今日は大変なことがありました。
というか毎日大変なことがあって楽しい笑。
もう本当に偶然なのですが以前から興味のあった三上寛、灰野敬二、石塚俊明のスリ-ピ-スバンド、「バサラ・vajra」のライブを見たのです。
at新宿JAM
なんというか勢いと流れに引き込まれて少し運命的ですらあった。
しどろもどろの彼女に無理言ってついて行かせていただきました。
まず感謝です、ほんとにありがとうございました。
素晴らしい経験でした。というか体験に近いかも知れない。
地下にある薄暗い会場、集まってくるお客さんには特別派手な人は見当たらず、客層は若干こわめの中年、雰囲気のある往年ロックスタ-系、アングラ系といった感じで外国人の姿も何人か見られた。普段私が行くどことも違う雰囲気であることは間違いない。しいて言えば池袋のマダムシルク的な。
しつこく先日も話題に上がった「シャ-リ-・テンプル」という名前のドリンクを発見しもちろんそれを頼んでみた。味は微妙だった。
しばらくするとステ-ジが暗くなりメンバ-が登場。
三人とも真っ黒のサングラスに黒い服。歳は50代半ばといったところ。
灰野に至っては前がみぱっつんのかなりの長髪にスリムパンツにつま先のかなり尖った靴と予想道りかなり変わった風貌。三上の頭はつるつるだ。
そして演奏が始まった。
彼らの音楽を一言で表すのは実に難しい。
常軌を逸している
という言葉はまず当てはまると思う。
早い話が私は彼らの演奏に非常に心打たれ涙を浮かべ、釘づけになってしまったということだ。
音楽は今までたくさん聴いてきたつもりだがあそこまで言葉が浮かんできたことも、情景が浮かんできたこともなかった。と思う。
完璧に持っていかれた。腑抜けにされた。
彼らの音楽はいわゆるメロディがあって歌があってコ-ド進行があって・・・というものとは全く違う。むしろ三上のボ-カルはほとんど詩というかセリフを喋っているようなものだし、灰野のギタ-にコ-ドというものはほとんど存在しない様なものだし、石塚のドラムもほとんど即興的といっていい。要するにめちゃくちゃのぐちゃぐちゃだ。ほとんどカオス。神がかりの降臨系。
演奏を聴いて思い浮かぶのは死、絶望、負の力、痛み、叫び、切迫感。
その全てがスロ-モ-ションに覆われて朦朧としている。
「皆共犯者だ!!!」
三上は叫ぶ。むせび泣くように。大声でわめく。
「サケのおにぎり 三個ください そう 叫んでみた~!!!」
「え?どっちが先?どっちどっち?・・・ギュインギュインギュイン・・・」灰野
「トコトントコトン!!」石塚
正直全ての言葉を聞き取ることはかなり難しい、それは声がぼそぼそであったりもはや叫びであったりするからだ。
二度ほど本当に別世界に連れて行かれてしまったよう感覚に陥ることがあった。
一度目は目の前に砂地獄の様な大きな渦があるように感じられ抗しがたいまでの引力でそれに少しずつ巻き込まれていくイメ-ジ。胸に穴をこじ開けられるような、精神錯乱、精神破壊、心が壊れてしまいそうな感覚。もしや精神的に追い詰められている人がいたら思わず叫んでしまうのではないかと思うほどの悲痛さ。
しかしそれを作り出す灰野のギタ-が実に素晴らしいのだ。
あんなギタ-の奏法は見たことがないという弾き方でギタ-を文字道りかき鳴らす、かき混ぜる、引っ掻き回す。マリオネットの様に引っ張られているような動き。それが作り出す音に私は「閃光」を感じた。真っ白な光である。ある時その光はゆらゆらと漂い、時には辺りはまぶしさのあまり色を失ってしまう。浄化の光だ。
耳を劈くようなぎゃんぎゃんという高音から流れるベ-スのような低音。
