙で、タイトで
3.断定の助動詞「だ」の連用形として…であるの形で
4.伝聞の助動詞「そうだ」の連用形の一部として…そうであるの形で
5.たとえの助動詞「ようだ」の連用形の一部として…ようであるの形で

のような用法があり「でにをは別口入力」において使われます。「~べきである」なども同様だと思われます。
これらとは別に

別1.接続助詞「て」の濁ったもの…(例)お湯を注いで三分待つ
別2.副詞の一部である「で」…(例)まるで石油王みたいだ

これらはまぎらわしいですが「でにをは別口入力」には使われませんので注意が必要です。

ここまで「で」にまつわることを解説していきましたが、格助詞、形容動詞、助動詞と様々な用法のものを「で」キー一つでとりまわしていくのはなかなか一筋縄ではいかなそうです。


翻ってよく使われる言い回しの「です」「でした」の扱いに焦点をおいてみます。(「である」は「で」の解説中に出てきたのでひとまず置いておきます)
断定の助動詞「だ」の丁寧な形の「です」の活用は
◆「です」(丁寧な断定)
【未然形】でしょ
【連用形】でし
【終止形】です
【連体形】(です)
【仮定形】○・・・ありません
【命令形】○・・・ありません
となっており、断定の助動詞としての接続は体言や一部の助詞(例:古いのです)につきますが、丁寧語全般の用法としては大方の品詞に接続できるもののようです。(でしょう含む)
(「かわいいです」などのような形容詞+ですなどは当初は違和感があったかもしれないが昭和27年の国語審議会で認められており今では誤用とはいえない)
もちろん断定の助動詞だけでなく「でにをは」まわりで使われる形容動詞の活用語尾のですも同様です(【仮定形】「ですれ」がカッコつきで稀ではあるが存在するとあります)

この辺でなんだかモヤモヤするのは別口入力「だ」は終止形に限るとしており「だろ」(未然形)「だっ」(連用形)「なら」(仮定形)は別口入力につながらないという不明瞭さが脳裏によぎってくることです。
この問題と同様に「でしょ」「でし」「です」も「で」単体の区切りがあまりに良いものなので蔑ろにされている感があります。
確かに「である調」の文体においては問題なさそうですが「ですます調」の文体を書き進めていく上では大変具合が悪いです。
何か良い解決方法はないでしょうか?…思いつく限りでは下記の方策くらいしかでてきませんが一応記しておきます。

・[R][r]のル動詞の別口入力の考え方を拡張して
です→[で][R] <終止形>
でしょう→[で][r]う <未然形>+<推量の助動詞「う」>
でした→[で][r]た <連用形>+<過去の助動詞「た」>
でして→[で][r]て <連用形>+<原因/理由の接続助詞「て」>
のようにワイルドカード的に入力して語尾変化に対応する方法が考えられる。

※この方法をつかうにあたっては、別口入力[R][r]としてあったが、ル形動詞以外にも適用されるということなのでR(アール)にこだわらずともよく、ワイルドカードとして仮に○や×などの記号を用いたほうが適当ではないかとの考えに至るものである。(要検討課題)

※別口入力に煩わされて特異な入力をユーザーに強いるのも申し訳ないので、別口入力を用いずプレーンに(です・でした・でしょう)を入力してもどちらでも対応できるように文字列を柔軟に解析し、たとえ気まぐれに入力スタイルがその時々でまちまちであっても許容して解釈するような設計が求められる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする