Organic Life Circle

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健康大楽 乾布摩擦のすすめ

2006年03月04日 | 健 康


2005年になりました。ついこの間ミレニアムだY2Kだと盛り上がっていたら、もう5年も経っています。「時が経つのは早いわねー」などといえば他人事のようですが、それって「歳をとるのも早い」ってことだと気付き、ぞっとしています。

個人差はあるものの、一般的に加齢とともに体の各器官は衰えます。「衰える」というとちょっと悲しくなってきますが、事実、体力・筋力・記憶力などは10代、20代の頃と比べて衰え、抵抗力や免疫機能なども低下し、健康を害することも増えてきます。しかし一方で、歳を重ねるにつれ、健康体を維持するための工夫や知恵とそれらを継続する根気が身に付き、何歳になっても元気溌剌で楽しく暮らしている人も大勢います。年末は健康のありがたさに感謝し、年初は手を合わせて「今年も健康でありますように。」と願うほど、我々は常に健康に気をつけています。

やっぱり健康が一番!「健康で大いに楽しもう」という気持ちから、タイトルを「健康大楽」にしました。「大学」ではないので、どなたでもご参加ください。普段実践している操体法や気功、さらにその季節に応じた健康情報を紹介し、会員の皆様の一助になれたらと思っています。

<乾布摩擦のすすめ>

風邪の季節が続いています。朝起きたとき、くしゃみや鼻水が止まらず、ティッシュの箱をすぐに使いきってしまうようなアレルギー性鼻炎の方、風邪をひきやすい人、冷え性の人は、一度「乾布摩擦」を試してみてください。

私自身、小学校の時から鼻炎で毎週耳鼻科通いをしていましたが、大学受験の時(もう20年前ですが)に毎朝乾布摩擦をするようになり、朝のくしゃみや、鼻水がほとんど出なくなり、風邪もひかなくなりました。その後もちゃんと乾布摩擦を実行している年は風邪をひかず、油断してやらなかった年はよく鼻がむずむずしたりします。

今は、朝くしゃみ3回後鼻水だらだらの娘を見て、遺伝のすごさを実感しながら、毎朝彼女にも乾布摩擦をしています。秋口から続けて約2ヶ月、まだ風邪をひいておらず、朝のティッシュ消費量も減ってきました。また、子供は擦られることが気持ちよいようで、うちの子は二人とも「かんぷ、かんぷ」といいながら喜んで順番がくるのを待っています。

我々の体は鼻や口で息をする以外にも、全身で皮膚呼吸を行っているので、アレルギーのもととなるダニ、ほこり、カビ、花粉などの微生物は皮膚からも体に影響を及ぼします。また、皮膚は体温調節のために非常に大切な器官で、皮膚が寒さに敏感だと、反射的に上気道(鼻や喉など)粘膜の血管を収縮させ、血行不良、分泌低下、体温低下などにより免疫力低下を招き、ウィルス侵入・増殖に好条件をつくってしまいます。

乾布摩擦で皮膚を丈夫にすると、全身の血行がよくなり、新陳代謝を活発にし、寒さに対する抵抗力がつき、その結果免疫力がアップします。さらに、摩擦により知覚神経や運動神経に刺激が与えられるので、筋肉の硬直を防いだり、老廃物の排出を盛んにしたりするなど、多くの効果があります。

アレルギー症状を根治させるというものではありませんが、大切な体を包んで守ってくれている皮膚を丈夫にし、体質改善することで多くの病気が予防できます。春先に花粉症でつらい方も、今から始めていると少しでも症状が軽減すると思いますので、気長に根気よく続けてみてください。


<乾布摩擦の方法>

用意するもの:大きめのタオル、またはバスタオル(清潔なもの)

◯ いきなり真っ裸になると寒いし、家の人がビックリします。
  冬の間は上半身と下半身を分けてやりましょう。
◯ 服を脱いで一瞬鳥肌が立っても、タオルで擦っていると
  すぐに鳥肌も消えて暖まってきます。
◯ 上下、W字、円を描くなど、いろんな擦り方で皮膚に刺激を与えます。
◯ 一カ所を集中的にするのではなく、全身まんべんなく、やや強めに擦ります。


<回数の目安やコツ>

◯ まず上半身、顔や首、腕、胸、おなか、背中など、
  それぞれ10~20回擦り、ひととおり擦って暖まったら服を着て、
  次にズボンを脱いで太股やお尻、ふくらはぎとすねをそれぞれ10~20回擦ります。
  足は椅子や床に座ってやると楽にできます。
◯ 時間は上半身2~3分、下半身1~2分。
  服の脱ぎ着を合わせても、全身5~6分あれば充分できます。
◯ 寒さを感じる箇所があれば多めにやります。
◯ 寒い場所でやらず、ストーブの前でやってもかまいません。
◯ 朝、目覚めてから着替える時にするのが効果的ですが、
  冷え性の方は寝る前にすると体が温まり、寝付きがよくなります。
◯ 小さなお子さんは体をバスタオルで包み込むようにして、片手で体を押さえ、
  もう片方の手で乾布摩擦すると体がふらつかず、しっかり擦れます。


<注意事項>

◯ 化繊や麻は刺激が強すぎ、皮膚を傷つけるので、綿のタオルで行ってください。
◯ 皮膚に炎症がある場合、その箇所は避け、
  周囲から軽く撫でるように、徐々に丈夫にしていってください。


実は私、長い間「寒風」摩擦とばかり思っていました。テレビで幼稚園児が寒々とした冬空の下、上半身裸で体操している映像が心に残っているせいだと思います。外気の温度変化に対して裸足や薄着をすることで皮膚の抵抗力が増すそうですが、どうぞ寒風は避け、「乾布」摩擦で風邪を「完封」してくださいませ。

(文・イラスト:曽 秀峰)

<参 考>
 病気にならない健康摩擦(神戸新聞出版センター/三浦八州男)
 風邪をひかないくらしの知恵(労働旬報社/高橋昭雄)
 知っておきたい皮膚の健康学(山海堂/五十棲健)


オーガニック・ライフ・サークル会報
2005年1月・2月号(no.61)掲載

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