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退職オヤジのひとりごと

退職オヤジが直面する新しい日々…感動か困惑か?
カオスの日々を綴ります

不可能を可能に

2024年09月12日 08時43分16秒 | 本を読みました

『 不可能を可能にする大谷翔平120の思考 』という本を読みました。


数多く出ている大谷翔平関連の出版物ですが、著者が大谷翔平となっていたので手に取りました。

2017年3月第一刷発行の本ですので、大リーグ挑戦前の日ハム時代にまとめられたものです。


内容は

第1章  挑戦
第2章  苦悩
第3章  向上心
第4章  素顔
第5章  克己心
第6章  哲学

です。

 

大リーグでの実績は目を見張るものですが、それとは別に彼の行動や発言にも人を惹きつける素晴らしいものがあります。

そんな彼がどのような文章を綴ったのか興味がありました。が、やはりゴーストライターさんが書かれたであろう三人称の文章でした。

しかし、野球に生活全てを注いでいるであろう大谷選手ですので、仕方がないものと納得しています。


そんな彼の野球に臨む姿勢は、我々も日常を振り返るよいきっかけを与えてくれるものでした。


印象に残った言葉は、
『努力は自分が評価するものではなく、他人が評価するもの。』
『出来るとするのは自分、出来たとみるのは他人。』
『読書は心の財産』
遠山の目付
『不可能とは事実ですらなく単なる先入観だ』(モハメド・アリ)


特に、教育現場に身を置いていた私としては、花巻東高校佐々木洋監督の

『「楽しい」より「正しい」で行動しなさい』という教えや、

『恩師は、教え子であっても卒業したら、対等な大人として敬意を払う』姿勢に感動を覚えました。

 

 

蛇足ですが、今年結婚された大谷選手が、打者専任とはいえ数字を残していることに安心している自分です。(成績が下がると、真美子さんがネットで非難されかねないので・・・)

 


津田梅子

2024年08月29日 16時20分02秒 | 本を読みました

橘木俊詔氏の『 津田梅子 明治の高学歴女子の生き方 』という本を読みました。


新紙幣発行に伴い「渋沢栄一」は大河ドラマになるなど話題は豊富ですが、五千円札の津田梅子について知識がなかったので読んでみました。


内容は

はしがき
第1章 戦前の女子教育と岩倉使節団
第2章 津田梅子の幼少期と渡米
第3章 アメリカの大学へ留学する
第4章 帰国後の梅子と津田英学塾
第5章 山川捨松と永井繁子
第6章 三者三様の生き方と現代への含意
あとがき

です。


津田塾大学創始者の津田梅子(幼名は梅であったが、38歳の時に梅子と改名した)の生い立ちと、その関係者について記した本ですが、著者が伝えたかったことは副題にあるように「明治の高学歴女子の生き方」に置かれていたように思う。

それは、①結婚せず独身で職業を全うする。 ②専業主婦となって良妻賢母を貫く。 ③職業人でありながら妻・母として生きる。という三通りと整理されていました。

そして岩倉使節団の5人の女子留学生(上田悌子⑮、吉益亮子⑮、山川捨松⑫、永井繁子⑨、津田梅子⑦(数字は年齢)のうちの3名(梅子・繁子・捨松)の生き方を①~③の生き方として比較し考察したものでした。


ちなみに、日本で最初の米大学卒業生となった山川捨松の生き方は②、永井繁子は③、そして津田梅子は①で生涯独身で通したようです。


印象に残った部分は、大学を卒業した三名の留学費用を明治政府が負担していたこと。
期間10年間、3往復の旅費、学費、その他生活費、そして年間800ドルの小遣い全てです。
明治政府がとったこれら支援には、欧米文化を吸収しようとする並々ならぬ決意が伺えます

また、梅子・繁子・捨松の三人は、日本語が苦手で、帰国後かなり苦労したという事実も驚きでした。


大いなる決意をもって教育により女性そして国を支えていこうとする梅子の姿勢は、目先の評価に縛られている現在の政治家の方々が見習うべき点が多いと感じました。

 

梅子がつくった「女子英学塾」が「津田英学塾」と校名変更したのは、梅子の死後4年経ってのことで、こんな処にも梅子の人柄が偲ばれるエピソードと云えそうです。

 


