【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第56回
「結果自然成」(禅語)
「一華開五葉 結果自然成」(いっけごようをひらき けっかじねんになる)
という言葉が 由来だと言われています。
一つの花から五枚の花びらが開き、やがて自然に実になるように、
禅の初祖である達磨大師の教えが 末広がりに栄えていくことを予言した言葉だそうです。
禅はいくつかの流派なども生まれて日本でも禅は花開き、
日本文化にも沢山の影響を与えてきましたので、
この予言は現実のものとなっていると言っても過言ではないでしょう。
この言葉は、昨日ご縁がありました茶席で掛け軸にあった言葉でした。
言葉としては、聞いたことがありましたが、詳細は知らなかったので、
昨日はあえて頭で考えずに、その場、そこに集まられている方々、
天候などすべてを身体で感じていました。
自然の「自」という字は、自ら(みずから)と自ら(おのずから)という読み方があります。
今までの結果は、自分自身の活動による「みずから」の結果でもあり、
成果という見方もありますが、目に見えないご縁や導きによって、
みずからの意思を越えて「おのずから」その結果に至っているようにもとらえられます。
身体の臓器もまさに、そうですよね。心臓や肺、腸などお互いに助け合い、支え合って
有機的に働いてくれています。本当に奇跡ですし、有難いですよね。
それが、心臓が肺と常に比べて、俺の方が働いているからもっと褒めて欲しいとは
言わないですもんね(笑)
理想的には、身体の臓器のような働きや関係性が自分自身含めて、あらゆるところで
出来たら理想だなと思っています。
最近、感じることとしては、自分が自分がという気持ちや、
結果に対する執着を手放せば手放すほど、目に見えない「おのずから」の流れが
より発動するような感覚があります。
まさに、昨日は素晴らしい場所で、素晴らしい方々と、
素晴らしい時間を頂けたのも、本当に有難く存じます。
参考文献
『禅語の茶掛を読む辞典』 沖本克己 角田恵理子著 講談社