「ツ-----トトトトト---ギャアン-----ギャアン----ギャン」
もう一度はまるで竜巻が起こったようなイメ-ジの部分があった。
回りはフルスピ-ドで回転しているが自分は渦中で地面に歯を食いしばってへばりついている、スロ-モ-ションの風景。まるで天国に昇っていくような、あの世の、異世界の入り口のような情景。
この時灰野もまるで大風に吹かれ必死に飛ばされないでいるように、暴れていた。
灰野も負けじと叫ぶ。「ギュアアアアア ゴアアアアア----!!!」
まるで死ぬ間際の力尽きる寸前、最後の悲痛な叫びといったように聴こえた。
「やるせない夜 やるせない夜 やるせない夜!!!」三上。
最後思わずあまりのギタ-サウンドの眩しさに目を細めてしまっていた。竜巻は過ぎ去った。
衝撃だった。三人であれ程までも世界観を作り出せるということに。
音楽という目に見えない存在の大きさに。
まさに寺山修司の「書を捨てよ 町へ出よう」の様な色のかかったねっちこい映像が想起された。
朦朧とした現実と錯乱の狭間を感じた。その全てがスロ-モ-ションであることがポイント。
唯一ステ-ジ上の彼らと私たちを繋いでいたのはメンバ-が飲んでいた「ミナクア」のペットボトルのラベルの持つ現実感だけであったといっても過言ではないかもしれない笑。
さらに終始、私の前にいた客のヘッドバンギングがあまりに激しく、そのままふらっと後ろに倒れこんできたらどうしよう、頭の振りすぎでこの場で吐かれたらどう避けようかとかなり気になった。正直止めてほしかった笑。
終了後新宿駅付近まで興奮のあまりダッシュして帰る途中、交差点でアジア系外国人女性に肩をたたかれ何かを私に言った。
「ユア バッグ イズ オウプン!」
私が背中にしょっていたリュックのチャックが全開だったのは言うまでもない・・・。
というか毎日大変なことがあって楽しい笑。
もう本当に偶然なのですが以前から興味のあった三上寛、灰野敬二、石塚俊明のスリ-ピ-スバンド、「バサラ・vajra」のライブを見たのです。
at新宿JAM
なんというか勢いと流れに引き込まれて少し運命的ですらあった。
しどろもどろの彼女に無理言ってついて行かせていただきました。
まず感謝です、ほんとにありがとうございました。
素晴らしい経験でした。というか体験に近いかも知れない。
地下にある薄暗い会場、集まってくるお客さんには特別派手な人は見当たらず、客層は若干こわめの中年、雰囲気のある往年ロックスタ-系、アングラ系といった感じで外国人の姿も何人か見られた。普段私が行くどことも違う雰囲気であることは間違いない。しいて言えば池袋のマダムシルク的な。
しつこく先日も話題に上がった「シャ-リ-・テンプル」という名前のドリンクを発見しもちろんそれを頼んでみた。味は微妙だった。
しばらくするとステ-ジが暗くなりメンバ-が登場。
三人とも真っ黒のサングラスに黒い服。歳は50代半ばといったところ。
灰野に至っては前がみぱっつんのかなりの長髪にスリムパンツにつま先のかなり尖った靴と予想道りかなり変わった風貌。三上の頭はつるつるだ。
そして演奏が始まった。
彼らの音楽を一言で表すのは実に難しい。
常軌を逸している
という言葉はまず当てはまると思う。
早い話が私は彼らの演奏に非常に心打たれ涙を浮かべ、釘づけになってしまったということだ。
音楽は今までたくさん聴いてきたつもりだがあそこまで言葉が浮かんできたことも、情景が浮かんできたこともなかった。と思う。
完璧に持っていかれた。腑抜けにされた。
