UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力が目覚めた件 362P

2024-01-15 17:28:33 | 日記
『助けて……』
 
 そんな声が聞こえた。いや、野々野足軽の耳には……頭には確かにその声が聞こえた。けどその声は曖昧だ。どこにいるのかわかんない。
 
「誰だ? どこにいる?」
 
 そういう野々野足軽。けどその声は穴の向こう側でいってた。これでは聞こえるはずはない……というか、穴の内側では発することなんてできない。そもそもが振動……というものが起きるのかもわかんない。
 確かに風は入ってる。けどそれが満ちてるのかはわかんない。だって野々野足軽の力だってこの穴の向こうを満たすことはできてない。
 まあいつからこれがここにあるかわかんないが、ずっと風を吸い続けてたら溜まっててもおかしくないが……そもそもがこの渦が更に別の所に続いてたとしてたら? 
 そうなるとこの穴の中が満ちる……なんて事はないだろう。
 
「どうやってこの声の主に伝えたらいいんだ?」
 
 そんなことを考える野々野足軽。声……としては無理だ。ならやっぱりこの存在がやってることと同じ様なことをするしかない。つまりは意思を直接ぶつけるってあれである。
 それにそれはアース相手にいつもやってることでもある。でも問題はアースの場合はアースと言う存在にめがけられるということだ。けど今声を届けてる存在はどこにいるかなんてわかんない。
 ということはだ。力をこの穴の中で全方位に飛ばす必要がある。そしてそれで届くかどうかも実際の所はわかんない。なにせチャンネルが全く違う……とかだった? いや意思というものだから、実際これは全く言語とかわかんない存在にも『意思』として伝えるものだから、伝わるはずだけど……出来るかどうか? って奴は流石に野々野足軽にもわかんない。
 けどここで手をこまねいてても何も進展はしない。なにせこのままではこの空間が何なのか全くわからない。
 
(でもいくら力を飛ばしても渦に飲まれてみちることはないからな……届く……のか?)
 
 それがわかんない。けどとりあえず野々野足軽はやってみることにした。考えるよりもますは行動をする……そういうときだって大事だろう。
 
(聞こえるか? 聞こえるなら、返事をしてくれ)
 
 そんな風に何回も何回も意思として、この黒い穴の先の空間で飛ばす。とりあえず出し惜しみなんてしてても意味ないし、最初から全力全開だ。すると……
 
『きゃあああああああああああああ!?』
 
 ――とかいう悲鳴のような意思が野々野足軽の頭を打ってきた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1001

2024-01-15 17:16:17 | 日記
 決着はあっけないものだった。俺たちにとってははるか上の……それこそ届きそうになかったような存在。それがあの教会のやつにはあった。まさに絶望といっていい。それだけの差を感じたんだ。
 けど……勇者は全然そんな事はなかったようだ。教会のやつのどれだけ凶悪な魔法だって、勇者はそれを正面から打ち破ってしまってた。だからだろう……最後にはあいつはこんなことを叫んでた。
 
「なんでなんでなんでだあああああああああああああ!! なんなんだああああああ貴様はあああああああああ!!」
 
 
 ――とね。まあけど、あんなおかしな存在を相手にしないといけなくなったら、きっと俺だって叫んでるだろう。「こんなのおかしい!!」ってね。それだけ勇者という存在は異常だった。間違いない。
 俺も軽く勇者に突っかかったことがあった。けどこれからはそんな事はできないだろう。あれもただ完全に勇者が許してたから、俺はまだ生きてるんだ――というのがわかる。その気になれば、勇者は指一本で俺を殺すことなんて簡単だろう。
 同じ様に生きてるだけで実は色々と我慢してるんじゃないか? と思えるほどに隔絶してる。それだけの差を見せつけられた。なにせ……だ。なにせ終わった戦いの只中で、そこには教会の奴の姿はどこにもなかった。
 死体が転がってる……なんて事がないんだ。
 
 最後の最後、何も通じないとわかった教会の奴は、そこで大人しく諦める……なんて殊勝なやつじゃないのはわかりきってた。なにせあいつは教会に属してるだけの狂人だったからだ。戦闘の中でそれはをまじまじと見せつけてた。
 周囲を巻き込んでも構わない……そんな戦い方をしてた。けど結果的にはそれは叶うことはなかった。なぜなら、俺たちに施してくれた守りの魔法……それを同じ様に勇者はどうやら周囲に張ってたみたいだ。その御蔭で俺たちはごく狭い範囲で戦ってたってたことだ。そもそも路地だったしな。まあ戦ってたのは勇者一人だった訳だが。
 でも避けるスペースもなかった訳で……なにせ相手の魔法は範囲に作用してた。普通なら狭い範囲で戦うなんてのは不利になるはずだった。
 けどそんなの勇者には不利にもなることでもなかったみたいだ。あいつはただ正面から歩いてむかって、そして打ち破ってしまった。
 
 最後の一閃。それはただの一閃じゃなかった。切った後もその剣線は残り続けたし、あれはまるで……そう――
 
(切ったのは教会のやつじゃなかったような……)
 
 ――なにせ切られてからの最後が明らかに切られたやつがするリアクションじゃなかった。確実に剣閃は奴を一刀してた。それはそこに残ってた金色の剣閃からも明らかだった。でも血が溢れる……なんてこともなく、あいつは――
 
「はは、なんだこれ! なんだ……これはああああああああああああああ!?」
 
――といって、その黄金の剣閃へと吸い込まれるようにきえていった。そしてそこには勇者と俺たちしか残らなかったんだ。そして遠くから聞こえてくる喧騒。まるで全てはなかったかのような……そんな光景だけが残ってた。