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シーグラム

2009-05-12 02:30:38 | Weblog
先日、マーク・ロスコを見に千葉の川村記念美術館に行ってきました。
川村美術館自体初めてだったのですが、コレクションが凄く充実していてそれだけでも十分見に行く価値があるところだなあと思いました。大好きなジョゼフ・コーネルのコレクションが日本でほとんど唯一ぐらいにあるんです。コーネルは草間彌生と後生とっても仲が良かった人なんだけれど、とてもファンタジックな作風でまるで言葉のない絵本の様なのです。少しだけだったけれどそれも見られて満足。。あとはフランク・ステラ!大型作品がたくさん。カラフルーですパラレル。近現代の作品をまんべんなく集めてるところが凄い。バーネット・ニューマンの見せ方も本当に贅沢。そのために一部屋あるのです。もうこれは作品の持ってる力以上を発揮しちゃってると思います。しかも今回の目玉、マーク・ロスコのシーグラム絵画も所有しているのは川村とロンドンのテートとワシントンのナショナルギャラリーだけ。シーグラムってなんなのかしらと思っていたら、ニューヨークにあるビルの名前なのでした。そこにあるフォーシーズンっていう高級レストランの壁を飾るために作られた壁画なのですが、ロスコは内装が自分の絵にそぐわないと思い取りやめに。一部がテートに収蔵されることが決まってから彼は自殺してしまう。壁画は全部一緒に飾られて結実するものとして作られているから、いくつかまとまって飾らなければいけないというのが約束事としてあるのだそうです。そこでロスコが夢見たシーグラム壁画を一堂に会した展覧会が今回の企画なのです。展示はテートと川村だけ!

そういった経緯やテートとの直筆の手紙のやり取り等も展示されていてから、展示室へ。しかもレストランを想定していた絵ですから普通美術館で掛けられるよりも高めに設定されていて、調度見上げる感じになっている。これがまた良かった。
通り過ぎてしまえばなんてことないものかも知れないけれど、ずーっと見ているとワインレッド、オレンジの四角が迫ってくるようで。じわじわと、静かに燃えているような凄く深淵なものとして迫ってくるようでした。荘厳で目に焼き付きました。

ぜしぜしお勧めです。小旅行気分ですが見る価値は存分にありました。


ロスコの言葉 「絵画は奇跡を起こさなければいけない」