彼らの音楽はいわゆるメロディがあって歌があってコ-ド進行があって・・・というものとは全く違う。むしろ三上のボ-カルはほとんど詩というかセリフを喋っているようなものだし、灰野のギタ-にコ-ドというものはほとんど存在しない様なものだし、石塚のドラムもほとんど即興的といっていい。要するにめちゃくちゃのぐちゃぐちゃだ。ほとんどカオス。神がかりの降臨系。
演奏を聴いて思い浮かぶのは死、絶望、負の力、痛み、叫び、切迫感。
その全てがスロ-モ-ションに覆われて朦朧としている。
「皆共犯者だ!!!」
三上は叫ぶ。むせび泣くように。大声でわめく。
「サケのおにぎり 三個ください そう 叫んでみた~!!!」
「え?どっちが先?どっちどっち?・・・ギュインギュインギュイン・・・」灰野
「トコトントコトン!!」石塚
正直全ての言葉を聞き取ることはかなり難しい、それは声がぼそぼそであったりもはや叫びであったりするからだ。
二度ほど本当に別世界に連れて行かれてしまったよう感覚に陥ることがあった。
一度目は目の前に砂地獄の様な大きな渦があるように感じられ抗しがたいまでの引力でそれに少しずつ巻き込まれていくイメ-ジ。胸に穴をこじ開けられるような、精神錯乱、精神破壊、心が壊れてしまいそうな感覚。もしや精神的に追い詰められている人がいたら思わず叫んでしまうのではないかと思うほどの悲痛さ。
しかしそれを作り出す灰野のギタ-が実に素晴らしいのだ。
あんなギタ-の奏法は見たことがないという弾き方でギタ-を文字道りかき鳴らす、かき混ぜる、引っ掻き回す。マリオネットの様に引っ張られているような動き。それが作り出す音に私は「閃光」を感じた。真っ白な光である。ある時その光はゆらゆらと漂い、時には辺りはまぶしさのあまり色を失ってしまう。浄化の光だ。
耳を劈くようなぎゃんぎゃんという高音から流れるベ-スのような低音。
「ツ-----トトトトト---ギャアン-----ギャアン----ギャン」
もう一度はまるで竜巻が起こったようなイメ-ジの部分があった。
回りはフルスピ-ドで回転しているが自分は渦中で地面に歯を食いしばってへばりついている、スロ-モ-ションの風景。まるで天国に昇っていくような、あの世の、異世界の入り口のような情景。
この時灰野もまるで大風に吹かれ必死に飛ばされないでいるように、暴れていた。
灰野も負けじと叫ぶ。「ギュアアアアア ゴアアアアア----!!!」
まるで死ぬ間際の力尽きる寸前、最後の悲痛な叫びといったように聴こえた。
「やるせない夜 やるせない夜 やるせない夜!!!」三上。
最後思わずあまりのギタ-サウンドの眩しさに目を細めてしまっていた。竜巻は過ぎ去った。
衝撃だった。三人であれ程までも世界観を作り出せるということに。
音楽という目に見えない存在の大きさに。
まさに寺山修司の「書を捨てよ 町へ出よう」の様な色のかかったねっちこい映像が想起された。
朦朧とした現実と錯乱の狭間を感じた。その全てがスロ-モ-ションであることがポイント。
唯一ステ-ジ上の彼らと私たちを繋いでいたのはメンバ-が飲んでいた「ミナクア」のペットボトルのラベルの持つ現実感だけであったといっても過言ではないかもしれない笑。
さらに終始、私の前にいた客のヘッドバンギングがあまりに激しく、そのままふらっと後ろに倒れこんできたらどうしよう、頭の振りすぎでこの場で吐かれたらどう避けようかとかなり気になった。正直止めてほしかった笑。
終了後新宿駅付近まで興奮のあまりダッシュして帰る途中、交差点でアジア系外国人女性に肩をたたかれ何かを私に言った。
「ユア バッグ イズ オウプン!」
私が背中にしょっていたリュックのチャックが全開だったのは言うまでもない・・・。