未だ私の財布には無い新五千円札を、早く手にしたいと思いました。


原爆裁判

2024年08月18日 19時48分03秒 | 本を読みました

山我浩氏の『 原爆裁判 アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子 』という本を読みました。


ミーハーな私は、朝ドラのモデルになった三淵嘉子氏について興味があったので購入しました。


内容は

本書に寄せて(前坂俊之)
第一章 死の商人と呼ばれた男
第二章 原爆が投下された日
第三章 放射線との戦い
第四章 アメリカはお友達?だが・・・
第五章 女性弁護士三淵嘉子の誕生
第六章 家庭裁判所の母
第七章 原爆裁判
第八章 三淵嘉子の終わりなき戦い
 「厳罰裁判」判決文
おわりに

です。


三淵氏の人となりが紹介されている本だと思ったのですが、主題は「原爆投下は国際法違反である」という判決を下した裁判で、第1回口頭弁論から結審までを担当した東京地裁裁判官という部分でした。

興味深かったのは、一~四章までに記されている『原爆投下の真相』ともいえる部分でした。

オッペンハイマー氏やトルーマン大統領については、色々な資料や映画などで紹介されていましたが、原爆の材料となった高純度のウラン鉱を独占していたエドガー・サンジュ氏や、投下後の惨状を隠蔽し、偽りの報告をさせたグローブス少将など、あまり表に出てこない人たちについて記されていることが、とても勉強になりました。

その後、アメリカ軍が設定した危険水域の外で操業していた「第五福竜丸」の船員久保山愛吉さんが、水爆実験で被爆し亡くなったにもかかわらず、非難の矛先をかわすために第五福竜丸をソ連のスパイ船だと発表したアメリカ政府のことなど、知らなかったことのオンパレードでした。


一番印象に残った部分は、原爆裁判の判決文に付け加えられた、

われわれは本訴訟をみるにつけ、政治の貧困を嘆かずにはおれないのである』という一文でした。


本当に読んで良かったと思いました。

皆さんも読んでみてください。


「空腹」こそ最強のクスリ

2024年08月13日 11時08分05秒 | 本を読みました

青木厚氏の『 「空腹」こそ 最強のクスリ 』という本を読みました。


古本屋を冷やかしていたら、目にとまりました。
発行年を見たところ、数年前でしたので買い求めました。


内容は

はじめに
第1章 「一日3食しっかり食べる」「空腹な時間を作る」どちらが長寿と健康をもたらすか
第2章 無理なく「空腹」を作り、身体を蘇らせる食事法
第3章 「糖」がもたらす毒を、「空腹」というクスリで取り除く
第4章 「空腹力」を高めれば、これだけの病気が遠ざかる!

です。

各章とも一つの項目が短くまとめられており、大変読みやすい本でした。

 

本の中で、ミトコンドリアについて触れていました。

細胞内のミトコンドリアについては、多少の知識があった(知識といっても映画「パラサイト・イブ」を観て少し調べただけです)のですが、古くなったミトコンドリアも『オートファジー』により、新しいものに置き換えられることを知りました。

オートファジーは、大隅義則博士がノーベル賞を取ったあれです。

 

最近身体の調子が今一の自分です。

 

食いしん坊の私ですが、無理を承知で16時間断食をして見ようかなとも思いました。


変な家

2024年08月12日 07時11分26秒 | 本を読みました

雨穴氏の『 変な家 』という本を読みました。


普段小説はあまり読まないのですが、映画を見損なったので活字から入ってみようと手に取りました。


内容は
第一章 変な家
第二章 いびつな間取り図
第三章 記憶の中の間取り
第四章 縛られた家
文庫版あとがき

と目次にありました。


芝居台本の台詞のように登場人物の発言が記されていたり、家の間取り図が多く示されていたりと、私の知る小説とは異なる部分が多く、今の新しい形の小説の一つかと思いました。

しかし、読み進めてみると横溝作品のような怖い内容に、引き込まれていきました。

 

オリンピック一色となった情報の嵐の中で、ホッと一息つける時間が得られる作品でした。