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活字ジャンキーぴーの365日読書デイズ。

深淵のガランス

2006-09-30 22:44:00 | 
北森鴻氏です。

花師と絵画修復師という二つの顔を持つ佐月恭壱は、
依頼された絵画の下にもう一枚の絵が存在することに気づく。

冬狐堂のシリーズが骨董を扱った美術ミステリとするなら、
こちらは絵画。
いずれにしても「美」を追求する者が進む道は、修羅の道のようです。
凡人には到底気づかぬ闇の世界が広がっておりました。
普遍的な幸せを求めるなら、気づかない方が身のため。
ただ佐月があまり感情を出さない性格なので、
混沌とした闇に生きる家業でありながら、
飄々としているようにも見えます。
陶子がいつも葛藤していたのとは、対照的ですね。

佐月を主人公にした話は表題作の他、「血色夢」という中編も収録されています。
どうやらシリーズ化されているようで、今後も楽しみです。

そしてやっぱり「ギャラリーフェイク」が読みたくなってしまうのでした(苦笑)
ツッコミその1。「またか!また読みたくなってるのか」
ツッコミその2。「ていうか、まだ読んでいなかったのか」

佐月とフジタじゃ随分とキャラが違いすぎますがね。




水曜の朝、午前三時

2006-09-29 23:20:15 | 
蓮見圭一氏です。

「もし、あのとき、あの人との人生を歩いていたら…」

児玉清氏絶賛、という煽り文句につられて夫が借りてきてくれました。
飛行機の中で読んで涙が止まらなかった…と仰っておられたとかで、
どれだけ感動する話なのだろうと、期待をこめて読み始めました。

…あの…どこで泣いたらいいんですか?(汗)
そんなわたしはきっと恋愛小説は向いていないのでしょう。

結ばれなかった理由が、時代を感じさせますね。
今ではかなり少ないかと思います。

主軸は男女の恋愛の話ではありますが、
不器用な感情表現しかできない父親と
優しいだけではなく、強さも兼ね備えた母親。
そんな二人のそれぞれの娘への愛情表現は、
じんわりと心に沁みていくようでした。

この小説は、きっと中高年の方がお好きなんじゃないですかね?たぶん。

銃とチョコレート

2006-09-26 23:07:58 | 
乙一氏です。

怪盗「ゴディバ」が世間を騒がす中、少年リンツは父が遺した聖書の中に挟まれてあった地図を見つける。
それが事件の鍵を握っていると知ったリンツは、名探偵ロイズに手紙を書く。

ジュブナイルとしてだけではなく、
かつて少年少女だった大人も読める「ミステリーランド」シリーズ。
今回は乙一氏の登場です。

乙一作品といえば、ホラーもあり、切ない話もあり。
わたしはそのどちらも大好きなのですが、今回はまた違った印象でした。
怪盗、名探偵、少年。
典型的なパターンを踏襲しつつも、そこは一つも二つも捻りをきかせて、
最後まで飽きさせない作りになっています。
また、登場人物や街の名前などにチョコレートのブランド名を使っているあたりにも、
なかなかのこだわりを感じさせられます。
全部わかる方はいらっしゃいましたか?

それにしても「ミステリーランド」の執筆陣は本当に豪華ですね。
これからの楽しみは恩田陸氏です♪

邪魔

2006-09-25 22:57:08 | 
奥田英朗氏です。

親父狩りをする少年。妻を事故で亡くした警部補。平凡な主婦。
それぞれの歯車が狂い始めた先には、思いがけない結末が。

登場人物のどの視点にたって読むかによって、見え方は変わる。
何を守るか。その為には何が邪魔なのか。
瀬戸際での二者択一を迫られたとき、人の本性は見えてくるものだ。
生々しく嫌悪感はあるが、それだけリアリティがあるともいえる。
どことなく桐野夏生の小説(「ダーク」とか)を彷彿とさせた。
着地点はそこかい!とツッコミを入れたくなるようなラストも(苦笑)

女ってやっぱりどこまでもしたたかなんだろうか。

探すのをやめた時

2006-09-21 21:48:57 | ぴーの日常
お墓参りに行く為に午前中から出かけることになってました。

靴をはいてさぁ出かけますよっ!という時になって
「駐車場の(シャッターを開けるための)リモコンがない」
と夫が言い出して、鞄の中をゴソゴソと探し出しました。

「にんにくにんにく…」
と代わりにわたしが言いますと

「あったーーー!!」

出てきたのは、無くなってから探しても探しても見つからなかった
夫のシャッフルでした。
これにはわたしもびっくり。

ほんとに「にんにく」って効くんですよ。

探し物は見つかりにくいもの

2006-09-20 23:01:22 | ぴーの日常
夫がシャッフルを無くした。

出先で使って鞄に入れたはずが、家に帰ってくると無くなっていたのだとか。
今は中古で~円だとか、次に新しいのが出るからこの機種はもっと下がるとか、
あれやこれやとアピってくる(笑)のですが、

取りあえず、よく探しましょうね(にっこり)

ちなみに探し物を見つけるときのおまじないは
「にんにく」なんですよ。
(にんにくと言いながら探すと見つかるらしい)
と教えてあげたらちょっぴり切なそうにしてました。

