天窓風景

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身内は辛辣ってこと?

2005-01-28 21:00:00 | 日記
1983年 ヒッチコックの娘へのインタヴューから

ヒッチコックの孫娘のメアリは大学で祖父の映画の講義を受けたが、それまでおじいちゃんの映画をあまり見たことがなかったので(なんと!!子供向けじゃないからか?)
 論文を書くに当って直接本人から聞くことにした

「このシーンを撮った理由は?」
「ストーリーにそのシーンが必要だったんだ」
「何か隠された意味があるの?」
「・・・・・」

そのうちにヒッチコックは怒り出した
「どうしてオマエは私を馬鹿にしに来たと 言わなかったのかね」


娘は結ぶ
「父の映画はエンターティメントのためです それ以上に深い動機はありません」

深いため息が出てしまう言葉だ ヒッチコックは主演女優や俳優 スタッフに随分非道な扱いをしたらしいけど
実の娘にこんなことを言われなきゃいけないなんて

「エンターテイメント」上等ではないか
娯楽にも毒にも 為にも 何にもならない映画のなんと多いことか
少なくとも ヒッチコックの映画で
「金と時間返せっ ヒッチ」なんて言ったことはない。
ま、つまんないのもあるよ ホントはね、でも
それを埋め合わせしてもまだ余るほどの功績がある。
意味なんて後からどうにでもくっつければいい。つけないで知らんふりする奴だっている
デビット・リンチだ。「マルホランド・ドライブ」大好き!こいつもイギリス人で食えない爺ぃ。この映画の筋を尋ねられたら「さあぁ でもおもしろいよ」
意味があろうとなかろうと、客がまたこの監督の作品を見たいと思えばいいのだ。

ヒッチコックは言った
「確かに役者を家畜なみに扱ったかもしれないが  家畜が嫌いだと言った事はないぞ」   
誤解をうけてしかるべく性格みたいだ・・・

参考文献 晶文社「ヒッチコック万歳!」植草甚一
     講談社現代新書「ヒッチコック」筈見有弘