Organic Life Circle

      食・農・暮らし・環境をテーマに、カナダのバンクーバーから情報発信中♪

アレルギーを学ぼう

2006年02月18日 | 健 康


<原因が特定しにくいアレルギー>

日本では、子供の6人に1人が何らかのアレルギーを持つと報告され、アレルギーというものが当たり前の時代となりました。子供が以前通っていたロサンジェルスの幼稚園のスナックは、子供達のアレルギー・リストを参考に慎重に選ばれていました。多くの子供達が乳製品にアレルギーがあり、そして卵、コーン、小麦粉などと続いていました。ここバンクーバーの幼稚園でも同じことが起こっています。

アレルギーは、体が極度に弱っている時や心理的なストレスが強い時に、たくさんの量を与えられた物に出る傾向があり、そのため普段よく食べる物、当たり前の環境にアレルギーを起こすケースが多いのです。日本人は、米、小麦粉、大豆などに、西洋人はミルク、小麦粉などに出やすい傾向があります。

原因物質は食物だけに留まらず、ほこり、花粉、ダニ、化学繊維、ホルムアルデヒト(新しい布地、家具などに使われている防虫剤)、化学薬品、シャンプーの成分、香料、太陽光線、電磁波、寒さ、熱さなどにもアレルギーが出ます。

アレルギーの原因物質を摂取し続けたり、その環境に居続けると、更に免疫が弱り、症状がひどくなっていきます。免疫機能の低下によって、あらゆる物に反応し始めるという体質になり、アレルギーを引き起こす物質を特定するのは非常に難しくなります。


<見逃しがちなアレルギー症状>

アレルギー反応は人によって異なり、皮膚炎、喘息、情緒不安定、痛み、心臓発作、てんかん、窒息など、命に関わるような症状もあります。信頼する中国医学の医師によれば、腸、肺が弱い人がアレルギーを引き起こすのだそうです。

ところが、現代医学では、症状の出ているところを治そうとする対症療法が取られているため、残念ながら本来弱っているところには目が向けられていません。アレルギーと賢く付き合うためには、私達全体の健康を見直し改める必要があります。それには、食事、環境、ストレス、考え方の転換が大きな位置を占めます。

現代の人間は、子供でさえストレスにさらされ、汚染された環境にいます。実は、私達の大部分が前アレルギー状態なのです。症状がマイルドでアレルギーになる前の過敏というレベルです。

例えば、中華料理を食べると極度に眠くなる、ショッピング・センター、家具屋などに行くと非常に疲れを感じる、ベッドに横になった瞬間から鼻がグスグスする、太陽の下に長く居ることが苦痛、体の中に原因不明の痛いところがあるなどは、すべてアレルギーの軽症状と言えるのです。


<免疫機能のバランスがすべての鍵>

一度かかった風邪にはかからないようにするのが、保護機能として体に備わっている免疫系統です。アレルギーとは、この免疫機能の混乱です。米で例えれば、体が米をアレルギー原因物質と捉えた瞬間から、それを排除しようと活動し始め、それがアレルギー反応となります。

何らかの理由で免疫が下がっている時に、たまたまたくさん摂取していた物を体が敵とみなしプログラムするのです。一度プログラムされると、同じ物が体内に入って来る度に反応します。これをプログラムし直す確実な方法は、まだ見つかっていません。

しかし興味深いことに、どんなにアレルギーがあっても、その個体の免疫が上がっている時には、その反応が出にくいという事実があります。これを総合して考えていくと、アレルギー体質でも、ともかく免疫を下げるようなことを極力避け、免疫が上がるようなことを積極的に取り入れていれば、アレルギー症状を経験しなくて済む、ということになります。

全てはバランスで成り立っているので、免疫が落ちている状態に陥っている時は、そのバランスをとり戻すために、かなり努力が必要ですが、免疫が上がり、バランスが取れている状態になると、多少アレルギーの出る環境、食べ物に接しても反応が出ません。そして、その状態が長く続くと、免疫系統のプログラム自体が改善されていく傾向にあるのです。

ですからゴールは、バランスのとれた状態まで免疫を上げるために何を取り入れ、何を削除するかを徹底的に行うこと、それが個人としてのチャレンジとなります。物事には必ず原因があって、結果があるということを考えながら取り組んでいくことです。


<原因物質を特定する方法は?>

アレルギーの検査は様々です。現代医学では、原因物質を皮下注射し反応を見るパッチテストや血液検査などが行なわれていますが、たくさんの物を一度に検査することができず、お金もかかり、大抵はミルク、卵、米、小麦など一般的な物だけを調べ、結局本当は何にアレルギーがあるのか、なかなか解らないという結果になりがちです。 

西洋の代替医療の現場では、ラジオニクス(各種商品名は違いますが)という、波動を測定する機械が使われ、50種類くらいのアレルゲン(アレルギーの原因物質)を30分程で検査することができます。

これは、現代医学では未だ認められていない第2規格医学機器で、測定する人のエネルギーが関与するという不思議な機械です。しかし、私の経験によれば、かなり正確にアレルゲンを探し当てることができ、これを頼りに免疫を上げるメニューを作ることができます。


<子供に引き継がれるアレルギー体質>

体内に蓄積している重金属によって免疫が低下し、アレルギー体質になる場合もあります。生まれる時に子供は、母親の体内にある重金属の約50%を受け継ぎます。ですから2番目の子供は約25%を、3番目の子供は約12.5%を受け継ぎ、つまり母親にとっては3人子供を生めば重金属は元の8分の1になり、出産そのものが解毒となりますが、子供にはかなりの確率で影響が出ます。

男性にはこのような解毒の機会はありません。重金属は普通の解毒では、体から排出することができず、特殊な解毒方法、キーレーションなどを用いることになります。重金属は、現代は魚からも多く検出されるので、魚は体に良いといわれた時代は終わり、今は時々なら食べても良いものとなりました。

妹が5才の頃から重度のアトピー性皮膚炎を患い、私自身も妊娠をきっかけに花粉症、アレルギーを経験、自らのアレルギー体質を発見しました。本を読んで学び、たくさんの療法を渡り歩いた経験の中から、私が理解したことや発見の数々をこれからも皆さんと共有したいと思います。

(フィリップはるこ)


オーガニック・ライフ・サークル会報
2002年2・3月号(No.44)掲載

最新の画像もっと見る