UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 353P

2024-01-02 23:14:09 | 日記
「これは……」
 
 野々野足軽には今、沢山の情報があふれてきてた。ただ石をサイコキネシスで操ってそのやり方をちょっと変えただけだった。すると石が爆散して、なぜか風が増えた。
 それをまとっただけだ。簡単にいうと。どういうことなのか実際野々野足軽だってわかってない――わかって――
 
「そういう事か……」
 
 どうやら野々野足軽の全能感はただの感覚とかじゃないらしい。どうやら風の子を真似てやった力の循環。それは風を増やせるらしい。風の子は常に風を増やすことで自由自在に飛んでるってことみたいだ。でも勝手に風をふやすっていいのか? とも野々野足軽は思った。なにせ風って大気の移動みたいな? 低気圧が高気圧に流れる現象というか……まあけど時々つむじ風とかがそこらへんでくるくるやってることがある。
 
 まああれは、建物にぶつかった風とかが乱れてなってたり……するんだと思ってた。でもどうやらあれは不完全な風の増殖……みたいな現象らしい。それを今、意図的に野々野足軽はやってる。小石が砕け散ったのは、どうやら増殖した風に小石がたえられなくなったからみたいだ。
 ということはだ……
 
「これって風を増殖させ続けたら、俺も小石みたいになる?」
 
 ゾっとする野々野足軽。けど実際はそんなことにならない。風を増やして増やして使えば超スピードだせる……とか思ってやらなければ問題ないんだ。それにこれは自由自在に飛ぶための方法だ。つまりは常に消費され続ける風を増やし続けることで、常に同じように使えるってことみたいな? 毎回毎回そこらの風を掴んでそれを使う――ってなったら、その時だけしかその風は使えないし、消費したらまた風を集めないといけない。
 そして集めたとしても、その風はさっきの風とは違う。どうやら風は同じ風を掴む方がいいし、自分で生み出した風なら、さらに自由がきく。力が通しやすいというのだろうか? そんな感じと野々野足軽は感じてる。
 
『そうそれ!!』
 
 そんな風に風の子が言ってきた。どうやら同じようなことを出来たらしい。確かに……今の野々野足軽は自由に飛べてる。自分で生み出して、自分で増やした風はちょっとした移動で消費する。けどその都度、風を増やして補充する。それによって今までの飛ぶという感覚が野々野足軽の中で変わってる。
 それは『自由』――今までのやり方はもどかしかった。けど今は空さえも自由に闊歩できる範囲に入ったと野々野足軽は認識した。野々野足軽の世界が一つ今日、拡張されたのだ。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 992

2024-01-02 23:09:04 | 日記
 俺は自分で状況をなんとか分析する。どうやらさっきまでの真っ黒い空間……あれはきっと『魔法』だ。そうじゃないと説明がつかない。
 そして本当ならあの空間で焼き殺されつつ、現実でも俺は焼き殺されるはずだったんじゃないだろうか? だから本当ならあの空間がただの魔法で作られた幻覚とか気づくこともなく俺は地獄へと落ちるところだった……ということだ。
 けどこの女のお陰で俺はなんとか戻ってくることができた。間一髪……まさにそんな状況だっただろう。泣いてる場合じゃない。
 
 まっすぐに伸びる路地、その先には教会の刺客なんだろう。ひょろっとしたやつがいた。そいつはなにか本を開いてる。本なんて貴重な物は教会や権力者くらいしかもってない。それか豪商……でも俺の親父もほんの数冊。だいたいのことは口伝でつたわってるのがこの世界だ。
 そんな世界で本なんてこれみよがしに広げて……
 
(あれを売れば一財産……いや、そもそもが市中では価値なんてない……か)
 
 生きていくためには金が必要だ。でも貴重だからってあの本が売れるかというと……なかなかに厳しいだろう。それに……あの本を手にいれるかよりも、それよりも勝てるかどうかの方が大切だろう。
 向こうは完璧に殺す気だ。そしてこっちだって慈悲なんてない。やられたらやり返す。その選択肢しか無いんだ。でもここは狭い。そして距離がそこそこある。やつの攻撃があの空間で見た炎だとした……やばい。なにせあの空間は広かったから避けやすかった。でもここは一方向にしか避けられない。こうなったら……
 
「いくぞ。炎に触れたとしても気にするな。焼ける前に切れ!!」
 
 そんな気合論を言ってくる女。彼女の駆け出した後ろについて俺も走る。そうするかしかなかったからだ。本当ならここで逃げたかった。そうしてもいいかな? と一瞬思った。けど……それをやらなかったのは、この女を気にかけてるからだ。実際好みではまったくない。なのに俺はこいつにこだわってる。
 その心はよくわかってないが、こいつには負けられないのだ。だから俺も走った。前の女が炎を切れば、俺も切る。同じように動いてるはずなのに結局の所は追いつけなんてしないし、なんと目の前の女は壁を走り出した。それが人にできる動きか!? と言いたい。
 でも確かに俺よりも前にいたあの女にはより多くの炎が襲いかかっていただろう。なにせ狭いんだ。俺はあの女に当たらなくて、そして通り抜けてきた炎を切るだけでよかった。ようは楽してた……といっていい。けどそんな女が壁走りなんてしたらどうなるか? 眼の前にいなくなったから、壁走りする女に対応するために、今までよりも高くに行く炎もある。けど全然さっきよりも多くこっちにもそのままくるようになってしまった。
 けど切れない量じゃない。なにせ結局は二人に振ってるからだ。これならギリギリいける!! 俺はそう思った。そしてきっとあの女も。
 女は壁を発して強引に斬りかかる。けどその時、俺は思い出した。このとんでくる炎はブラフなんだってことを。
 
「直接炎が来るぞ!!」
 
 そんな風に叫んだ。けど一瞬遅かった。眼の前で女の身体がいきなり発火するように燃えだした。