Organic Life Circle

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回転食のすすめ

2006年02月18日 | 健 康


アレルギーや過敏性の傾向があると気づいたら、免疫を上げるように心がけることが大切です。様々な方法の中から、今回は食べ物にアレルギーがある場合の対処法で、アレルギーの無い人も利用できる回転食についてお話ししましょう。

まず「アレルギー、敏感性のある食物を摂取し続けると、免疫が落ち、症状が更に悪化する」ということを思い出してください。アレルゲン(アレルギーを起こす原因物質)を摂取しなければよいのですが、アレルギーが進んでくると、1、2種類のものだけに反応することは稀で、毎日食べる物の多数にアレルギーを起こすケースが大半です。

アレルギーが少ないうちに回転食を始めると、症状が軽減され、アレルギー体質そのものが改善されてきます。いずれにしてもアレルギーに対処するためには、何に反応するかを知ることが第一歩です。調べてみると、こんな物にアレルギーがあったのかと驚くような当たり前の食べ物に反応しているものです。それを知り、目標を確実に設定すると望む結果が生み出せます。

回転食とは、「摂取した食物の影響が体から完全に出ていくのに4日間かかる」という事実を利用して、アレルゲンの摂取を止める代わりに、4日以上空けて摂取する方法です。

4日空けて食べると、体は一番激しい反応を示すので、アレルゲンだと疑っている食物を調べるためにも効果的です。あまり反応が大きい場合は、5日空けて食べたりと工夫します。この食べ方によって一生食べてはいけない等のストレスがなくなり、食を楽しむことができます。

アレルギーがひどい場合には、かなり真剣にやる必要がありますが、状況が改善されたり、それほどひどくない場合には、心理的に負担がかからないように「適当」にやることが肝心です。

アレルギーのない人も、この汚染の時代に生きることで免疫が落ちています。毎年、花粉症は増えるばかり。アレルギーの仕組を理解し、免疫を上げることを実践すると、アレルギー体質になることを予防できます。


<回転食の実践>

穀物、蛋白質、野菜、油など食品をグル―プ分けし、アレルギー、敏感性のあるグループの食品を4種類以上書き出し、4日以上空くようにして回転させながら食べていきます。組み合わせは、料理のレパートリーによって創造性をフルに生かし、楽しみながら決めてください。コツは楽しみながらやるということです。

*穀物

1. 米(白米、玄米)
2. 小麦(精製、全粒、パン、パスタ、うどん、ラーメン)
3. ヒエ、アワ系(Millet)
4. そば(全蕎麦以外は小麦が入っているので蕎麦の実を利用)
5. アマランス
6. スペルト spelt 、カムート小麦 kamut

*蛋白質

1. 鳥系(鶏肉、ターキー)
2. 牛肉
3. 豚肉
4. 卵
5. 大豆(豆腐、納豆、醤油、味噌、枝豆)
6. その他の豆類

*野菜

葉っぱ系の野菜には、ほとんどの人がアレルギーを持たないので回さなくてOKですが、トマト、ナス、きゅうりは同系、ジャガイモ、コーン、ピーナッツには反応する人が多いので、回す必要があります。

*果物

1. バナナ
2. りんご
3. 柑橘系
4. 梨

*油

大豆油、コーン油などは反応する人がありますので、普段食べない油を取るようにします。加熱して酸化した油は誰にとっても毒となるので最低限に。基本的には、コールド・プレスの油を加熱しないで食するのが基本です。無水調理のあとに油で和えたりして熱を加えないようにし、加熱する油は最小限にします。サラダや煮物、和え物が便利です。


<具体的な食事方法>

例えば、Aさんは、米、大豆、卵、トマト、きゅうりにアレルギーがあるとします。アレルゲンは、1日に複数摂らないようにします。

1日目:米、鶏肉、レタス、大根、ごま油、カノラ油
2日目:小麦、牛肉、卵、かぼちゃ、小松菜、コーン油
3日目:ヒエ、アワ、豚肉、トマト、きゅうり、ナス
   (これらは同種なので例外)、レタス、オリーブ油
4日目:ソバ、豆腐、納豆、味噌、醤油、ブロッコリー、ねぎ、ゴマ油

このように、1日中、これを手がかりに食事をします。私達の体は、量ではなく質に反応しますので、たとえ調味料のような少量でも摂らないようにします。これをしばらく続けるとアレルギー症状が軽減されてきます。数ヶ月続けると、数日続けてお米を食べても、反応しなくなります。

一人一人の体がユニークで異なるため、様子を見ながら続けることが大切です。アレルゲンを続けて摂取していたために免疫が落ちていた体が、アレルゲンを回転させることにより、体が受けるストレスが減り、免疫が上がり、入ってくる食品に対する抵抗力ができるのです。

ミルク・卵・大豆は、ソーセージやハム、パン、インスタント食品などに隠されて、至るところに使用されています。大豆のチーズの中に含まれているカゼインというタンパク質は、ミルクから精製されたもので見落としがちです。

アレルギーを考える人は、内容物の欄をいつも見ることになりますが、そういう目で見ると健康的な食品がとても少なく、いったい私達は何を食べさせられているのかと、悲しい気持ちになります。MSG=味の素は、ナチュラル・フレーバリングという形で入っています。

(はるこ・フィリップ)


オーガニック・ライフ・サークル会報
2002年4・5月号(No.45)掲載

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