有吉佐和子氏の『 青い壺 』という本を読みました。
陶芸家が生み出した青磁の壺が人の手から人の手へと移りゆく中で様々なドラマを伴い、再び作者の目の前に現れる・・・。そんな全13話でした。
最近、日米安保条約にまつわる私にとっては「腹立たしい」内容の本ばかり読んでいたので、読みやすい本を読みたいと探していたところ、妻に勧められて手に取りました。
文章はとても読みやすく、初有吉佐和子の私としては、良い選択だったと思いました。
そのうち、『複合汚染』も読んでみたいと思いました。
有吉佐和子氏の『 青い壺 』という本を読みました。
陶芸家が生み出した青磁の壺が人の手から人の手へと移りゆく中で様々なドラマを伴い、再び作者の目の前に現れる・・・。そんな全13話でした。
最近、日米安保条約にまつわる私にとっては「腹立たしい」内容の本ばかり読んでいたので、読みやすい本を読みたいと探していたところ、妻に勧められて手に取りました。
文章はとても読みやすく、初有吉佐和子の私としては、良い選択だったと思いました。
そのうち、『複合汚染』も読んでみたいと思いました。
矢部宏治氏の『 日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか 』という本を読みました。
氏の著作は「知ってはいけない日本支配の構造」「戦争をしない国 明仁天皇メッセージ」「本土の人は知らないが沖縄の人はみんな知っていること」「日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか」に続く5冊目となりました。
内容は、
はじめに
PERT1 沖縄の謎ー基地と憲法
PERT2 福島の謎ー日本はなぜ、原発を止められないのか
PERT3 安保村の謎①ー昭和天皇と日本国憲法
PERT4 安保村の謎②ー国連憲章と第二次世界大戦後の世界
PERT5 最後の謎ー自発的隷従とその歴史的起源
あとがき
著者自身による解説ー五年前の私への報告
前回読んだ「日本はなぜ戦争ができる国になったのか」と同様、地位協定に代表される「日米間の不平等な関係」について、アメリカ国立公文書館の資料を基に執筆されたものです。
毎回、特に忘れたくない部分に貼る付箋ですが、この本も多数必要となりました。
印象に残ったのは、
①砂川裁判より日本の司法が行政の決定に立ち入れなくなってしまったこと。
②ジラード事件に対する裁判の過程。
③大西洋憲章とポツダム宣言の関係。
④「国連」と「連合国」は英語では同じであるということ。
⑤国連憲章第53条(いわゆる敵国条項)は日本とドイツを対象にしていること。
⑥日本同様「敵国」であったドイツの独立に向けての外交努力。
⑦フィリピン共和国憲法第二条(戦争放棄条項)、第十八条(外国軍基地撤廃条項)
⑧マイロ・ラウエル陸軍中佐の「日本の憲法についての準備的研究と提案」というレポートにおける日本社会の問題点の指摘。
などでしょうか。
「原発」についてよりも「日本国憲法」に関する考察が強く印象に残りました。
特定の考え方に傾倒するわけではないですが、もう少し氏の著作を読んでみたいと思いました。
とてもためになる本でした。
矢部宏治氏の『 日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか 』という本を読みました。
氏の著作は「知ってはいけない日本支配の構造」「戦争をしない国 明仁天皇メッセージ」「本土の人は知らないが沖縄の人はみんな知っていること」に続く4冊目となりました。
内容は、
はじめに
序章 六本木ヘリポートから闇の世界へ
PERT1 ふたつの密約
PERT2 ふたつの戦後世界
PERT3 最後の秘密・日本はなぜ、戦争を止められないのか
あとがき 独立のモデル
地位協定に代表される「日米間の不平等な関係」について、アメリカ国立公文書館の資料を基に、調査したものです。
毎回本を読んでいて、忘れたくない部分に百均で買った付箋を付けるのですが、この本は付箋だらけになりました。
特に印象に残った「日米関係の不平等性」では、
①日本の民間機が飛ぶことができない「横田空域」
②米軍機で在日米軍基地に飛来しそこから基地外に出ると、誰でも日本の査証無しに日本に自由に出入りできる(米大統領の来日のパターンです)
③米軍機が日本の領土内に墜落したり、米兵が日本で犯罪を犯しても日本の調査権・警察権は及ば