見つかるといいね!(更ににっこり)

エンド・ゲーム 常野物語

2006-09-19 23:29:26 | 
恩田陸氏です。

正体不明の「あれ」と戦う拝島瑛子。
娘の時子もまた同じ能力を持つ。
しかし瑛子は倒れて意識不明に陥り、
時子は一人残されてしまう。

「常野物語」の続編ですが拝島母子の話としてはこれで完結なのでしょう。
思いも寄らない展開に、またしても引き込まれてしまいました。
オセロの駒が何度も何度も裏返されていくように、
最終的にどちらになるのかが読めません。
しかも白か黒かだけではないような空気がどんどん漂ってくるのです。

クライマックスで「そうきたかーーーー!!!」となりました。
この結末を想像できた方っていらっしゃるのかな。
わたしは全くできませんでした。
ただこれを良しとするかどうかは、好みが分かれるかと。

常野と呼ばれる特殊な能力を持った人々の話は、
主人公が変わっても、きっとこれからも続いていくのでしょう。
そんな気持ちになりました。
いつかまた、違った形で常野の話を読んでみたいと思います。

闇色(あんしょく)のソプラノ

2006-09-18 17:56:45 | 
北森鴻氏です。

卒論のテーマに夭逝した童謡詩人「樹来たか子」を選んだ真夜子は、
彼女の死に疑問を抱き、
偶然知り合った郷土史家や末期がん患者の男性らと共に真相を追う。

遠誉野(とよの)という特殊な地が関係者を引き寄せ、
そして新たな事件が…というミステリアスな展開。
民俗学・歴史学という視点から捉えた独特のストーリーは
読み応えがあります。あるのですが…
今回は消化不良。
全てにおいて中途半端に終わってしまったかな。

樹来たか子の詩が作中登場しますが、
彼らが病的というか取り憑かれたかのように、
魅了されるのがどうも納得いかないのですよ。
おそらくここにも「遠誉野」の引力が作用しているのかもしれませんが、
それだけでは理由として弱いと思います。

狙いはわかります。
幾つかの謎をそれぞれ紡いで、更なる謎で包みたかったのでしょうが、
包みきれなかったようですね。

流行なんて大嫌いだ・その2

2006-09-15 23:16:51 | ぴーの日常
件のブーツはお陰さまで他のスタッフにも好評でした。
ほんとに良かったよ…

明日から姉が出張でしばらく不在のため、
次に制服として着る商品を選んでいた時のこと。

ブルーのニットワンピースに決まったのですが、

「ボトムは何を合わすの?」

と訊かれました。
わたしはそのままタイツでブーツにするつもりだったのですが、
その訊かれ方だと、多分それではまたクレームがくるのだろうと思い、

「やっぱり…スキニーですよ…ね…」

と答えました。
でも無理ですからっっ!!そんなほっそいデニムなんてっ!!!
と心の中では叫んでいたのですが、当然姉の耳に届くわけもなく。

試着室でデニムと格闘する羽目になりました。
きつい~~~(泣)
足の形がまるわかりだよ~~(号泣)

ちなみにわたしはヒップよりも太ももが太いので、
スキニーをはくことは、自殺行為か単なる恥知らずです。
でも、はくことになりそうです。

要するに太いところを隠せばいいのだ。
と、自分を励ましてみることにします。

流行なんて大嫌いだ

2006-09-14 23:44:29 | ぴーの日常
仕事柄、服はたくさん必要です。
服がたくさんあると、靴もたくさん必要なのです。

今年の春は春用のブーツを買い、
秋になったので、またしてもブーツを買い、
しかしながら姉からのクレームがきたので
別なものを買いなおした次第です…

年に3回もブーツ買ったよ…(泣笑)

なんでダメだったかと申しますと、
今わたしが着ているワンピースにはスポーティーすぎるのだとか。
「綺麗な感じのほうが合う」そうです。

スボーティー……たしかにプ○マだからなぁ。スニーカーみたいなものだわね。
でも、楽なんだよぅ。やっぱりスニーカーだから。
全然靴擦れもしなかったし、階段駆け上がれるし。
ワンピースが可愛いかんじなので、足元を崩してみたという
わたしの狙いは見事に外れたわけです(苦笑)

以前は(別の制服の時に合わせていたブーツに対して)
「コンサバすぎる」とクレームがきたこともありました。
「綺麗な感じ」でありつつ「コンサバ」でないもの。
その境界線はどこにあるのでしょう??

セレクトショップとかはしごして探しましたが、どうもピンとこなかったので
うめだ阪急にて購入しました。
ヒールは低め。黒と焦げ茶とのツートンカラーになっております。

これでダメと言われたら、たぶん泣く。マジで泣く。
ドキドキしつつ職場へ行きますと、他のスタッフから
「あ、ブーツ可愛い」とまずは一安心。
傍にいた姉も

「うん。可愛い」

今、可愛いって言いましたね。ね?
もう買い直さなくていいのね??
あ~~~良かった。ほんとに良かったよ。

一仕事終えたような、達成感と疲労感漂う一日の始まりでございました。