佐々木譲氏です。
安城清二巡査は男娼殺害事件と、国鉄職員の殺害事件との関連性を疑いを抱き、
独自に調査を始めていたのだが、跨線橋から転落死する。
事件の謎は清二と同じ道を歩んだ息子の民雄、孫の和也へ引き継がれる。
警察官と一括りにしても、実際にはキャリア組とノンキャリア組があるように、
制服を着ている警官であるか否かで、大きく変わってきます。
清二は地域の安全を守ることを第一とした「駐在さん」でした。
民雄は父のような巡査を目指しながらも、
上からの指示には逆らえず、学生運動真っただ中の北大に潜入捜査することに。
そして和也の代でようやく時間の流れの中で埋もれていた謎は、明らかになります。
作品の冒頭といっていいほど、
最初の頃に起こった事件がこんな終盤になるまで謎のままとは思いませんでした。
ですのでここまで引っ張るか…と思ったのは事実。
ただ重要なのは謎の解明ではなく、警官としてのそれぞれの生き方です。
建前では市民の安全を守るのが警察です。
しかしその裏では平然と裏金作り、裏社会との癒着など、現実はかけ離れています。
特殊な世界の中で、彼らがどう生きたかというのが見所です。
これまで佐々木氏の作品は幾つか読んできました。
途中までは実に「読ませる」展開なのに、
このラストはいかがなものか、というような尻すぼみの印象が強かったのですが、
不安が杞憂に終わって良かったです。
また戦後の昭和から平成の現代に至るまでの教科書では習わない、
日本の歩みを見ているようで、そちらも楽しめます。
安城清二巡査は男娼殺害事件と、国鉄職員の殺害事件との関連性を疑いを抱き、
独自に調査を始めていたのだが、跨線橋から転落死する。
事件の謎は清二と同じ道を歩んだ息子の民雄、孫の和也へ引き継がれる。
警察官と一括りにしても、実際にはキャリア組とノンキャリア組があるように、
制服を着ている警官であるか否かで、大きく変わってきます。
清二は地域の安全を守ることを第一とした「駐在さん」でした。
民雄は父のような巡査を目指しながらも、
上からの指示には逆らえず、学生運動真っただ中の北大に潜入捜査することに。
そして和也の代でようやく時間の流れの中で埋もれていた謎は、明らかになります。
作品の冒頭といっていいほど、
最初の頃に起こった事件がこんな終盤になるまで謎のままとは思いませんでした。
ですのでここまで引っ張るか…と思ったのは事実。
ただ重要なのは謎の解明ではなく、警官としてのそれぞれの生き方です。
建前では市民の安全を守るのが警察です。
しかしその裏では平然と裏金作り、裏社会との癒着など、現実はかけ離れています。
特殊な世界の中で、彼らがどう生きたかというのが見所です。
これまで佐々木氏の作品は幾つか読んできました。
途中までは実に「読ませる」展開なのに、
このラストはいかがなものか、というような尻すぼみの印象が強かったのですが、
不安が杞憂に終わって良かったです。
また戦後の昭和から平成の現代に至るまでの教科書では習わない、
日本の歩みを見ているようで、そちらも楽しめます。