チビのおしゃべり日記

お星さまになったチビへ
どんぐり母ちゃんが語りかけます。
ねえ、チビ・・・聞こえる?

決断の時(最終章)あふれる涙・・・すべてを受け入れて・・・

2017年03月14日 | 日記
今、手元の書類に記入漏れがないかを確認しながら、ファイルに収めてます。
入院手術の際に提出する大切な書類です。
1枚目は、手術を受ける為の同意書。
2枚目は、学術研究への協力(臨床研究、学会報告、医学論文、等々)の同意書。
そして3枚目はドナーカード。

もう、迷いはありません。すべて受け入れ手術を受ける事に決めました。

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カテーテル検査も済み、一時退院の日、
医師からの結果報告を聞く為、私達は診察室に入りました。

診察室のモニターには、カテーテル検査で撮られた数枚の画像が映し出されいました。
以前に撮ったMRIの画像よりも、より鮮明に脳の血管の様子が映し出されています。

医師の表情も、先日のMRIの画像を前にした時より、今回のほうが一層厳しい表情に見えました。

『どんぐりさん、病名が判明しました。ほとんど症例のない稀な病気です。
予想をしていた以上困難な危険な手術になります。
それでも手術による治療しか他ありません』

画像に映し出された細い血管は幾重にも複雑に重なり合って見えました。

『この部分の開頭手術は非常に難しく危険な為、カテーテル(全身麻酔)による治療が望ましいと思います。

ただ、今回の静脈洞は通常の血管走行と異なり、カテーテル誘導はかなり困難になります。
治療を断念せざる得ない事例もあります。

手術時間も8時間に及ぶ大手術になります。
被ばく線量や造影剤の容量を考え体への負担も考慮しなければなりません。
そういう場合は一旦手術を中断して、後日再度試みる事も有ります。

合併症としては、静脈の損傷、脳内出血、脳浮腫によるけいれん。
目の神経麻痺(今の目の状態が回復できない事)
静脈塞栓症。そして意識障害。
その中でも、もっとも危険なのが血管破裂の脳出血です)

そして死亡率の説明もしてくれました。

不思議と死に対しては、それほど怖いと思う気持ちはありませんでした。
今現在、家の中にいても何かにつかまらないとバランスが崩れてしまい
歩くのも困難になってました。
心のどこかで覚悟はできていたと思います。

ただ、意識障害と言う言葉が出た瞬間、今までこらえていた涙が
一気にあふれ出しました。

もし、目がこのままの状態でも我慢できます。片目でも不自由は有りません。
もし両目が見えなくなっても耳が聞こえれば可愛いチビや、
スズメやカラスの声を聞くことが出来ます。
言葉が喋れたら、今まで頑張って働いてきた父ちゃんに
優しい言葉をかけてあげられます。

嗅覚があればベランダの花の香りも嗅ぐことも出来ます。
全身にマヒが残ったらリハビリを一生懸命頑張ります。

でも・・・意識障害では頑張る事も出来ない・・・死よりも辛い・・・。
そう思うと溢れる涙を留める事が出来ませんでした。

『どんぐりさん、私は医者として危険性も正直に説明するのが義務と思ってます。
その上で、良く考えご納得いただき手術を受けて頂きたいと思ってます。
長時間の手術になります。医者やスタッフを増やして全力で執刀します』

医師の言葉を聞き、わたくしの気持ちは吹っ切れました。
頑張る!例えどのような状態になっても、もう悔いはありませんでした。
万が一、命が無い場合は臓器提供しよう。他の誰かの体の一部にさせて頂きたい。
可能ならすべて使って頂きたい・・・。わたくしの正直な気持ちでした。

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そうと決まったら、泣いてなどいられません。
やらなければいけない用事が沢山あります。

気落ちしている父ちゃんを励ましながら
預金通帳、印鑑、生命保険や積立金の証書の有る場所を
覚えていてもらわないと困ります。

そして、万が一の場合、お互いに用意していた遺言書の名義変更。
(子供がいないので、親族に託すため15年前から用意していました)

そしてここからが大変です。父ちゃんに洗濯を頼む事です。
今まで洗濯機をかけることは勿論の事、干す事をしたことが有りません。

父ちゃんの負担を少なくするためパジャマなどはレンタルにする事に決めましたが
さすがに下着までは自分のを身に付けたいです。

洗濯機の使い方や洗剤の分量。そして一番肝心なのは干す事です。
父ちゃんの事だから自分のパンツは勿論の事、わたくしのパンツまで、
そのままの形で堂々とべランダの正面に干されては、たまったものでは有りません。
ご近所から丸見えです。

こんな時、娘でもいてくれたら・・・わが家にも可愛い娘がいる事はいますが、
羽の生えた手のひらサイズの甘えん坊。

家事を手伝うどころか、洗濯物やテーブルの上で遊びまわり
お土産を落とすのが関の山です。

父ちゃんには、なるべく負担をかけない様、仕事が帰りは、
定食などのお店で野菜付きの料理を食べるよう勧めました。
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入院まで残りの数日、可愛いチビの遊び相手をしながら
皆様のブログを拝見させて頂いてます。
読み逃げになってしまい本当に申し訳ありません。

無事に帰還した暁には皆さまのもとへ、必ずお邪魔させて頂きます。
コメントもさせて頂きます。必ず伺います。待っててくださいね。

そしてよく頑張ったと、わたくしのブログにも沢山の方からコメントを戴きたいです。
それを励みに頑張ってきます。

今まで温かく応援して下さいました皆さまへ
心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。