ない。(ジラード事件や沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事件など)
④日本が独立した直後設置された「日米合同委員会」が今でも存在し、日米安保関係の政策がそこで国会を通さずに決められている。(日本の官僚と米軍指揮官が対等に話し合うこと自体疑問ですし、そこで国家間の取り決めがなされることが理解できない)
など・・・。
まだまだ日本は、「日米同盟」という名の下に、真の独立を果たしていない現状があることを実感しました。
とてもためになる本でした。
伊達秋雄氏の『 司法と人権感覚 』という本を読みました。
伊達秋雄氏は、砂川事件一審において、日米安全保障条約によるアメリカ軍の駐留は日本国憲法違反とする判断を示した裁判官です。
内容は、
はしがき
刑事裁判と裁判官論
司法反動
刑法改正
旧法の回顧
労働基本権
プライバシー保護
裁判時評
大正期のヒューマニズムと昭和初期の社会科学によって洗礼を受けた一人の裁判官の所感と云うべきものです。(・・・と、何かに書かれていました)
昭和61年11月初版の本で、少し読み慣れない文章ではありましたが、とても勉強になりました。(私がどこまで理解しているかは解りませんが・・・)
特に印象に残った部分は、
『人権は常に国家の治安の前に譲歩を迫られる危険がある故、厳しい警戒を怠ってはならない段階にある。』
『憲法九条の趣旨は、本来明白なものであった。それは、従来の国家の防衛と平和を戦力によって維持し、国家間の紛争を戦争によって解決するという国際社会の通念に反して、戦力不保持の原則に立って戦争を放棄し軍備によらない国の防衛に徹することを内外に宣言したもので、徹底した平和主義を採択したものであった。それはまさしく空前の世界史的意義を持つものであった。』
『「法治主義」とは『国民よ法を守れ』ではなく『国家よ法を守れ』である。』
『民主国家に於いて、行政機関に秘密があってはならない。』
『政府の政策を遂行するために、ただ方便として刑罰を用いることは、深く慎まなければならない』等々。
また、「貧民による森林窃盗が多かった木曽の山で、ある代官が、刑罰と併せて必要な薪を与えるという裁判をしたら違反がなくなった」・・・そんなエピソードも紹介されていました。
裁判官の眼から見た「憲法」の解釈が興味深く、特に戦前の大日本帝国憲法と日本国憲法の比較から、戦後の平和憲法制定の意思が読み取れたことは収穫でした。
また、コンピューター技術の向上により、国民のプライバシーが侵される危険を、この時すでに予見していたことは、驚きでした。
本屋さんにも出版社さんにも近くの古本屋さんにさえなく、諦めかけて図書館に行ったところ、司書の方が他市の図書館にあるものを取り寄せてくれて読むことができた本です。
とてもためになる本でした。
末浪靖司氏の『 「日米指揮権密約」の研究 』という本を読みました。
内容は
はじめに
序 章 富士山で訓練する米軍と自衛隊
第1章 指揮権密約の起源1949~1950年
第2章 指揮権密約の成立1951~1952年
第3章 安保改定でどう変わったか1953~1960年
第4章 密約の実行をめぐる攻防1961~1996年
第5章 米軍は自衛隊を地球的規模で指揮する1997年~現在
あとがき
驚いたのは、戦後すぐに日本を統治するために定められた『行政協定』が、内容をほとんど変えずに『地位協定』として現存していること。
いざという時には、『日米指揮権密約』により、自衛隊は米軍の指揮下に入ること。
また、返還された米軍基地は、その後自衛隊が管理しているところでは、いつでも米軍が自由に使えること。
米軍はその家族も含めて、米軍基地を出入り口としてフリーパスで行き来できること。
等々。
戦後GHQの管理下にあった日本は、現在も完全に独立しているとは云えないのではないか・・・とさえ思えてきます。
対米外交は「幇間外交」としか云えないのではないか。
特に問題と感じるのは、これらの事実を示す外交文書等はアメリカで機密解除された公文書で、日本側からの資料ではないところ。
つまり、日本では都合が悪いと判断されれば公開されない。
財務省改ざん事件での黒塗り資料が記憶に新しいが、そこには歴史を検証し未来に役立てるというような発想がない。
今さえ良ければ、今を守れれば良いという「刹那的」な『政』が横行していると云うことなのだろう。
これでは斬新な取り組みをする先進国の後塵を拝するばかりで、オリジナリティーのない猿まね国家に成り下がってしまう。
唯々心配になってしまいました。