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大泉ひろこ特別連載

大泉ひろこ特別連載です。

第二の性を生きる(19)ハゲ、デブ、チビ、メガネ

2015-04-05 08:51:07 | 社会問題

 伝聞だが、女に嫌われる男は、順番にハゲ、デブ、チビ、メガネなのだそうだ。筆者の世代では、「男は容姿ではない」の戦前の価値観がかろうじて残っていたが、1960年代から恋愛結婚が主流になり出すと、男の容姿が次第に重要になってきた。

 ハゲ等は個性で、その個性を活かしたキャラクターを演じて人気者になる場合が多かったと思うが、女性に選択される立場になると、男も悩むらしい。筆者世代は、そもそもこんな男性を揶揄した言い方は少なく、圧倒的に女性に向けられた揶揄の表現が多かった。「ブス、オールドミス、大根足、縁遠い、出尻鳩胸」等。

 イタリア女性はハゲが好きなのだそうだ。男らしさの象徴だから、と。現に、髪の毛の耳より上の部分は女性ホルモンでコントロールされているので、素人の知恵では、男性的な人はハゲになりやすいということになる。そもそも白人はハゲが多い。アジア人はハゲが少ない。インド人はアーリア人の末裔が多く、もともと白人系であるにも拘わらずハゲが少ない。アジアに身を置いているからか。これに関しては研究論文を読んだことはない。

 あるロシアに関する本で、ロシアのトップは髪がフサフサとハゲが交互に就いていると書かれていた。フサフサのスターリンの後はハゲのフルシチョフ、ハゲのゴルバチョフの後はフサフサのエリツィン、そのあとはハゲのプーチンというように。白人のハゲ率は50%か。日本の首相は、中曽根さんだけがバーコードで有名だったが、あとは概ね髪がある。今の安倍さんはあまりにもフサフサだ。これを見ても日本人のハゲは少ない。少数派だから、嫌われる原因になるのだろう。ハゲに悩む男性はイタリアに行けばいい、きれいなイタリア女性にもてて、見返してやったら?

 デブは、特に最近の健康ブームが作り出した人為的な嫌われ者だ。昔は「恰幅がいい」は褒め言葉だった。今は、デブ=病気ととらえられる。今のヤセ信仰ブームの中で、デブにとどまっている人の心の寛容さを褒めるべきではないか。そして、デブは、いつだってダイエットによって痩せることはできるのだから、「開発主義」より「自然主義」を選ぶイデオロギーの持ち主なのだろう。デブは自分の意志でやめることができる、だからデブはデブであることを選んだ「積極的選択」の人々なのだ。反論は予想がつくけれども。

 さて。チビ。これは遺伝だから、難しい。小さい男は男性集団では可愛がられるが、女性が男性を選ぶときに、本能的に守られたいという欲望があり、敵に立ちふさがる男は自分より大きい必要がある。だから、どうしても背の高い男を選ぶ傾向がある。哺乳類はその名の通り子育てをするから、男の庇護を必要とする時期があり、大抵はオスの方が大きくできている。虫や魚はメスが大きくて、オスが小さいのとは対照的だ。アメリカでは、大統領になるには、背が高く、スポーツマンで、弁護士であることが条件だとか。幸い、日本では、現在のところ、政治家に適用されない。

 チビは頑張り屋が多い。背の小さい分、強くなろうとするのだろう。小さい男性は小さい女性と結婚するので、その家系はずっと小さいままだ。一時期、小児慢性疾患の小人症に使う成長ホルモンが小人症以外に使われていた疑いがあった。顔の整形が許されるなら、背丈の整形も許されていいような気もするが、遺伝子は変えられないので、子孫の背が高くなるわけではない。

 メガネは、効用もあり、不細工を隠す道具にもなる。反対に、メガネを取ると美男子なのに勿体ないと思われる場合もある。女性と異なり、コンタクトよりメガネを選ぶ男性は多い。しかし、女性に不評ならば、コンタクトを選べばいいだけの話だ。

 男よ、つまらぬことで悩むな。戦前ではないが、男は容姿ではない、をもう一度確立しよう。ただ、かつての日本男子というあまり好ましくない男性像に戻すのではなく、女性に優しく、しっかり家族を守る男が期待される社会を作るのが、日本再生のカギかもしれぬ。

 

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