夜明けの曳航

銀行総合職一期生、外交官配偶者等を経て大学の法学教員(ニューヨーク州弁護士でもある)に。古都の暮らしをエンジョイ中。

お正月・護国寺・忠臣蔵

2005年01月08日 | Weblog
正月は、旅行に行くこともあるが、私が大學教師になり、収入が激減(その前の外資系コンサルに比べ3分の2になった)してからは、高い正月の旅行は避け、家にいることが多い。

家で迎える正月は、夫がおせち料理や雑煮を作ってくれる。

今年も、(夫は京都出身なので)京都風の紅白なます(結婚して初めて食べた)、ごぼうの胡麻和え、きんとん等、三段重にいっぱいのおせちと、しょうゆ味の雑煮を作ってくれました。

買出しは、去年まではアメ横に自転車で行っていたが、初めて築地に行ってみた。

初詣は近所の護国寺に。

護国寺といえば、綱吉の母桂昌院が発願した由緒ある寺。
桂昌院は、前クール「大奥第一章」で、星野真里演ずるお玉が後の桂昌院なのだが、ドラマの始まりから、お万の方との篤い主従関係から、どうやってこのお玉が綱吉を産む設定にもっていくのだろう、と疑問だった。しかし、最終回を見ると、公家の勢力の伸張を恐れた徳川方の配慮により、お万の方の生んだ綱吉の生母をはじめからお玉とし、お玉は「命に代えてもこの若君を守る」と誓う、ということになっていた。つまり、生さぬ仲だからこそ、息子を命がけで守という春日の局の生き様をお玉が引き継いでゆく、という第三部(があるかどうかわからないが)につながるようなおわりになっていて、うまいな、と思った。
しかし、前作の「大奥」を含め、江戸城の天守閣(1607年に作られ、1657年明暦の大火で焼失)がいつの時代でも出てくるし(といっても姫路城の映像だが)、仏門の尼だったお万が何の抵抗もなくロザリオを身につける、等演出の難はたくさん気になった。

前作「大奥」の主人公だった天璋院篤姫(菅野美穂)は、大奥総取締滝山(浅野ゆう子)と対立するという設定だったが、1990年の大河ドラマ「翔ぶがごとく」では、仲の良い主従関係(富司純子と樹木希林)で、島津斉彬(加山雄三)の命を受けて大奥入りするもの、という設定だった。
宮尾登美子の「天璋院篤姫」を読むと、大変英明な女性だったらしい。

桂昌院といえば、年末ドラマ「イヌと呼ばれた男」。堤真一が大石内蔵助役だったが、映像では珍しく、浅野内匠頭(陣内孝則)が馬鹿殿として描かれていたのが胸がすく思い。
史実では、てんかん気質の困った主君だったようで、井上ひさし「不忠臣蔵」つかこうへい「つか版忠臣蔵」等が面白い。
とくに、丸谷才一「忠臣蔵とはなにか」では、討ち入りは御霊信仰(恨みを抱いて死んだ感情の激しい人物の霊を慰めないと祟る、という菅原道真以来の信仰)に基づく行動だった、という分析がものすごく面白かった(大學1年のとき、丸谷氏は東大の非常勤「ユリシーズ」という講義で、この話ばかりしていた)

4日の一限から講義があったので、3日の午後にはもう東京を発つ慌しい正月でした。

夫がバスターミナルまで見送りに来てくれたが、同じバスに担保法を取っている2年生が乗っていた。
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