先日ア-トフェア東京2008にボランティアスタッフとして参加させてもらった。
ア-トフェア自身を見るのも初めて、ボランティアスタッフも初めてということで一体どんな感じなのだろうというところだったが、なかなか面白い経験をさせてもらったと思う。
東京のギャラリ-が主となり国内外の画廊108件が一堂に会す正にア-トの市場!
4~6までの一般公開期間の前日にはvip限定の日があってこの日は東京、もしくは日本中のア-ト関係者が集っていたといっても過言ではないかも知れない。
森美術館が協賛に入っていたというのもあり館長、理事長、学芸の方々かなりのメンツをお見かけした。各画廊とつながりのあるところを見ているとまさに社交場といった感じで「フェア初日!」という大変華やかな雰囲気だった。
108も画廊が参加しているため国際フォ-ラム会場の中はところせましに作品が並び、ふと通り過ごしてしまうものも多いのだがそのひとつひとつに目を向けてみると秀絶な物も多く、休憩時間に実に心癒された。
未だ若手の無名ア-ティストから大御所の作品が均質の並べてある。
そこは作品を鑑賞する美術館という場とは違い、作品を売るという目的で値段をつけて置かれているとなると流石に見方も変わってくる。
これにこの値段?
というのももちろん有名な画家の作品には様々な付加価値も加わりそれ相応の値段がつけられている。
ギャラリストと関係者の会話を盗み聞いてしまったが「ほとんどお得意さんにしか売らないよ」というところもあって、やはり狭い世界なのだなあと感じた。
ボランティアスタッフはまず大した予備知識もないまま配置につかされ探り探りという感じだったが出会ったばかりの人と協力して何かをするというのは心地の悪いものでなく接客一つにもそれぞれの個性が顕著に現れていて興味深かった。
ボランティアもなかなか良い待遇をしてもらい差し入れの高級お菓子は食べ放題だし、配布されるお弁当も帝国ホテルのもので食べ物には困らなかった。
ア-トフェアを作り上げてきたスタッフの方たちとも控え室も一緒だったので彼らが一年間準備をしてきたものが正に今開催されているという緊張感と高揚感もひしひし伝わってきて時には邪魔をしてはいけない感じもあったが裏側を覗いた気分だった。
最後のミ-ティングではボランティアスタッフのリ-ダ-と社長(ママ的な存在ですごい運がよさそうなまっきいろの着物を着ている)と涙の抱擁に思わずもらい泣きしそうになった。ちょっと感動した。
そして何よりギャラリスト、関係者のかっこいいことといったらなかった!
おじさまもばっちりス-ツで決めてたし、有名ギャラリ-のオ-ナ-は流石に風格があった。したっぱ風の若者もかなり雰囲気あったな~ただお洒落って言うんじゃなくて中から出ちゃってる感じでしたよもう。これは凄かったです。お客さんもおばさまでも全身ギャルソン!みたいな何それ 普通にいたらめちゃくちゃ目立ちますよていう格好の人たちがたくさんいて人間観察のしがいがあった。
帰りにメゾンエルメスに歩いてサラ・ジ-さんの個展を見に行こうとしたらボランティアで一緒だった元スチュワ-デスさんとリサ・ステッグマイヤ-みたいなハ-フの美人さん達に遭遇してなんと偶然にも一緒に鑑賞することとなった。
彼女達は良く普通にお買い物をするのにエルメスに来るらしい。
部屋に入ると ? という感じになんだか雑然と物が置いてあるように感じるが
実際近づいてよく見てみると非常に繊細な配置で計算されていることがわかる。
みかん、レシ-ト、紙、お弁当箱、マッチ、豆、カラ-チャ-ト、葉っぱ、植物、天井まで積み上げられた枕とシ-ツ・・・それらをつなげる紐たち
本当に踏んづけてしまいそうになった。
しばらく滞在して製作したという大きなインスタレ-ションは彼女が東京で興味を持ったと思われるさりげない日常品から成っておりまるで作者の感覚がその場に息づいているようだった。見れば見るほど配置に え!とかへえ~という感じに意外性があり見ていて全然飽きない。むしろ見れば見るほどに仕掛けや発見があってとても面白かった。是非他の作品も見てみたくなった。
一見大胆で乱雑な様に見えてよく見ると実に繊細。この対比が彼女の日常品の組み合わせをア-トにしているという感じだった。
一緒に見た元スチュワ-デスさんはとってもきれいで近寄りがたいかと思えば話してみると少女みたいに作品に反応していてとてもかわいらしい人だった。相当お金持ちのようだったけれど私のような学生にもとてもやさしくてこういう大人は実に素敵だなと思ってしまった。「かたまった笑顔でごめんなさい笑」なんて言っていたけどやっぱりすごい。スチュ-ワ-デスは職業病ですね。体に染み込んでいるみたいでした。
彼女は今まで会社のため、プロ意識といって働いてきたけれど初めてボランティアとして働いて考えが変わった 皆でより良くしていこうというのは新しかったと言っていたのが印象的。
と 色々感じることの多い春休み最後のイベントになって本当に良かった!
説明会では「思い出作り」なんて言われてピンと来なかったけど良い経験になりました。ありがとうございました。