【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第53回
「太上は下之有るを知るのみ」(老子)
(たいじょうはしもこれあるをしるのみ)
本当に優秀なリーダーは、
組織内の下の人たちに自分の働きや実績を見せつけることはなく、
見えないところでやりやすい環境を整えていくことで、
縁の下の力持ちに徹すればいい 。
そして、ひとりひとりが「自分がここにいるから」という
当事者の意識がめばえてきて、それぞれの役割をみんなでやっている感覚になると、
一体感をもって楽しくできそうですよね。
お互いが「自分がこんなにやっているのに、なんでわかってくれないの?」という環境や
「自分は何も役に立ててない」と思うような人がいると、もったいないですよね。
今こそ、混沌としていろいろな面で先行きが見えない世の中になっています。
だからこそ、東洋思想の本質や原理原則に立ち返って、そこから世の中を見渡すと、
シンプルなヒントや答えが見つかるような気がしています。
皆さまと一緒にそのあたりを探っていければと思います。
参考文献
『老子 荘子』 新釈漢文大系 明治書院