goo blog サービス終了のお知らせ 

Orange Fields

南カリフォルニアのOrange Countyに住む30代。日々の生活で見つけた発見や幸せをお届けします。

マリス・ヤンソンス指揮、バイエルン交響楽団の名演

2012-12-10 | Classical Music
11/27。マリス・ヤンソンス指揮、バイエルン交響楽団によるベートーヴェン交響曲1,2,5番の演奏会に行ってきました。
今回はベートーヴェン・ツィクリスといってベートーヴェンの交響曲1番から9番すべてを、数回の公演に分けて演奏するという企画でした。本国より合唱団も引き連れてやってくるという9番が一番の見ものだったようですが、(横浜の35,000円席以外の)チケットはすでに完売。10月の時点でまだ予約のできた11/27公演へ行くことになりました。

1番。小編成の演奏。
始めて作った交響曲という感じの小規模な曲で、まだ演奏会自体がどんなものなのか分りませんでしたが、2番になると演奏する人の数も増え、またヤンソンスの指揮が素晴らしく、見事な演奏になりました。
正直言うとバイエルン交響楽団自体は期待していたほどでもなく、若干ミスもありましたし、音も少々雑に聞こえました。もしかしたら座席が悪かったせいかもしれません。(いつもは安いチケットをとるので2階席なんだけど、今回は安い席がすでに完売していたのでA席というおそらく中途半端なチケットで1階席後方だった。)
しかし、そんなことをまったく気にさせないようなヤンソンスの指揮に脱帽。全体の構成力や緩急、強弱の切り替えが素晴らしく、非常にメリハリの利いた名演でした。2番でこの演奏なら5番はどうなるんだろう、そんな期待と不安の高まるまま、休憩をはさんで5番へ。

5番はコンサートでも何度か聴いているし、いわゆる名演といわれる録音も聴いています。
すこし遅めのテンポではじまった1楽章。う~ん、素晴らしい。
よく見ると指揮棒を使って振ることもあれば、オケが流れるような箇所では指揮棒を置いて、手で振ったりもしています。軽くジャンプするような個所もあって分りやすく見ていても楽しかったです。
苦悩から歓喜へという5番だけど、けっして情緒に流されることなく、あくまで形式を尊重しながら全体のバランスを綿密に計算したバランスと構成力に優れた演奏でした。

個人的な印象としてはバイエルン交響楽団の実力よりも、ヤンソンスの指揮力が勝っていたように思います。
2006年のニューイヤーコンサートのライブ放送を聴いて以来7年、やっと生演奏を聴きに行けました。それが期待以上のすばらしい公演たったのでしばらく興奮が冷めきりませんでした。

会場の熱狂ぶりもすごくて、行って良かったの一言につきます。
ただいくら演奏が良かったからといっても、指揮棒を下ろす前に拍手をしたり、ブラボーと叫んだりするのはやめて欲しい。音のない余韻も音楽の一部ですし、マナーは守って欲しいものです。

この演奏会は評論家の方々も(知る限りでは)そろって名演、と称えておりました。

会場でついついベートーヴェン交響曲全曲録音を買ってしまったので自宅で聴きましたが、やはり2番と5番の演奏が素晴らしい。
たまたま入手できたチケットの公演が、私にとっては一番行くべきコンサートだったのでしょう。
(ちなみにこのセット、会場では6500円で販売されていましたが、Amazonだと4500円になってました・・・。二度と会場でCDは買いません。)




ANAインターコンチネンタルの裏側にカラヤン広場とサントリーホールがあります。
ここでディナーをとってから演奏会に行ければ最高なんだけど、いつも駆け足で素通り。



イルミネーションできれいにライトアップされていました。



1年半ぶりの会場でした。