松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆公開政策討論会・両者出席となった(新城市)

2021-09-27 | 条例に基づく公開政策討論会
 公開政策討論会に白井さんも出席となった。公式ブログで書いているから本当なのだろう。

 これで、候補者揃っての公開政策討論会となり、一方が出席し、他方が欠席という変則にならないでよかった。この討論会は、全国の自治体関係者が注目している。初めての条例、初めての公開政策討論会が、無事にスタートできるのは何よりである。コロナ禍でリモートになったのは、残念であるが、仕方がない。公開政策討論会について、本を書き、大いにPRしてきた立場からは、最初から躓いてしまうと、面目がないというか、困ったなあと思っていたので、まずは、ほっとしている。

 とはいっても、最後まで、白井さんは不参加だと思っていた。白井さんとは,長い付き合いになるが、スジを通す性格で、それゆえ孤立無援でがんばっているときは応援したこともあるし、あるいは、意見がぶつかり合うこともあった。だから、正直、今でも、半信半疑である。

 前にも書いたが、公開政策討論会は、市民にまちの未来を考えてもらう機会のひとつで、政策討論を起こす仕組みのひとつである。完ぺきではないが、こうした積み重ねを一つひとつやっていくしかない。それにもかかわらず。白井さんは、強い調子で、公開政策討論会のボイコットを呼びかけている。「予定者の方には、これまでにお願いしたように、条例に基づく公開政策討論会ではなく、自らの努力で、市民への情報提供を進めて欲しいと思います」(4月26日)とまで、言い切っている。他人にまで、ボイコットを呼びかけているのだから、自分だけ出るということはないと思っていた。

 なぜ、考え方を変えたのだろう。葛藤もあったのだろうと思うが、でも、よく分からない。 

 今回、公開政策討論会の参加に当たり、長いブログを書いているが、書いてあるのは、白井さんが考える公開政策討論会の課題・問題点ばかりである。穂積さんが、公約を守っていないとも、対立候補の下江さんが、質問に回答しないから論争が深まらないとも書いている。「唯一の機会を避けるわけにはいかなくなり、参加を決めました」とも書いている。

 対立候補が質問に答えない、候補者同士の合意が難しいというのは、最初から分かり切ったことである。前回では、候補者が揃うまで、2か月も3か月もかかってしまった。膨大なエネルギーがかかった。注力すべきは、そこではないということで、苦労して、公開政策討論会条例をつくり、すぐにスタートできる仕組みをつくった。

 率直に言って、「何をいまさら」である。調整が難しいことを分かったうえで、「条例に基づく公開政策討論会ではなく、自らの努力で、市民への情報提供を進めて欲しい」と言ったのではなかったのか。

 申し訳ないが、読みながら、日本政府の政治リーダーを思い出した。「軽率だった、今後気を付ける」と言えばそれで終わるものを、無理な話を続けるものだから、人が死に、文書改ざんなど役所の信頼が揺らいだ。何よりも、国民の間に、静かに深く、政治不信を広げることになったと思う。その間、日本は、無駄な時間を使い、退歩を続け、コロナが起これば、後手後手になり、ワクチン開発もできず、日本が軽く見ていた国よりも、後れを取ることになった。あげくには自宅療養という名の自宅放置で、たくさんの人が亡くなった。もうこりごりである。

 白井さんが、考え方を変えた理由は、正確には、私にはわからないが、要するに、「ちょっと判断を誤った」のかもしれない。あるいは、「(本当はボイコットしたいが、代案がなく)背に腹は代えられない」かもしれない。それを真正面から言い、何よりも、ボイコットを呼びかけた他の人に、「ごめんね」とひとこと言えば、「そうなのか」で終わりである。関係の薄いことを長々と書いてある文章を読みながら、どんどん悲しくなってしまった。

 考えを変えた「理由(わけ)」は、公開政策討論会の意義に関わってくる(やっぱり、「この制度が有用だ」と考えたのなら、この制度の意義が高まる)。また公開政策討論会に関わった人の名誉にも関わることなので、ぜひとも聞きたいと思っているが、選挙も近づいてきたので、今は、新城市の未来に向けての議論に注力してもらったらいいと思う。その「理由(わけ)」は、選挙が終わり、白井さんが市長になったら市長室で、市長になれなかったら、コメダで、コーヒーを飲みながら、聞きたいと思う。

 ともかく、まずは、公開政策討論会が開かれ、その名にふさわしい充実した討論会になってほしいと思う。

 それから、公開政策討論会への参加の文章の中に、唐突に、私の「地方自治研究者、実践者」という肩書について、私が「実践者というのは疑問府がつく」という文章が入っている。勢い余ってのことだと思うが、失礼な話だし、何よりも、今、論じているのは、公開政策討論会のことなので、肩書の話をここに持ち出すことがおかしい。ここでも、日本の政治リーダーを思い出してしまった。
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