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退職オヤジのひとりごと

退職オヤジが直面する新しい日々…感動か困惑か?
カオスの日々を綴ります

御巣鷹の謎を追う

2024年06月13日 10時25分12秒 | 本を読みました

米田憲司氏の『 御巣鷹の謎を追う 』という本を読みました。

別の著者による日航機事故に関する本を読もうと探したものです。
本屋に行ったのですが、すでに絶版となっていました。
その足で、古書のチェーン店で探したが見つからず、図書館に出向きました。
図書館でも無かったのですが、図書館のネットワークで他市にあるものを取り寄せて頂き、やっと読むことが出来ました。

内容は、

はじめに
第一章 墜落現場をめざして
第二章 墜落現場確認はなぜ遅れたのか
第三章 米空軍アントヌッチ中尉の証言
第四章 ボイスレコーダーの分析
第五章 事故原因の真相究明
第六章 事故調査委員会のあり方
第七章 遺族の思い
あとがき

というものでした。


第一章は、新聞記者目線で取材した記者について書かれています。

第二章は、墜落現場の特定が遅れたことについての考察。

第三章は、墜落現場にいち早く到着した米空軍輸送機に乗務していた航空機関士マイケル・アントヌッチ氏の証言をベースに描かれてます。(米軍ヘリは墜落2時間後には救助できたのに、日本の救助隊が到着したのは墜落12時間後だった)

第四章は、ボイスレコーダーの解析は難しい作業出あることの説明。

第五章は、航空事故調査委員会の調査は結論ありきで、調査がそのものが不十分であると知れました。

第六章は、諸外国と違い日本の事故調査委員会は独立した機関ではなく、国土交通省の職員で現場経験の無い人たちの集まりと知れた。航空会社に不利な要素に関しては「原因不明」としてしまう傾向にあるようです。

第七章は、遺族と、遺族でありながら日航関係者であるが為に非難に晒された方々などの思いを綴っています。


特に印象に残ったものの一つに、
元日本航空パイロットである杉江弘氏の「・・・人間はミスを犯すという前提で安全対策を講じるようになった今日の考え方からすれば、事故調はミスをおかさないという前提はおかしい。事故調査の目的は、原因の特定ではなく、再発防止にあるのだから、もっと率直に議論をすればよいのである。」という言葉がありました。

日本では事故調査と犯罪捜査の区別が出来ておらず、事故調査が犯人捜しになっていて、「日本の事故ではパイロットは真相を話しにくくなる」と教育しているアメリカの航空会社もあるとのこと。


杉江氏の言葉が重く感じられました。


墜落の新事実

2024年06月04日 05時39分20秒 | 本を読みました

青山透子氏の『 日航123便 墜落の新事実 』という本を読みました。

前回読んだ「疑惑のはじまり」で、日航機墜落事故について更に詳しく知りたいと思い、読み始めました。


内容は、

序 章
第一章 一九八五年八月十二日の記録
第二章 新に浮かび上がるあの日の証言
第三章 『小さな目は見た』というもう一つの記録
第四章 三十三回忌に見えてきた新たな事実
終 章 未来の目は見た


三十三回忌を迎え、事故調査報告書に取り上げられなかった事柄を、「目撃証言」を元に時系列に整理し、更に詳しく検証したものです。

特筆すべきは、「疑惑・・・」では学生たちが調べたレポートから発見したことが取り上げられていたように、「・・・新事実」では、地元小中学生が事故後すぐにまとめた文集を取り上げるなど、調査と取材が広範囲かつ繊細で、その結果、事故(事件?)を隠蔽する圧力が働いたように結論づけられていることが、全く不自然でなく受け止められることです。

終章にまとめられている疑問点は、
①日航機を追尾するファントム2機の目撃者が多数いる
②事故機の胴体に濃い赤色の円筒形のような物体が付着していたという目撃者がいる
③墜落現場付近の人に目撃された真っ赤な飛行機
④炭化した遺体を検視した医師が不自然と感じている
⑤未だに相模湾に沈んでいる機体の残骸を引き上げないこと
などです。

それらは知れば知るほど、まだ開け放たれていない扉があると思えてしまう。

特に印象に残ったのは、
小学6年生の証言で、『夜中1時頃に姉がNHKに電話をして「絶対に日航123便は上野村に墜落してますよ」と伝えたところ、「はい、ありがとうございました」と言った』・・・。(事故地点が報道されたのは翌朝)
追悼文の中の一節『息子が勤めている東京消防庁では、職員の家族やみなさまのために、東京消防庁のプライドにかけて救助活動を申し出てくれたのに、政府は断ったと云うから言語道断もはなはだしい。・・・』


事故をネットで調べてみると数多くヒットしますが、正しい検証なのか野次馬の暴論なのか解りません。


しかし、氏の記述は事実に裏付けられた文章で、説得力のあるものでした。


「墜落事故の真相を明らかにする会」のHPも含めて、もう少し詳しく知りたいと思いました。


疑惑のはじまり

2024年06月03日 05時00分26秒 | 本を読みました

青山透子氏の『 日航123便墜落 疑惑のはじまり 』という本を読みました。

森永卓郎氏の本を読んで、日航機墜落事故についてもう少し詳しく知りたいと思い、手に取りました。


内容は、

序 章
第1部 雲海を翔けぬける 
      第1章 出会いOJT初フライト
      第2章 機内アナウンス
      第3章 スタンバイルームで
      第4章 DC-8での想い出
第2部 エマージェンシー 墜落か不時着か
      第1章 八月十二日
      第2章 見覚えのある顔写真
      第3章 原因は何か 新聞報道の陰から見える事実
      第4章 プロフェッショナルとはなにか
第3部 乱気流の航空業界 未来はどこへ
      第1章 過去からのメッセージ
      第2章 若者たちの現場
      第3章 上野村へ
あとがき

