UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 374P

2024-01-31 23:54:05 | 日記
 いくらゴブリンがいいと野々野足軽が思ったとしてもそれを世界が受け入れて、ドラゴンからゴブリンにしてくれる……なんて配慮はないし、それをしたかったらそれこそ野々野足軽が『力』でもって現実というリアルを書き換える……とかしないといけない。
 でも……もちろんだけど、流石にそんな力は野々野足軽はない。だから覚悟を決めるしかない。実際、なんか出てきそうだが、あのドラゴンがあの穴から出てこれるのかはわからない。だから放っておいてももしかしたらいいかもしれない。
 
(なにせ今はモンハンでいうと激昂状態みたいなものだよな……)
 
 ――と野々野足軽は考える。そうなると攻撃力も上がって、そして暴れまくってとても危険なのだ。その時に近づいて攻撃するんじゃなく、落ち着くまで待ってる――というのも戦略としては正しい。まあけど……
 
ドン! ドン!
 
 ――と響く音が野々野足軽を焦らせる。それにそのたびに穴の周囲の空間にはヒビが広がるのだ。人間ならそれこそ怒りは数秒間しか続かない……とか聞いたことがある野々野足軽である。
 でも相手はドラゴンである。その内その怒りが落ち着く……かは正直分からない。それに風の少女が絶望の果てにあの姿になったのだ。絶望の果ての怒りが果たして落ち着くのか? とか野々野足軽にはわかんない。
 だって野々野足軽が聞いたことある怒りの話はそれこそ日常での怒りの事だと思う。日常のちょっとしたことで怒りを覚えたとき……どうそれを落ち着かせるか……とかの事。けど絶望からの怒りは日常で芽生える比じゃない筈。今回のドラゴンは怒りの深さ? とかがきっと違う。待っててもこの激昂状態が落ち着くのかはわかんない。下手に待ってて、もしもこっちの空間にあのドラゴンがやってきたら……
 
(そんなことになった世間が絶対に混乱するだろうな)
 
 結構上空にいるといっても、今の世の中誰もがその手にカメラを持っているといっていい。そう、スマホである。日夜メーカーが研鑽して切磋琢磨の果てにスマホのカメラは進化してる。それに今の地球にはそれこそどこにだって人がいるだろう。どこで誰に見られてるかなんてわからないのだ。
 こっちの空間に来させるわけにはいかない……と野々野足軽は思う。あのドラゴンが野々野足軽を追ってこようとしてるのなら、再び野々野足軽があの穴の向こうに現れることでそっちにドラゴンの気を誘うことができるだろう。
 
 けど……
 
(またあの穴に手を……)
 
 手が痛む……復活してるが、嚙みちぎられた手の感覚はいまだにある。野々野足軽の再生した手はまだうまく動かせない。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1012

2024-01-31 03:52:17 | 日記
 俺は色々とした心の内、それこそ怒りや不満……そして恐怖……そんなものを拳に乗せて打ち出した。すると、今までにない力を感じた。そしてそれは思った通りの結果を生み出す。アリ型の砂獣を再び拳で吹っ飛ばすことができた。
 けどまだまだ砂獣はいる。これを確信に変えるために、俺は更に砂獣に向かう。
 
「しねええええええええええええええええ!!」
「おらあああああああああああああああ!!」
 
 
 と叫んで、俺はこれまでの恨みを砂獣にぶつけていく。そんなことをやってると、背筋にゾクッと悪寒が走る。俺はとっさによける。するとそこに鋭い鎌が降ってきた。不覚刺さる鎌。こいつは……
 
「お前か!!」
 
 それはさっき彼女を殺した砂獣だ。同じタイプの砂獣なのか、全く同じやつなのかはわかんないが、そんなのは関係ない。沢山の味方達がこいつの鎌にはやられてる。その鋭い鎌は下手に受けると武器事切られてしまう。確かに聖女・ミレナパウスは滅茶苦茶な回復魔法で片っ端から味方を回復しまくってるが、けどそれでも武器は治せない。これは困ることだ。
 なにせ武器を余分に持ってきてる奴はいない。余分にはあるかもしれないが、それを取りに行く……となると、戦場が手薄になってしまう。今だって何とか持ってる状態だ。それこそいくらやられても、何回だって回復出来るから、前線を保ってられてるといっていい。
 砂獣も強くなって一撃で葬ることは出来なくなってる。けどこっちも怪我を気にしなくてもよくなったからなんとか保ててる均衡。それがくずれるかもしれない。誰しもが拳だけで戦える訳じゃない。殴ればいいじゃん……なんて言えない。普通はそれでダメージなんてでない。いくら俺たちの体が頑丈だといっても砂獣も強化されているんだ。
 そして今の砂獣達はほぼすべてが強化個体といっていい。普通はそんな砂獣を殴ったらさっきの俺のようにこっちがポキっとなる。当然だ。いくら硬くても、拳よりも砂獣の甲殻の方が硬いのだ。
 
 じゃあなぜ俺は……となるが、それはもうよくわからん。なぜかわかんないが、俺は拳に変な力を乗せてるみたいだ。一回死んだことがなにか関係があるのか? わからない。でも不思議と体の内側の感覚が深くなってる……ような気はする。そこら辺の変化を彼女は気づいてるのか? それとも俺だけなのか……とりあえず聖女・ミレナパウスはどうするんだろうか? あいつはこの戦場から戦力が欠けるのを嫌ってた。だから俺にあれだけの圧力をかけてた。
 
「ほっ!」
 
 俺は横なぎに来た鎌をよける。二本の鎌をものすごいスピードが振り回す鎌の砂獣。アリの砂獣とは戦闘力が圧倒的に違うその動きに俺は傷を増やしていく。けどその傷も勝手に治っていく。とりあえず後ろに武器を取りに行くにしても、そのままここにいるにしても、落ち着く時間って奴は必要だろう。なにせ武器が無くなったら、混乱するものだ。
 困った時には周囲の皆が助けてくれたんだ。なら、俺だってそのくらいはしてやるべきだろう。俺は口を意識する。いや喉かもしれない。そこに力を込めてこういった。
 
「こい!! クソ野郎ども!!」
 
 ――ってね。それは戦場の至る所まで響き渡るような……そんな人の声量を超えたような声だった。俺自身も驚いた。