 

序章から解りやすい文章と、氏の日本航空とスチュワーデス(当時)という業務に対する造詣の深さ、情熱の深さに引き込まれてしまいました。

山崎豊子さんの「沈まぬ太陽」のような引き込まれる展開に、500頁を超える文章が、あっという間に通り過ぎていきました。

 

日航機墜落事故については、犠牲者数の521(胎児1を含む)という数字だけが注目される中で、その一人ひとりにフォーカスすることで、読み手に事故の重大さを実感させてくれるものでした。


多くの記載が印象深かったのですが、いくつか挙げると、
・事故現場の発見が遅れたこと。(18:56にレーダーから消え、発表は翌朝であった)
・しかも、墜落20分後には、米軍ヘリコプターが墜落現場に到着し、隊員がロープで降下しようとした時に司令部の横田基地から帰還の命令が出たこと(元米軍中尉マイケル・アントヌッチ氏証言)
・墜落直後はまだ多くの生存者がいたらしいこと(生存者川上慶子さんの証言)
・現地上野村村長を始め多くの方々がとても大変な思いをされたこと(身許確認班長飯塚訓氏、歯科医師大國勉氏、村長黒澤丈夫氏、消防団員黒澤武士氏ほか、ボランティア、医師、看護師等々)
・事件当時、中曽根総理は事故現場入りしなかったこと(事故当日12日:軽井沢から公邸に戻る。13日:インポート・バザール・トーキョー見学。14日:日航社長と会談。15~17日:人間ドックその後軽井沢のホテルへ。18日:別荘で水泳と散歩)
・そして、同じ年の8月23日にイギリスで起きた航空事故(54名死亡)では、サッチャー首相が休暇先のオーストリアから急遽帰国し、事故現場に駆けつけていたこと。

などでしょうか。


他にも、圧力隔壁破壊や尾翼の破損状況の矛盾など、多くの事実が語られていました。


ボイスレコーダー開示の請求棄却のニュースをも合わせて考えてみると、他にも氏が出されている本を読んでみたくなりました。


書いてはいけないこと

2024年05月26日 03時20分16秒 | 本を読みました

森永卓郎氏の『 書いてはいけない 日本経済堕落の真相 』という本を読みました。


氏が「本書は、私の40年にわたる研究者人生の集大成であると同時に、私の遺書でもあるものだ
と記している本です。

氏は、ステージ4の膵臓ガンであると告知を受けていました。


内容は、

第1章  ジャニーズ事務所
第2章  ザイム真理教
第3章  日航123便はなぜ墜落したのか
第4章  日本経済墜落の真相


常日頃から、問題の多い社会の慣習を変えられるのは、直接には選挙なのだけれども、有権者の判断材料を示せるのはメディアだけだと思っていました。


氏はそんなメディアにアンタッチャブルな内容があるといってます。

それが、第1章から第3章に挙げられたことです。


そして、日本経済が伸び悩み続けた原因が、財務省の財政緊縮政策と日本の主権喪失だというのです。


日本が主権を失うターニングポイントとなったのが、日航123便墜落事故だと捉えています。

 


日本航空123便墜落事故に関しては、つい先日、ボイスレコーダー開示の請求が棄却されたニュースを知って、決着が付いている事故のボイスレコーダーを隠すなんて、おかしな判断だなと感じたばかりでした。


「日本航空123便墜落事故」裁判終結に、夫を亡くした81歳の遺族が期す「真相究明」次なる一手とは

 

そんなこともあり、40年近く前にラーメン屋でラーメンをすすりながら観たテレビのニュースを思い出し、この事故に対し、再び関心を持ちました。


こんなものも観てみました・・・
https://note.com/yymm77653/n/nb5eb81e3538b


追)激痩せされた氏のお姿を見るにつけ、お体をご自愛されることを祈るばかりの自分です。

 


ザイム真理教

2024年05月21日 08時23分56秒 | 本を読みました

森永卓郎氏の『 ザイム真理教 』という本を読みました。


いつも通う本屋さんで、一番目立つところに平積みになっていたので、思わず買い求めました。


内容は、

第1章  ザイム真理教の誕生
第2章  宗教とカルトの違い
第3章  事実と異なる神話を作る
第4章  アベノミクスはなぜ失敗したのか
第5章  信者の人権と生活を破壊する
第6章  教祖と幹部の豪華な生活
第7章  協力サポーターと親衛隊
第8章  岸田政権は財務省の傀儡となった 


公的統計や公表資料に基づいた持論は、なかなか説得力のあるものでした。

 

印象に残ったのは、日本が30年間成長出来なかったことを『消費税を主とした増税によるもの』とまとめられていること。

一千兆円を越える国債という借金は、国の保有資産を考えると、一桁違ってくると云うこと。

保有資産をすぐに借金償還に充てられるとは思いませんが、色々な視点があるものだと思いました。


氏は財務省憎し・・・と、カルト宗教になぞらえて話を進めているので、100%鵜呑みにして良いのか解りませんでしたが、世間一般で云われている見方と違った視点での展開は、新鮮な驚きを持って読み進めることが出来ました。


興味深く読めたので、次は、同じ平積みになっていた同氏の「書いてはいけない 日本経済堕落の真相」を読んでみようと思いました。